雨雨雨や
錆び壁背にして
すぶぬれたまま
雨宿り
ざぁざぁざあ

廃ビルの上
霞む人影
のようなもの
雨だれぱらん
輪郭つるん

朽ちかけて
しがみついてる
非常階段
早く止めろと
僕を呼ぶ
イヤホン越しに鼓膜を叩く

夕陽にたたずむ
燃え立つ少女
行く手を阻む白い柵
違和感ぬるり
あざとい警鐘
あるいは吉兆

重み増す足止められず
雫したたる指先つかむ
色をなくした硝子細工は
凍りついて骨になる

まだ足りないと響く声

じゅぅじゅぅじゅう
濡れた靴が嗚咽する
霧を纏って脚を蝕む
活火山の水溜まり

燃える空は足もとに
逆さまになった少女の顔は

笑っているのか
泣いているのか

誰なのか

僕なのか

夢なのか

僕は今

落ちるのか

堕ちるのか

死にたがりほど

楽に死ねぬと

少女は

僕を諭すのか

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