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"doubt weekly" 2022/9/8(政教、洗脳、ミンナ教)
doubles studio weekly news
2022年9月8日収録・9月9日公開
Chantrapas(シャントラパ/以下”C”): JCのニュースのコーナー。今週は都合により一つだけ。
Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ/以下”JC”): 世界の辺境で暮らしてる一市民としてはね、気になる話題もあるんだけど、これにしよう。
朝まで生テレビで田原総一朗が公明党議員にド直球質問「統一教会と創価学会はどこが違うんだ?」
C: へえ、そんなことが。
JC: このおっさん……政治的な理念というのが無いから言える事がいっぱいある人。なんであんなに権力があるのかは知らないけど。
C: うん。
JC: 言ってる事はシンプルだよね。統一教会と創価学会とを別々に分けて話を進めて行くと根幹には絶対届かないから。「込み」じゃなきゃ勿論駄目だよね。政教分離というのはすごい面白いテーマなんだよ。日本……しか多分向き合えない。ね?
C: うぅん。
JC: 他の国はもっと普通に政教というのは一致しているから。自然にね。
C: うん。
JC: なぜか分からないけど、日本だけ戦後に政教分離がとにかく重要視された。国家運営においてね。「何かを崇拝する」という根本的な理念みたいなものが日本では凄く強いからGHQはそうしたわけであって。天皇に傾いてたから……。まぁ、傾かせて、戦争して。で、天皇を切り離して。
C: うん。
JC: 神道と仏教分けたり、政府と宗教を分けたりすることによって国民を「離脱」化させる。国民には「国民だ」という認識を与えて行く。これ……「実験」だよね。他の国はほぼやってない。そこにテレビどうぞ、ラジオどうぞ、助成みたいなもの……保険制度とか年金制度というのを見せる事によって、どれくらい生産性が上がるのか、を試して行ったのが高度成長期。
C: うぅん……。
JC: それが見事にGDPで世界のトップに近い所まで行くわけ。そういう意味で言うと、「信仰心を一番最初に完全に奪われる」という事では、先進国ですよ。
C: うん……。
JC: これは結構根深い。「八百万(やおよろず)だ」とか今あわてて言い出す人達の気持ちは、「何かを奪われている」っていう。キリストも崇拝出来ないし、仏教も今更ね。ぼんやりしてる。でも仏教には帰るのかな? 仏教なり神道の先に八百万を見るのかもね。一神崇拝はリスクがあるというのは、何でか知らないけど分かってる。危ないんだよ、日本人って。
C: うん……。
JC: 潰されるんじゃない? 嫌なんだよ。悪い人達から嫌われる民族性を持ってる。
C: マスク外さないし。
JC: そうそう。従っちゃう。全部言う事聞くのに、八百万だと言われると「八百万もあるかもね」ってみんな思ってる。統一された宗教はキーだろうね。信仰を不確かにするという戦後の政策は上出来で、若い日本人は信仰に対するリアリティが無い。凄い事でしょう?
C: ですね。
JC: 凄い事なんだけど、何を信じますかって、いざ国民が不安に駆られていくと、どっかの宗教を信じるんじゃなくて八百万に目が行っちゃう。
C: うん。
JC: 統一教会を叩いて他の宗教に目が行くなら都合がいいけど、そうじゃない。信仰という理念、それそのものへの不信感で日本を利用したい人達の思惑は始まっていたんだろうね。
C: 元からニューエイジャー国家でもあるでしょう?
JC: そうだなぁ。
C: ニューエイジってほとんど逆輸入みたいな。ニューエイジ的なものに何かがあるんじゃないか、新しい精神、新しい思考があると思って手を伸ばした人が、いざ掴んでみると「既に我々の知っているものだった」という、これ驚きね。
JC: そうね、あぁ……。
C: 神は遍在している。もっと言えば自分の中にも神がいる。助けてくれる「何か」を探して掴んだそれの答えを知った時の驚きというのは……。
JC: うん。
C: 手を伸ばしたら「自分自身」なんだよ。たぶん徹底的に自己嫌悪が沁みついた人は耐えられない。ここでの「逃避」がカルト化の発端なんじゃないかな?
JC: 言いたい事は分かる。
C: 外の何かに救ってもらおうとして飛び込むわけだから。自身の変容が答えですよ? となると、多くの人が耐えられない。だからカルト化する。ここで言うカルト化を定義すると、「誰かの言う事を聞く」ってことね。
JC: いいことだけどね。はははは!
C: なにかしらの権威のね。多少生きやすいかもしれないけど……どうかな、分からないけど。違うと思うけど。お金取られるだけだと思うけど。
JC: うん。
C: 思考の末に思考を手放す。セミナー行って一番気持ちいいのってそこって言うでしょう。脳内が灰色になって、
JC: グレー。
C: その場の全員と一体感を感じる。
JC: 洗脳だよね。
C: そこ一番気持ちいいんでしょう?
JC: えぇ……。
C: えっ、と思うでしょう? それがミンナ教じゃん。拡大してみると。
JC: そうです。そうだよ。
C: 人それぞれ教としては。ライバルの。はははは。
JC: みんなグレーにする……「共同体」という意識だよね。
C: この社会=カルトと飛躍してみる。そんなに外れてないと思う。
JC: 高木壮太さんが書いてたツイートでシンプルだけどすごい面白いと思ったのが、「外に出てマスクつけてみろ」って。
C: あぁ。
JC: 「みんなと一緒になれる快感は絶対に奪われることない」みたいな。それは的を得てる、すごく……。要は「外せ」って本人は言ってるんだけど、意味する所は深いよ。そこにある「多数決」的な、うん。多数決の限界みたいなものが常にあるわけで。
C: そうね。ストリートのワルい人ならではの書き方。あの人面白いよね。
JC: 黒いなって。好きだな。面白い。ちゃんとアイロニーとか知識も必要だし。
マスクをして街を歩くと「社会に参加してる感」が胸の奥から無限に込み上げてくる。世の片隅で忘れ去られたおれのような者でも未曾有の世界的イベントに参加できるのである。周囲と一体化してONE LOVE, WE ARE THE WORLDである。これはやめられない。
— 高木壮太+ (@takagisota2022) August 27, 2022
C: そうね。辿り着いたのはほとんど反知性主義に見える知性主義……帰結としての「抽象」?
JC: 抽象ね。
C: うん。
JC: 抽象化って、例えば芸術の一つのくくりがあって、まるで「アーティスティックだ」みたいな事になってるけど。必然的に抽象的になって行く人達というのは、「人間が抽象化していかないといけない」という必然を見てやってるわけだからね。絶対に抽象化して行くという確信がある。
C: うん。
JC: これからどんどん抽象化して行くよ。良い意味でも悪い意味でも、本当にぼんやりしてくる。抽象化を意図して思考しているかが凄く重要になって来るんじゃないかな。まぁ……Cは自分の抽象画をあんまり分かってくれないからな。
C: ちょっと難しい。少し形がある方が好きだね。ははは。まぁそこは人それぞれ教ってことで。人それぞれ教もミンナ教くらい課題が多い!
2022年9月8日 doubles studioにて録音
ダブルス・ストゥディオ
Johnny Cash (thinker/artist) & Chantrapas (designer/curator)