これまでのあれこれ
どうもみなさんこんばんは
doughmaker店主です
8がつは暑さに負けるか負けないか
みたいな戦いをしながら
気づけば9月も半ば
みんな夏休みだね〜
宿題ちゃんとやるんだよ〜
なんて言ってたキッズたちの長期休みはあっという間に終わり
日焼け痕が夏休みの充実度を感じさせてくれる季節になった
最近は学校終わりや習い事の前に来てくれることが多くなってきて、季節の移り変わりが早いなと感じてます
暇な時間が長いとどうしても考え込んでしまう僕は
表現しているドーナツが本当にあっているのか
たまに不安になります
自分の人生の設計図、指標を改めて考え始めた時
僕はまだお風呂屋さんで店長をしてました
育った地元のある八王子でもなく
生まれた岐阜・飛騨でもなく
"千葉県松戸市"
過ごしていくうちに
人と人との繋がりを感じながら
なんで個人のドーナツ屋がないんだろうと思って過ごしていた日々
お風呂屋の店長という立場を任せてもらったからこそ頑張らないといけないと思い
重圧とプレッシャーに押しつぶされて
結局負けて
当時流行ってたコロナでも体調を崩して
なかなか戻らない体調と向き合いながら
これ以上迷惑をかけられないと思って
仕事を辞めて
弱音を吐けなかった
誰かに頼ることをしなかった
そんな自分が情けなくて
毎日入ってたサウナも入らないようになり
そんな時でもお腹は空いてて
心も弱り切ってた
僕を救ってくれたのは"ドーナツ"
食べてる時は考え事をしてないし
生きているだけで充分だと
ドーナツを食べながら
もう一個食べるか悩んでたり
コーヒーが美味しいなと思う時間
会社を辞める決断をしてからの有給消化期間は時間の許すかぎり
都内のドーナツ屋を食べて歩いて
自分の思い出と照らし合わせながら
今までの経験を元に試作品を作ってみては
ダメだともがきながら
10回、20回と配合を変えて
やっと納得のいく形のものができて
誰かに食べて欲しい
感想を聞かせてほしい
という"欲"に変わり
1年半前間借りからでもいいから
まずはやってみる精神で始めたドーナツ屋
今でも初日のことはよく覚えてる
11:00〜17:00
5組のお客様
熱苦しいくらい
喋って喋って
伝えて
納得いったら買って欲しかったから
初めての人には試食でプレーン渡して
無理やり食べてもらって
"おいしい"っていう言葉ひとつで
それまでの弱ってた期間が吹っ飛ぶくらい
めちゃくちゃ嬉しかった
今まで"食"に関しては携わってきてたけど
シェフではなかったし
言われたことをただこなしていただけ
ジブンゴトとして捉えたときの喜びは
比べものにはならない
今でもその5組のお客さんは
出店場所が違うから
たまにしかお会いできないけど
定期的にドーナツを召し上がってもらえる
決まって言ってくれるのは
"プレーンが美味しくなった"
ということ
開業してからの5〜12月の7ヶ月ほどで
4万個ドーナツを作っていく中でクオリティを高めて
途中途中で意見をいただいてはドーナツに落とし込んでいく
年が明けた1月〜9月までで6万個ドーナツを作らせてもらった
含めれば開業してから約10万個
いまだからこそ形になったと思うが
始めた当初のドーナツはあれはあれで美味しかった
だけど表現の奥行きがなくて
素材に頼っている部分が強かった
反復して得られた生地を作る技術と
発酵や揚げに対して挑戦しては失敗をする
トライアンドエラーを繰り返す日々
がむしゃらだったなと
"30歳までにお店をつくる"
という根拠のない目標がずっとあります
なんで30歳なのか
どうしてお店なのか
明確にはなかったがどこかできるんではないかと思っていた自分
現場だけで育った僕には
一度経営の勉強をしなければと思い立ち
転職先はお風呂屋さんのマネージャーとして入った
お金の流れ
仕入れから販売価格まで
スタッフの関係性、コストパフォーマンス
物事を俯瞰で考えること
とても二十歳そこらの人間が経験できないようなものを得られたという意味ではお風呂屋さんも遠回りではなかったなと
社長から言われた"川尻に任せればなんとかなる"は
僕にとっては最大の褒め言葉だったし
結果を生み出すまでのプロセスを熱心に聞いてくれたのはすごく嬉しかった
立場上数字でしか評価されない立場なのに
その結果を生み出すまでの過程まで気にしてくれる
会社のトップはなかなかいないんじゃないかとも思ってる
現状の僕は間借りなりにも経営をしなければならない
潰れないお店
従業員を守れるお店
お客さんに満足してもらえるお店
味、サービス
年齢なんて関係ない
やるかやらないかの問題
ただ僕は経営という観点を度外視すると
"表現"をしたい
アーティストなんていうような
聞こえのものにはならないが
小麦を使ってパン屋でもない
一つのものに特化したい
向こう30年
仮に定年するまでに作るドーナツの個数は
何個になるかはわからないですが
お客さんにしてみれば
大切な1個
その1個を食べた時に
感動を生み出せるかどうか
僕の力量次第だとも思う
作り続けた先にある
経験値は僕にしかないもの
今来ているお客さんたちが同じように歳をとる中で
僕はドーナツとともに歳を取りたい
たまに違う世界線で
僕がシェフとしての道を進んでいたらと思う時もある
いまもレストランにいたらどうなっていたのか
ワインの知識やソースの作り方
食材の扱い方
意識、知識が今とは全く違うのかもしれない
究極のドーナツ
食べたら細胞レベルで活性化するような
そんなドーナツを求めて
日々研鑽
今思ってるような表現が正しいのかどうかすらも
小さい悩みだと思う日が来るのかもしれない
僕が作るから美味しいのか
誰かに任せた方がもっと美味しいものができるのか
なんていう悩みもいつか晴れる日が来ると思ってる
今年の後半も
初心忘れず
伝えていけたらいいなと
振り返りになっちゃいました
またお店で会いましょう
doughmaker店主