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店舗を持たないという結論と、目指すもの


こんにちは。

今日は改めて、自分が今こういった働きかたを選んでいる理由と、目指したいものについて書きます。

また変わっていくとは思いますが、”いまの考え”として残すことがいつかの自分のためになるのと、ほんの一例としての体験談ですが、誰かの発想に役立ててもらえる部分があったとしたら、嬉しく思います。

そもそもコーヒーの仕事を始めたきっかけは、オーストラリアにあったことはこちらの記事に書きました。


しかし【自分で】お店を開業をするというプランしか、なかったのでしょうか。

今日はこのあたりからお伝えできればと思います。
少し長いですが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

消去法で決まった自店開業というプラン

オーストラリアで働いていたようなお店を日本でやれたら、今のままの働きかたと暮らしかたが維持できるな、と考えたのは、まさに現地にいる時でした。

Newcastle での生活は完全な朝型で、朝5時に起きて、自転車で出勤して、6時から働くというもの。
日本でも飲食の仕事をしていて、深夜1時に帰って午前4時に就寝という夜型生活をしていた自分にとっては初めこそ不安もありましたが、やってみるとすぐに、こっち(朝型)のほうが断然好き、ということがわかりました。

同じ調理という仕事でもディナーを作っているか、ブレッキー(朝食)を作っているかでまったく違う生活になる。両方を体験してみて、

まったく違うのなら、これは選べるものであるべきだと思いました。

それはオーストラリアが朝食需要がある国だからでしょう、と言われればそうなのですが、当時の自分は、なんというかもっとひろい意味で、

「この仕事をするなら、自動的にこういう生活になります。」
というのは ちがうな、
とわりとはっきり思ったんですね。別物じゃないか?と。

したい仕事をする、したい生活をする。
これは二者択一ではない、と明確にわかったという感じでした。

でも、困ったのは。
今はいいけど、日本に帰ったら、

したい生活(朝型の生活)と、

したい仕事(料理の仕事)と、

求められるもの(飲食という仕事への需要)がちぐはぐだぞ、ということ。

では、どうするのか。
やっぱり自分でやるしかないのかな。これがまずあった思いです。
いわば消去法からのプランなのですが、先に自分の生活を設計したいな、という気持ちが強くありました。

どんな生きかたがよくて、どんな暮らしがしたいのかを先に決めると仕事の幅は広がります。

こういうのは嫌だな、というイメージはあったので、しないことを先に決めちゃって、それ以外はまた考えよう、という少し逃げのスタンスは今も変わらずですが、帰国して、どこも働くところがなくて(!)いざ自分で何かやるしかない、となったときのために、今はここで技術を磨こう(そしてお金も貯めて帰ろう)というプランでした。

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自店開業プラン→《独立という形》の模索

私は元来かなりネガティブというか臆病な性格で、できれば自分で事業をするとか場所を持つとかはしたくないな、と考えていました。
付随するリスクを重めに捉えてしまうという感じで、これは今もあります。
もしNewcastle で働いていたお店と同じお店が日本にもあって、同じ条件で雇用をされていたら、開業は考えなかったと思います。

しかし一方で(東京の店舗でいいお客さんに育てられたこともあり)技術があるのは前提で、それ以上に関係を築けることが大事、それは今までのように取り組めば基本的には可能、というのは体感として得ることができていたように思います。

一緒に働いていた仲間も独立したり環境を変えてステップアップを目指す中、自分はどうしようかと悩んでいて、この頃から本当に”店舗”という選択肢しかないのかを考え始めます。
企業内カフェのコンサルティングのお仕事をさせてもらったのもこの時期でした。自分も模索していたんだと思います。

しかし、このお仕事をさせてもらったことで、

今、自分たちが取り組んでいることが、本質的な解決につながっていないといけない、と考えるようになりました。

今の自分たちだけが良くなっても意味がない、ということを指摘され続けていたので、自分がとる行動は、顧客に、業界に、社会に、世界に、未来にどう影響を与えるのか、与えたいと考えるのかをいつも問われていました。

こう書くとすこし大げさに見えますが、それまでの自分がいかに自分のことしか見ていなかったかがわかって、個人レベルでも、これはなくてはならないものなんだと理解することができました
自分の行動は【何】【誰】に加担しているか?
どんな現象を助長、または推進することになるのか?
本当にいい経験をさせてもらったと思います。

そうだとしたら、自分のやるべきことは?
新しい視点、新しい問いが加わって、考える時間が続きます。


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お店を持つことは気が進まないな、と考えたときに、エスプレッソを抽出したり、ラテを作ったりという"作業"自体を楽しいと感じていなかったら、コーヒーの仕事自体をやめてしまっていたかもしれません

たとえば抽出にメッシュ調整(挽く粒度を調整すること)が必要なくて、同じようにやっているのに【毎回違う】という要素がエスプレッソ抽出になかったら、ここまでの面白みを感じなかったかもしれないな、と思います。

やめたっていいんだよな、と考えるときに、でもまだやりたいなぁと思えるものだから、こういう形で続けることを選んだのだと思います。

いろんな考えかたがあっていい、というのが先にあって、
生活を顧みずに全力でやる、それができなければ完全にやめる、という2択しかないわけではなく
、自分にあったやりかたで好きなことを続けられるような社会になってほしい。そういう現象を推進したい。これは、口には出さなくても、本当は多くの人が望んでいることだという確信もありました。

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本当につくりたいものは何か?


それは【選択肢】でした。
ここに気がついたのは大きかったです。

選択肢をつくるにはいろいろな方法があります。
別の選択肢を《与える》《見せる》《考えてもらう》《いっしょに模索する》などです。

自分が現在取り組んでいることはいくつかあり、つながりが見えにくいものもあるので、結局なんなの?という意見をいただくこともありますが、最終的には様々な形で【選択肢が増えること】を目指しています。

逆に振れてはいけないし、小さなことでも、ここにつながる行動でないといけないと考えています。

それも絵に描いた餅でなく、実際に手の届く、選びやすい選択肢として増やしたい、という考えでいます。

それでこういった働きかた、暮らしかたに至っています。


コーチングで提供したいと考えていることも、バリスタのお仕事やそれ以外の食のイベントなども、この目的を見失うことなく、発展させたいと考えています。

このあたりはなかなか言語化が難しく、人に伝えること自体を諦めそうになることもありますが、ここの勇気を出せたのは、今回このHELP BARISTA というサービスをひとまずスタートできたのが大きかったなと感じています。

今後はもっと自由に発想することが許されていくだろうし、平時なら一蹴されてしまうような新しい試みに対しても、すぐに賛否をジャッジされるのでなく、それについてよく考える、という段階が含まれていく気がします。

今回の先行き不透明だった2ヶ月が作り出した、どこか【ひっくり返るかもしれない】という雰囲気がそれを可能にするのかもしれません。

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今日は、店舗を持たずに独立する理由と、目指すものについて書きました。
読んでいただきありがとうございます。

緊急事態宣言が解除されたタイミング、
個人のスキルや能力、経験や人脈も素材として組み合わせて新しい選択肢をつくったり、試してみたりといった動きが増えて、その流れの中でまずはたくさんの【例外】が生まれるといいなと思います。

何かを試したいという人がいたときに、その成功や失敗の確率を本人の代わりに考えるのでなく、チャレンジを後押しできるような活動を自分も続けていきたいです。


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Chie Oikawa /間借り書店/ゆる対話会
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