【11】あえて距離をとる
ひきこもり支援センターへは、まったく行かなくなりました。
同胞さんはもちろん、わたしを含めた家族も同様です。
家族面談強制終了時にお約束いただいた「本人が通所しなくなったら連絡する」という言葉どおりに、母親のもとへ連絡があったようですが、改めて家族が相談へ行くメリットは誰も感じていませんでしたし、わたしに言わせれば「ほら見たことか」な気持ちでしたので、そのままご縁は切れました。
母親の言うとおりに決心して相談へ行ったのに結局何も変わらないと、同胞さんの得意技「人のせい」が冴えわたります。
となれば、実家は針のムシロ状態、両親も辛くなるのも当然です。
母親からわたしに連絡が来る頻度が増えていきました。
わたしも母親の息抜きになればと、できるだけ話を聞くようにしていました。
でも、その話の内容は、両親が同胞さんの将来を考えることを諦めてしまっていたり、両親がいなくなった後の同胞さんとわたしとの関係にまったく配慮していない発言だったり、わたしの家族や生活自体を脅かすようなことだったり。
もちろんそんなこと、わたしはどれも承服できるはずがありません。
両親が若い頃とは違い、歳を重ねれば、体力はもちろん気力や想像力だって衰えるだろうから、少しでも両親の助けになれればと、わたしなりに今までやってきました。
でも両親は、完全にダークサイドに堕ちてしまった同胞さんを恐れるあまり、完全に思考が停止しているようでした。
このままわたしが、両親(特に母親)のはけ口を担い続けていたら、我が家は終わると思いました。
両親に「このままやり過ごすな」とムチを入れるべく、両親にこう告げました。
両親がつらいのは理解したいが、同胞さんには毅然と対応してほしいし、同胞さんの将来を考えることを諦めないでほしい。
この状態を打破しようとせず両親に人生のゴールが来た時の、同胞さんとわたしのことを想像してほしい。
わたしが承服できない話ばかりをこのまま聞かされるようなら、わたしは実家とは縁を切る覚悟だ。
以降わたしは、母親からの連絡に時折あえてスルーさせてもらい、自分のことや自分の家族のことを考える時間に充てるようにしました。
両親には先延ばしにするなと言っておきながら、自分は逃げているじゃないか…
いや、わたしの大切な相談相手の心理士さんからは、わたしがいくらがんばっても解決できる話ではないと言ってくれた…
そんなひとり押し問答を繰り返しながら、徐々に実家との物理的かつ精神的な距離を取るようにしたのです。
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