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型破りな補完食
補完食(或いは離乳食)は動物性のものから始める、と聞くとどう思いますか?
日本では、お粥からスタートするのが一般的ですが…
実は母乳は動物性のもの。
動物性のものに慣れている赤ちゃんにとって、いきなりの穀物(お粥)は、かなり消化器官に負担がかかるんですよね。
お粥や野菜を与え始めてから、赤ちゃんの肌がアトピーになり始めた、とか、酷い便秘になった、という話はよく聞きますが、母乳以外のものを始めて与える場合、母乳に極めて近いものから与えるのがポイントです。
私は、今まで赤ちゃんのアトピー改善のお手伝いや、補完食のアドバイスをしてきましたが、断言できることがあります。
穀物、野菜、果物から始める補完食は健康問題を起こしやすい
ということです。
免疫力が弱くなるので病気になりやすく、顎周りの骨格の発達も遅れ、結果的に歯並びが悪くなる可能性が高くなります。(永久歯がまっすぐに出る為の十分なスペースがなくなる為。)
初めての補完食は、動物性脂質から始めることをお薦めしています。
そもそも、母乳は、主に、動物性脂肪分(コレステロール)、タンパク質(アミノ酸)、糖分(オリゴ糖)、水分、です。
補完食を動物性のものから始めた場合、風邪などを引きにくくなり、言葉の発達も早くなり、歯並びも良いようになります。
補完食を穀物で始めるのはなぜ問題なのか?
穀物を消化するにはアミラーゼという酵素が必要なのですが、母乳のみを飲んできた赤ちゃんは、炭水化物を消化する酵素(アミラーゼ)を体内で十分に作ることがまだ出来ません。
なので、赤ちゃんの体に入った穀物は不消化の為、腐食していき、細菌やガスが発生します。
これによって、腸内環境のバランスが壊れ、リーキーガットになりやすく、アレルギーやアトピーの大きな原因となっていきます。
アミラーゼ酵素を本格的に作れるようになるのは、1歳半~2歳頃からです。
野菜や果物を早期で与えるのもお勧めしません。
赤ちゃんの便に野菜がそのままの形や色で出てくるのはほとんど消化されていない証拠です。便秘もそうです。
野菜や果物等も、種類にもよりますが、1歳近くからやっと消化できるようになります。特に葉物野菜は消化しにくいので、1歳以降のほうが安全です。
では、最初に与えるべきものとは?
ずばり、動物性脂質です。
タラ肝油
骨の中の脂質(骨髄)
レバー(ほとんどが脂質)
半熟卵の(黄身のみ。卵白は一歳以降)
動物の脳(ほとんどが脂質)
魚卵
また、アミノ酸が多く含まれている、ボーンブロス(骨つき肉のだし汁や魚の頭のだし汁等)もお勧めです。
動物性のものを与える場合、成長ホルモン、抗生物質等が使われなかった動物を選ぶことが非常に重要です。
これらのものを十分に食べさせ、慣れてきたところで、動物性たんぱく質(肉や魚)をスタートさせ、それから、野菜や果物も少しずつ導入して行きます。
繰り返しますが、野菜、果物等は、1歳頃からにし、それまでは、母乳をしっかりと与え、動物性脂質、動物性たんぱく質(白肉からがお勧め)、ボーンブロス等を中心にするのがお勧めです。
ちなみに、水はお勧めしないです。
母乳を十分に飲んでいるのであれば、基本的に水はいりません。
1歳未満で、水分を補給したいのであれば、母乳かボーンブロス、が基本です。1歳以降からは水はオッケーです。(でも塩素たっぷりの水道水はやめましょうね。)
穀物や豆類は、出来れば1歳半~2歳までは待ちたいものです。
動物性のものに比べ、穀物や豆類は栄養素が乏しく、特に穀物は中毒性も高いので、導入は遅ければ遅い程良いです。
中毒性が一番強い小麦粉(パン、クラッカー、麺類)は導入するのをかなり遅らせることを強くお薦めします。これらは栄養素が乏しいどころか、消化をする上で、体内のミネラル、ビタミンが奪われます。
穀物の早期導入は、消化器官に負担がかかり、赤ちゃんも疲れます。
穀物中心の補完食を始めたら、赤ちゃんがよく眠るようになった、と言うのはこの為かもしれませんね。
また、大豆は与える量に気を付けて下さい。
大豆は女性ホルモン的な作用がありますので、特に男の子の赤ちゃんをお持ちの方は、与える量に気を付けて下さい。生殖器の発達にトラブルが起こりやすくなります。
お母さんが摂取する大豆の量にも気を付けましょう。(大量に摂取していれば、母乳にも含まれるようになります。)
精製糖分については、これもできるだけ避けるのが無難です。
母乳をしっかり飲んでいるのであれば、糖分不足になることはまずありません。
1歳以降であれば、少量の蜂蜜やメープルシロップは大丈夫です。
もちろん、果物も。
母乳はできれば長く与えるのが理想。
世界的平均でみると、3~4歳まで母乳を与えている国が多いです。
先進国は母乳を卒業させてしまうのが早過ぎます。
母乳卒業が遅い国であればあるほど、健康な子供が多い。(骨格がしっかりしている、歯並びが良い、虫歯が少ない、顔色が良い、子供の癌発生率が低い、等)
私は、息子が自ら「もういらない」と言うまで与え続けました。
忘れもしない、息子が4歳になる1ヶ月前のこと。
息子に、「ママのおっぱい、もうあまり出ないよ。」
と何回が言われ続けていた時期があった。
そしてある日、「もうおっぱいいらない?」と聞いたら、すんなり「うん、もういらない。」と言われ、その後、パパと二人きりでイギリス旅行に行ってしまったので、見事に息子はおっぱいを卒業したのでした。
長く母乳を与え続けたお陰で、息子は大きな病気になることなく、超未熟児で生まれたわりには、健康な子供になりました。
母乳を長く飲み続けることで、アトピー、アレルギー等にもなりにくいです。
大変かもしれませんが、母乳は長く与え続けることを強くお勧めします。
たとえ、少量であっても、です。
特に動物性脂質をあまり十分に与えられない場合は尚更です。
動物性脂質、というと、コレステロールを心配する方がいますが、コレステロールは悪いものではなく、人間にとって必要なものです。
コレステロールは、赤ちゃんの脳の発達と、ホルモンバランスを正しく整えるのに非常に重要です。
コレステロールたっぷりの動物性補完食を始めるお子さんは、言葉を話し始めるのがとても早いです。
反対に、ベーガン食で育っているお子さんは、なかなか話し始めない、というケースを沢山見てきました。
また、コレステロールは、赤ちゃんがまだお腹の中にいる時から、脳の発達の為に必要ですので、妊娠中もしっかり摂りましょう。
さて、では、いつ頃から補完食を始めるか?
