かんべんぷりーず@ひっきーの親族

きょうだいがひきこもりとなって数年経ちまして。 ひきこもりの家族な立場で、これまでのこと書いてます。書ければこれからのことも。

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きょうだいがひきこもりとなって数年経ちまして。 ひきこもりの家族な立場で、これまでのこと書いてます。書ければこれからのことも。

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はじめに

わたしには、きょうだいがいます。 そのきょうだいとは、幼い頃からずっと、なんだか分かり合えない感じがしていました。 年齢が離れていたせいもあったのか、きょうだいとの楽しかった思い出は、まったくと言っていいほどありません。 わたしがきょうだいと一緒に遊んでいるときや、きょうだいが他の誰かと話をしている姿を見たとき、わたしは、そこはかとない気恥ずかしさのような違和感をずっと感じていました。 人は皆、家の中では見ない身内の姿を見たとき、特にきょうだいに対して抱く感覚なんだろう

    • 【12】家族という呪縛を解いてわたしの人生を生きる

      これまでの経過を綴ったのが2年以上前…それからもいろいろありました。 いつかやってくる両親の逝去、そのときに同胞さんとわたしだけが残されたら…とわたしが恐ろしくなって外部への相談を始めたとはいえ… 両親の穏やかな老後のためにもなる、同胞さんが自分らしく生きるためにもなると信じ、家族としてできることをやろうと、両親へ相談行動を促してきましたが… 同胞さんの将来を真剣に考える様子のない両親から、わたしに対する依存がどんどん強くなるのを感じ、わたしは物理的にも精神的にも実家との

      • 【11】あえて距離をとる

        ひきこもり支援センターへは、まったく行かなくなりました。 同胞さんはもちろん、わたしを含めた家族も同様です。 家族面談強制終了時にお約束いただいた「本人が通所しなくなったら連絡する」という言葉どおりに、母親のもとへ連絡があったようですが、改めて家族が相談へ行くメリットは誰も感じていませんでしたし、わたしに言わせれば「ほら見たことか」な気持ちでしたので、そのままご縁は切れました。 母親の言うとおりに決心して相談へ行ったのに結局何も変わらないと、同胞さんの得意技「人のせい」が冴

        • 【番外編】流行りの映画とわたし

          昨今、「鬼滅の刃」が大流行です。 周囲の人は皆、観てない人に対して「面白いから観たほうがいい」と強くオススメしている姿をよく目にします。 観てなかった私にも、すっぽりハマっている人から強くオススメされたので、一応、テレビでやってるのを観てみたんですが… わたしにはハマりませんでした。 映画館で嗚咽するほど泣いたという大人が大勢いるらしいのに、わたしが心動かされないのは、一体なんでなんだろう… 世間に置いて行かれたような、焦燥感にも似た気持ちになっていました。 でも、あると

        マガジン

        • 同胞さんがひきこもり
          14本

        記事

          【10】普通に見えるからこそ辛いんじゃないか!?

          同胞さんは、進路や職業の選択など、自らの意志で人生を決定しなくてはならないような場面で、二転三転を繰り返してきました。 自分のことを客観的に捉えることが苦手すぎて、理想や目標が大きくなりすぎちゃって、実現するための方法もよくわからなくなって、実際にやってみたらうまくいかない… 苦手を自覚している対人関係を回避したにもかかわらず、大小さまざまな挫折を繰り返して、自分は何が得意か、何が好きか、よくわからなくなってしまったのかもしれません。 そこへ生涯お付き合いの病気がトッピング

          【10】普通に見えるからこそ辛いんじゃないか!?

          【9】母親の覚悟は伝わったのに…

          数年越しに覚悟ができた母親は、同胞さんへ「ひきこもり支援センターに相談へ行っていた」と、ようやく伝えることができました。 相当な反発を食らうだろうという予想に反して、意外にも同胞さんの反応はうすいものでした。 これに乗じて、同胞さんも支援センターへ行ってみないかと提案したところ、やはり最初は例のごとく「自分には関係ない、行っても無駄」と拒まれましたが、日が経つにつれ、その提案を受け入れる姿勢へ軟化していきます。 そして、同胞さんが「行ってもいい」と支援センターへ行くことを

          【9】母親の覚悟は伝わったのに…

          【8】母親へ促した覚悟

          数年間、ひきこもり支援センターへ定期的に通い続けましたが、何ら進展しないことに、わたしは危機感を抱いていました。 そこでわたしは、あえて家族以外の人が同席してくれている支援センターでの面談中に、母親へこう話しました。 何年ここへ通っても、家族が変わらなければ、これ以上きっと何も変わらない。 まずは同胞さんへ、わたし達がこうして相談に来ていることを、正直に伝えてほしい。 母親の表情を見れば、あまり乗り気ではないのはすぐわかりましたが、母親が覚悟を決めてくれなければ、何も始ま

