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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン サウンドトラック track1-9を妄想しながらどっぷり聴いた(ネタバレあり)

前置き

・初投稿シリーズです。不慣れ多いです。よろしくお願い致します。
・画像引用は 公式Twitter配信をお借りしています。
・間違ってたらごめんなさい:絵の場所(絵コンテがない)、用語、英語訳、耳コピ楽譜、もちろん分析も。m(_ _)m
・ライナーノーツ、公式挨拶諸々、基本引用ゼロです。聴こえたがままに。
・参照音源としてiTunesリンクをはりましたが、抜粋プレビューなのでサウンドトラックに準拠した時刻表記とは乖離します。フルサイズ・円盤を購入お願いします。
・2020/11/21 譜例・譜例音 追加
・2021/08/30 公式Twitterのオーケストラコンサート配信から画像引用追加

track1 Discovering the Past (過去を探し求めて)

ホ長調 E-major
マグノリア家にて
0:00:クラリネットの朴訥とした旋律「らーらー、、、らーらーらー、、、」で映画が始まる。が、つなげると「らーらーらーらーーらーー、、、」に聴こえてならない、そう、ヴァイオレットの旋律の断片に。 
今後頻繁に登場する「ヴァイオレットの旋律」はTVシリーズサウンドトラック「Theme of Violet Evergarden」で示される「(休符)らーらーらーらーーらーー」を指す。

この旋律は何回もなんっっっかいも出てくるので心して聴け。

VE劇場版サウンドトラック分析 ヴァイオレットの旋律
VE劇場版サウンドトラック分析 ヴァイオレットの旋律1-a

これはどことなく Innocence(純心)の第2旋律にも似ている。

VE劇場版サウンドトラック分析 Innocence

なお、ヴァイオレットの旋律には、A Doll's Beginning のように四分休符がないバージョンもあります。これも後で出てきます。

VE劇場版サウンドトラック分析 ヴァイオレットの旋律2-1

採譜分を音にしました。

0:30:冒頭クラリネットを受け継いだピアノにも、ヴァイオレットの旋律を感じる。ヴァイオレットは映っていなくとも聞こえなくとも、紛れもなく彼女の物語だ。
1:22:そっとホルンにもヴァイオレットの旋律が現れる。

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track2 Generation to Generation (世代から世代へ)

ニ長調 D-major
マグノリア家にて
みんな大好き Letters From Heaven を引用、尺長め:イントロ、第1旋律、第2旋律までがっつり聴けます。

特に第10話が印象的なあの曲。

0:00:TVシリーズ原曲ではバイオリンでフェードインで始まる、劇場版ではクラリネット→オーボエ→フルートと 次第に色艶が増えていく。

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小咄:クラリネットは無限のピアニッシモ・フェードインを演奏できる楽器なので(逆にオーボエは苦手) そういう点でもフェードイン的な曲にはもってこい。

0:51:第1旋律「らーり、ららららーり、ら↑らららーり、・・」ホルンが朴訥に。

VE劇場版サウンドトラック分析 LfHeaven1

1:12:のびやかな第2旋律「らーーららーらー らーーららーー」原曲では嬰ヘ長調(F#-major)へ転調し高揚するが、ここではニ長調のままシックに続く。とはいえ舞い上がる音にキラキラが眩しい。

VE劇場版サウンドトラック分析 LfHeaven2

track3 The Legacy of Violet Evergarden (ヴァイオレット エヴァーガーデンの遺産)

変イ長調 A♭-major → 変ト長調 G♭-major
手紙が飛び立つ→タイトルオープニング

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劇場版メインテーマ:たーりーらーらららーらーらー:の登場。この旋律は何回もなんっっっかいも出てくるので心して聴け。

VE劇場版サウンドトラック分析 メインテーマ
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0:11:メインテーマの断片によるイントロ、ホルンの駆け上がりに誘わて、「これからとても良いことが起きる予感がするの」とばかりのメインテーマ提示。
0:28:転調してキー(調性)が1全音下がったのに、テンションが7度上がったかのよう。J-POPに限らずクラシックでもキーを上げることが多いが、この曲のオーケストレーションによって広がり感が半端ない。
0:55:フルートによるメインテーマに乗ってタイプライターの打鍵音が踊る。TV版 Theme of Violet Evergarden や A Doll's Beginning 等で仕込まれていた音のギミック。映画館では逆に聞き取りづらいかもしれない、ぜひサントラ買って、良質な環境で聴いてほしい。特に耳に残る「(せーのっ)たん、(せーのっ)たたたん」のリズムは、TVシリーズ A Simple Mission にも出てきた。