という質問をよく頂きますが、
生まれて何ヶ月経ったとか、一人で座れるようになったとか、歯が生えたか生えていないか等は、あまり関係ありません。
それよりも大事なポイントは、
赤ちゃんが欲しそうにしているか、していないか、です。
他の人が食べていると食べたそうにしているか?
人の食べ物を見て、よだれが沢山でているか?
噛み噛みが上手になってきているか?(補完食を始める前に、肉のついていない太めの骨を噛ませることを強くお勧めしています。)
このようなサインを見て、母乳以外のものを与え始めるかどうかを判断されるのがベストです。
そして、食事は家族皆揃って行うのが一番理想的です。
赤ちゃんが一人で食べる、とか寂し過ぎます。
食事は交流の場所、家族皆が楽しんで食べる、ということを赤ちゃんの頃から教えてあげましょう。(たとえ、赤ちゃんがまだ食べれなくても、一緒に座らせてあげましょうね。)
家族皆で一緒に食べることを習慣にすると、赤ちゃんも、食事の匂いに慣れたり、皆の顔を見ながら、噛むことを学んでいきます。
頻度に関してもよく質問を受けますが、これも「赤ちゃん次第」
1日1回から始めてもいいし、赤ちゃん本人が欲しそうにしているのであれば、3回でもいいんです。
排便状態も考慮すると良いですね。
頻度を増やすことで便秘になりやすいのであれば、頻度を少し減らし、母乳を増やす、といった具合に。
あと、塩はダメ!と言う方が多いですが、ダメなのは化学食塩。いわゆるTable Salttという精製された塩。あれは、赤ちゃんでも大人でも使わないほうがいいです。
完全な天然塩の場合は、むしろ与えるべきです。(特に母乳を飲む量が徐々に少なくなるにつれて)
上質な天然塩を是非、補完食に使ってあげて下さい。
1歳近くになってきたら、野菜、果物を導入していくのですが、最初の頃にお勧めするのは、
生の熟したバナナ(夏のみ)
生の熟したパパイヤ(夏のみ)
生の熟したアボカド
生のスイカ(夏のみ)
生の熟した柿
熱を通したリンゴ
熱を通した洋ナシ
熱を通した根菜
熱を通したイモ類(ジャガイモを除く)
柑橘類やナス科野菜は消化が難しく、炎症を起こしやすいので、補完食で急ぐ必要は全くありません。
尚、野菜でピュレーを作る場合、ボーンブロス(骨のだし汁)や、動物性脂肪と混ぜると、消化が良くなりますよ。
ナッツ類は、活性化されたものなら(活性化されていないナッツはお勧めしません。)、1歳半~2歳ごろから導入してみましょう。
ただし、アレルギーがあるかもしれない場合、何に反応しているのかわかるように、1種類ずつ導入し、万が一の時に備えて、病院に直ぐに行ける時間帯にしましょう。
乳製品は上質なものが手に入りにくい日本ではお勧めしません。
1歳半以降に試すのもありですが、その場合、発酵された乳製品(ヨーグルト、チーズ)から始めるのが基本です。ただ、日本の場合は、一切避けてもいいぐらいだと考えます。
良質な乳製品が手に入るようでしたら、試してみるのも良いでしょう。
食べ物で遊ぶのはありです。
投げ捨てるのはさすがに困りますが、手でベチャベチャ、グニュグニュする、顔に塗る、吐き出す、等は多めに見てあげて下さい。
これ、大事なんですよ。
赤ちゃんだって、まだ慣れていないものを自分の指や下や肌で感じ取りたいんです。
大人でもそうですよね?
見たこともない、謎のものが食事に出されたら、何だこれ?とちょっと指でツンツンしてみたくなったり、まずは匂いをかいだりしたくなりませんか?
口に入れて不思議な感じがしたら、吐き出して確認したりしませんか?
テーブルマナーなんて、後から学べばいいんです。
実際に、4~5歳ぐらいになっても、まだ食べ物を顔に塗りつける、投げ捨てる、なんてことをしている子はあまりいません。
そんなことをする時期は、人生の何%?
長い目でみるとほんの少しの間なので、多めに見てあげて、赤ちゃんの色々な食べ物の発見、経験を楽しんでもらいましょう。
お子様のアトピーやアレルギーでお悩みの方、自分のお子様に合った補完食の進め方の詳細が欲しい方、はお気軽にこちらからご連絡下さい。
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