【一次創作】同人誌即売会の出展ブースで委託販売をやってみた話
2024年7日20日に綿商会館で開催されたトレカで遊べる創作同人誌即売会「ウチノコRection デュエルパーティー!#1」。このイベント内の実験的な企画として、Dounats(の出展ブース)で委託販売を行いました。
本体のイベントのサークル参加とちがって、会場に行くことが難しい方に、Dounatsが作家さんから作品をお預かりして代わりに販売する珍しいスタイルです。
さて今回は企画・募集からイベント後の対応まで、一連の流れをnoteでご紹介いたします。何かのご参考になれば嬉しく思います。
企画・募集
きっかけ
委託販売の企画については、2024年1月に開催された「もじのイチ#1」出展後に、「東京に限らず、地方(遠隔地)の作家さんにもつながって欲しい」と思って、トオノキョウジさん(もじのイチ、ウチノコRectionなどのイベント主催者さん)にお話ししたことがきっかけです。
5月の連休明けくらいにトオノさんから再度お声がけいただいて、1週間ほど検討した結果、7月20日開催のウチノコRectionにDounatsとして出展することを決めました。開催日まで2か月ほどしかないため、時間との勝負でした。
この点についてトオノさんから募集期間が長いほうが良いと一言いただき、5月中に企画の大枠を確認して、細かい内容は走りながら決めていくことにしました。
企画の告知・募集
6月に入ってDounatsのDiscordサーバーで先行募集し、その後SNSで募集開始しました。
募集期間中にした工夫として、ひとつは「委託販売の募集している」「販売手数料がゼロ」「イベント本体にサークル参加していなくても参加できる」というのをわかりやすく、テキストを画像にして投稿してみました。
もうひとつは「応募しました!」の投稿をSNSにしてくださった方がいらっしゃったので、応募状況からも鑑みて、抽選から先着順に変更しました。結果6人の作家さんにご応募いただきました。(ありがとうございました!)
申込締切後のやり取り
申込締切後は、フォームへ入力いただいたメールアドレス宛にご案内メールをお送りしています。委託販売のサークル参加費の決済について、作品送付の期間と注意点について、そしてDounatsのDiscordの専用チャンネルの招待URLが含まれています。
この後メールで個別にやりとりするのは販売結果と作品返送完了時のご連絡のみで、すべてDiscordでやり取りをしています。
Discordを使う理由として、企画に参加している作家さん同士で集まっている感が出るからというのもありますが、Dounatsで以前実施した「掌の物語プロジェクト」で、1箇所でみなさんとやり取りできると進行やフォローしやすいといった経験からもあります。
決済方法の検討
今回の委託販売企画は作家さんから個人情報をいただくことを前提に進めていました。そのため、決済時には本名、作品の返送先住所、電話番号を入力いただいています。(プライバシーポリシーがあると安心)
決済手段については当初Peatix(ピーティックス)を使う想定でしたが、作品の返送先住所や連絡先など個人情報をなるべく打ち込む回数を減らすために、決済と同時に取得できるSquare(スクエア)を採用しました。
売上については銀行口座への振込として、口座情報はGoogleフォームで提出いただきました。Discordには個人情報が一切入らないようにしています。これは企画終了後に一括削除しやすくするためです。
有事に備えた対応
住所と連絡先をあらかじめ取得させていただいたのは、万が一、企画を中止せざるをえなくなったときの返金・返送処理をスムースに行うためです。
企画の大枠を確認するさいに、募集要綱を作成しています。この募集要項に企画の中止に関する規定を盛り込んでおくのがポイントです。委託販売はウチノコRection内での企画になるため、本体のイベントが中止になった場合を想定しています。
イベント前の準備・告知
作品POPの作成
今回の企画はどうしてもリアルイベントでありながら、会場内に作家さんご本人がいないという制約があるため、「作品POP」をつくることにしていました。
Discordに参加後、販売作品の情報収集するために、提出用のテンプレートをテキストで流しています。ここで作品の仕様や販売価格の確認を同時にします。
デザインはDounatsで作成して、テキストと画像のみ作家さんにご支給いただきました。イベント前はSNSの発信用、当日は会場での目印になります。
作品POP内の「私のウチノコ」は募集後に走りながら決めました。「ウチノコRection」のサークル参加者さんは即売会にあわせて、自創作のキャラクターをトレーニングカードとして作成し、そのカードの交換や対戦ができるようになっています。委託販売ブースではカードの配布や対戦ができないため、その代わりです。
作品POPについては印刷して、ダイソーの「貼れるボード」に貼り付けて、カッターで切り揃えました。
作品POPが回収できたところで、自己紹介用のテンプレートを用意しました。こちらは作家さん同士を知っていただくきっかけになったのかなと思っています。
