情報という商品にも減価償却を考える
減価償却という言葉があります。
聞いたことはあるけれど詳しくは知らないという方も多いかもしれません。
減価償却とは、会計上の概念で、物の価値が時間とともに低下していくことを計上する方法です。
例えば、パソコンや車などがこの概念の対象となります。
高額なパソコンは一括で経費にできず、数年間にわたって経費として計上していきます。
車の場合も同様で、中古車などを購入した際は2年間かけて経費として計上するのが一般的です。
具体的には、100万円の車を購入した場合、初年度に50万円、2年目に残りの50万円を経費に計上し、減少した資産価値を除外する形になります。
初年度には100万円分の車が資産として計上されますが、2年目には50万円となり、最終的には資産価値が0円になります。
このように、資産価値が高いものほど減価償却の年数が長くなるのが通常です。
例えば、鉄筋コンクリートで建てられた家の場合、減価償却の期間は47年にも及びます。
一方、木造の家ではこの期間が非常に短くなります。
この減価償却の考えは形の無い知識や技術にも適用できます。
例えば、2000万円のライティングの講座があるとして、一見するとこの金額は非常に高額に思えます。
しかし、ライティングというスキルの性質を考えると、少なくとも20年間は活用できるだろうと考えられます。
例えば、今後どんなプラットフォームが新しくできたとしても、このライティング技術は有効であり、応用できます。
対照的に、プラットフォームに特化した講座を200万円で購入したとして、もしこのプラットフォームのサービスが終了してノウハウが1年しか使えないとしたら、その知識を活用できる年数は非常に短いということになります。
このように情報の価値を判断する際にどのぐらいの期間有効か考えると、単純に値段では測れないことになります。
減価償却も含めて考えると、2000万円のライティングのコンサルティングの方が、20倍の期間利用できそうですから、コストパフォーマンスが高いという判断になります。
プラットフォームに特化したスキルは、現在稼げていたとしても、その知識の対応年数が短いことがあります。
これは、SNSなどのプラットフォームはアルゴリズムの変動が激しく、いつサービス終了するかも分からないためです。
200万円が今日までしか使えない技術だったとしたら、非常にリスクが高いということを意味します。
不動産投資に例えると、鉄筋コンクリートで建てられた新築のアパートは47年間持ちますが、木造の家では非常に短い期間しか持たないことと同じです。
このように、知識や技術にも減価償却や対応年数の概念を導入することが重要だと考えています。
そして使える年数が短い技術は、資金が少ない時期に優先的に学ぶべきです。
使える年数が短いということは、市場の変動が激しいため、その時点での即効性が必要です。
市場がきちんと形成される前に流行に乗れれば、競合が少ないため、目立ちやすい傾向があります。
例えば、ライティング業界に新しく参入するのは難しいですが、TikTok、InstagramといったSNSなど比較的新しいプラットフォームでは、短期間で有名になった人も多く存在します。
短期的に成功するためには、使用年数が短い技術を学ぶことも有効ですが、そのままでは長期的な成功は難しいため、使用年数の長い技術やスキルに再投資することが重要です。
この考え方は、他の業界でも同様に適用できます。
不動産投資では、最初は低コストで短期的な収益を得られるボロ物件への投資から始め、安定した収益を得た後、長期的に有益な物件に投資する手法が一般的です。
飲食業界でも、トレンド性の高い商品で短期的に成功し、その後安定した収益を得る店舗を作るという戦略がよく見られます。
最初から使用年数の長い技術で成功できれば理想的ですが、それは非常に難しいため、まずは使用年数の短い技術で成功を収め、その後、長期的に有益なスキルに投資することが重要になってきます。
このように、スキルにも使用年数があることを理解し、経営者やフリーランスとして長く続けるためには、長期的に有益なスキルを持っておくことが不可欠です。
自身のスキルの投資について、この「減価償却」の考え方を取り入れ、短期的な成功と長期的な安定のバランスを取りながら、継続的に自己投資を行っていくことが、持続可能なキャリアを築く上で重要です。
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