          【7】相談窓口をめぐる旅(発達障害者支援センター編)

          ひきこもりに関するネットサーフィンをずっと続けてきました。 ある時、内閣府が出した「ひきこもり支援者読本」なるものにたどり着きます。 全編PDFでダウンロードができるとあって、わたしは全部印刷して読んでみました。 「発達障害とひきこもり」という章があり、読み進めていくと、同胞さんに当てはまると感じるところがたくさんあるのです。 わたしのこころの拠り所の臨床心理士さんに、面談の予約を入れて、同胞さんを発達障害という側面で捉えてみることについて、相談してみました。 すると心理

          【7】相談窓口をめぐる旅(発達障害者支援センター編)

          【6】相談窓口をめぐる旅(ひきこもり支援センター編)

          行政のひきこもりサポート事業が拡充され、実家のある自治体にもひきこもり支援センターがあることを知り、家族面談の予約をして、両親とわたしの3人で利用することにしました。 対応してくださったのは、就労支援に力を入れているNPO法人の相談員さんでした。 行政からの外部委託ってことなんだなと理解しました。 わたし達の話を丁寧に聞いてはくれましたが、自分たちNPOではこんな活動をしていて、こんなにたくさんの人を仕事に結びつけたという実績報告を過分にいただきました。 同胞さんの心は

          【6】相談窓口をめぐる旅(ひきこもり支援センター編)

          【5】同胞さんなりに相談してみた

          同胞さんは、体調の良い時には近所へ外出します。 これぞ「社会的ひきこもり」だと思うのですが、同胞さんは社会参加することなく、家族以外の人間関係はほとんど築けていないけれど、自分のペースでなら外出はできるのです。 これまで母親に「死ぬしかない」と訴えていましたが、「どうすればいいんだ」、「このままはいやだ」という、前向きなお訴えが増えてきました。 母親は、以前教えてもらったオウム返しで切り抜けようとしますが、同胞さんはもうそれでは満足しません。 病気の治療もひと段落した

          【5】同胞さんなりに相談してみた

          【4】兄弟姉妹の会に行ってみたら

          いつまでこんな状態が続くのか… 両親がいなくなったら、わたしはどうなるのか… そんな思いでネットサーフィンしていると、ひきこもりなきょうだいがいる人を対象とした催しを知りました。 同じ境遇の人と話をすれば、何か参考になることがあるかもしれないと、電車で2時間近くかかる場所まで足を運んでみることにしました。 行った先は、広めの会議室のような場所、主催者の方2名が迎え入れてくれました。 そのうちひとりは、ご自身もひきこもり経験がある社会福祉士の男性でした。 参加者は、わたし

          【4】兄弟姉妹の会に行ってみたら

          【3】わたしが出会った大切な相談相手

          同胞さんの目つきや言葉が乱暴になり、時に物を投げたり、物にあたったりすることが増えてきていると、母親からまた連絡がありました。 そこでわたしは、自治体が設けている臨床心理士相談をひとりで行ってみることにしました。 すると、とても親身に話を聞いてくださる臨床心理士さんに出会いました。 母親を連れて行かなかったのは、スケジュールが合わなかったのもありますが、わたしの心の内も聞いてほしいという思いがあったからです。 今までの経緯を伝えると、情報収集をしてサポステへ相談に行ったこ

          【3】わたしが出会った大切な相談相手

          【2】相談窓口をめぐる旅(サポステ編)

          困った母親はわたしに連絡し、相談するようになりました。 わたしは独立しており、実家を出ています。 母親の話を聞いているだけでは、何の解決にもならないと、行政の相談窓口を探し、母親に付き添って相談へ行きました。 まず相談へ行った先は「地域若者サポートステーション」、自治体が設けている若年無業者(いわゆるニート)の職業的自立支援事業の窓口でした。 そこで対応してくださった方は、産業カウンセラーだったようで、職業訓練に関する情報提供が主でした。 本人が来なければ始まらないと、

          【2】相談窓口をめぐる旅(サポステ編)

          【1】同胞さんがひきこもったきっかけ

          同胞さんには、正規雇用での就労経験が全くありません。 そもそも社交的なほうではないので、選ぶ職種は倉庫の在庫管理などで、人と関わる仕事をずっと避けているようにみえました。 そして、非正規雇用ですから契約期間満了になったり、自己都合で退職したりして、職を転々としていました。 得られる収入は自分で使う小遣いくらい、もちろんずっと実家に住んでいます。 そんな同胞さんは、あるとき体に変調をきたし、病気になります。 余命宣告されるような病気ではないものの、生涯付き合わなくてはなら

          【1】同胞さんがひきこもったきっかけ