あとは、出展スペースに余裕がありそうだと思い、急きょ無料配布を1点だけOKにして、フリーペーパーやチラシ、作家カードを同梱いただきました。内容についてはDiscord内でシェアしたりもしました。
作品のお預かり
作品のお預かり方法についてはヤマトの宅急便コンパクト専用BOX(袋ではなく箱タイプ)を採用しました。作品10部+見本誌が入るサイズで、こちらに関しても企画の大枠時点で決めています。
6名の作家さんから作品をクイックポストやレターパックで同時に送っていただくと郵便受けがパニックになる(再配達扱いになる)ので、営業所止置きができるヤマトにしています。個人でも使えるサービスです。
だいたい届いたかなと思われる日に、本人確認証を持って、サインすれば受け取れます(個数が多いので印鑑があると楽)。届いた作品の状態と在庫数をチェックして、輸送箱の中で保管しておきます。
SNSでの告知
SNSでの告知についてはX(旧Twitter)、Threads、タイッツー、Blueskyで展開しました。5月にDounatsのXアカウントを公式お知らせ用と創作ニュース用の2つに分割していまして、創作ニュース用で投稿するようにしました。
どうしてもイベント前は関連する投稿が多くなりがちなので、アカウントの使い分けは良かったと感じています。
SNSの発信については改善の余地ありで、途中からXでのみ告知してしまっていたこと、そもそもDounatsの存在や活動内容の認知不足といったことなど、今後はもう少し細やかな対応をしていきたい考えです。(似たようなお声を別でも頂戴しました)。
イベント当日
宅急便コンパクト専用BOXにしたのは、宅配ではなく手搬入にしたため、会場への移動中に誤ってぶつけてしまったり落としたりするリスクを考えてでした。また、箱単位で作品が分かれているので、作品返送時も誤封入を防ぐメリットもありました。
あと開催日の夜は雨が降る予想でした(打ち上げ中にけっこう降った)ので、念のため輸送箱をビニール袋に包んで防水対策もバッチリしていきました。
Dounats出展ブースはテーブル2卓の大きさで、設営について1人で行っていましたが、結果として開場の直前までトータル1時間かかりました。開催中・撤収についてはDounatsのライター・岡平桃枝さんが助っ人で来てくださり助かりました。
委託販売ブースのレジは、はじめは紙に正の字を書いて後から処理するつもりでしが、スクエアのスマホアプリを使いました。ペーパーレスで便利ではあるものの、現金でのやり取りは一連の動作が早いので、レジ打ちが追いつかないときがありました。後から入力したレコードもあり、もろもろ1人では無理でした。反省です。
当日の所感としては、ちょっと毛色の違った作品があるとブースを覗いて行かれる方がいらっしゃったり、あまり見ない取り組みだったので企画についてなるほどと興味を持ってくださる方もいらっしゃったりもしました。フリーペーパーなども手に取っていただき、短い時間でいろいろな方に立ち寄っていただきました。(お立ち寄りいただきありがとうございました!)
イベント後の対応
販売結果や作品の返送については、週明けすぐに作家さんへ個別にメールでご連絡しました。このメールで販売数(売上の振込予定日)、だいたいの作品返送予定をお伝えしています。
作品返送については会場までの搬入出ほどリスクはないため、クイックポストを使いました。これに関しては改善の余地ありで、往路が宅急便コンパクト、復路がクイックポストにしたのが原因です。サイズ違いで絶妙に作品が入りきらない問題にまで発展してしまい、対応としては2箱に分けたりして返送させていただいたりしました。
ちなみに、クイックポストは専用サイトでYahoo!ウォレットかAmazon Payを使って購入します。その画面で送り状を印刷して箱に貼り付ければ郵便ポストから投函できます。今回は物量的に郵便局へ直接持ち込んでいます。
返送を終えたら、クイックポストの追跡番号と事後アンケート(Googleフォーム)のURLをメールでお送りします。売上の振込は翌日行いました。
ここまでが委託販売企画の一連の流れとなります。
むすびに
事後アンケートでは本当に温かいお言葉をいただきました。至らない部分があったかと思いますが、全体として作家のみなさんが楽しんでいただけたことが何よりの収穫でした。一部コメントを抜粋してご紹介します。
実験的な企画にもかかわらず、募集から販売までタイトなスケジュールのなかで、作家のみなさんにご協力いただきながらスムースに進めることができました。本企画でアドバイスをいただいた方々、そして何より委託販売をご快諾いただいたトオノさんに感謝と御礼申し上げます。
所感として一言あるとすると、企画を進めるためのシステムがあると便利だなと思った反面、人と人とのつながりや優しさ感じた場面もあって、一人ひとり、そして一つひとつ、ていねいな対応をしていかねばと思います。
この企画を通じての今後の展望もありますが、公開できるタイミングになりましたらお知らせします。
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(文=松岡誠司)