1:26:曲の頂点の和音の中に ヴァイオレットの旋律が埋め込まれている。トロンボーンとホルン。クレジットがドーンと映る箇所。きれいな和音のままデクレシェンド。

ヴァイオレットの劇伴がシンフォニックに聴こえる楽器用法のひとつに、比較的音量が小さい場面でのトロンボーン和音がメッチャ綺麗。ここもそう。

track4 Hymn to the Sea pt. 1(海への讃歌 1)

イ短調 A-minor
0:34:さぁっと音が引いていくところがはっとさせられる。女性コーラスとバイオリンの高音。低い音がないから いくぶん視線(聴線?)が高くなる気がする。空からの絵があった。

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track5 Some Scars Never Fade(傷は決して消えない)

ト短調 G-minor
市長との会話
後味悪い感、評価している話も煩わしく聴こえてしまう。
1:08:この切々とした しかし出しゃばらない それでいて重々しいトランペットの使い方が興味深い。ヴァイオレットエヴァーガーデンの楽曲全体に言えるが、ヒロイックなトランペットはいわゆる「よくある劇伴」に比べると本当に少なく、珍しい。

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track 6 Sometimes Dreams Come True (いつか願いは叶う)

ニ長調 D-major
お祭り、エリカとの再会

劇中を踏まえ、夢ではなく願いと訳した。Dream、Hope、Wish、これから出てくる曲名に想いをはせてはいかがだろうか。
華々しくもなく、かといって暗澹でもなく。成功と絶望でもなく。ただ今はこのひとときが大切であたたかい。そういう場を作ってあげたい、的な曲。
1:08:この旋律好き、なにか懐かしい。。

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track7 On That Fateful Night (運命的な夜に)

嬰ト短調 G#-minor Gis-moll(独)
この調性は特別なので、ぜひ意識しておいてほしい。Gilbert(スペル共通)の読み方。ギルバート(英語)、ギルベルト(ドイツ語)、ジルベール(フランス語)。そう、彼の調性。

小咄:音名 ドレミファソラシ:CDEFGAB:を名前にあてること、逆に名前を音や調性にあてることは、かの有名なバッハ J.S.BACH もやっていたギミック。B:シ♭、A:ラ、C:ド、H:シ♮。
楽器の調性(構造上基準となる音 特に管楽器)と命名にも影響を与えている、こちらはtrack30-35で。

回想
0:05:ピアノとハープによる雨だれの音の背景に、ずーっとソ#:G#:Gisが静かに伸ばされている。そう、彼のことが頭から離れない。

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0:29:コーラスの旋律は 変形されれているが TV期のInnocence(純真・純潔) に聴こえるような気がする。あっちはとても可愛らしいイ長調 A-majorなのに、こちらときたら。。。本予告2にも使われた音楽(0:42~)

0:56:圧倒的に密度が濃く重苦しい。本予告2の 1;07あたり。

尚 白状すると、本予告2のさらに先 1:35 を最初に聴いたとき、後述する One Last Message 第1旋律の変形短調版 よりも先に 、TV版 Inconsolable(慰めようもなく悲しみに沈んだ)を連想したのですわ。。これはtrack24 Tears in the Rain、詳細はまたのちほど。

意気揚々とツイートしてるし(2020年9月11日)

(観に行った後もまだ気づかず あげく譜面化してツイートしてるし(9月21日)

でもPVに「最後の手紙」ってあるじゃんか。聴いてばかりで見てなかった笑

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(↑ 本予告のキャプチャ)
はい、One Last Message を聴き直しました。。

8 Dear Gilbert (親愛なるギルベルト少佐)

ニ長調 D-major
手紙を書く
0:29:オーボエ次いでフルートが誘い  0:38でクラリネットに現れる旋律、One Last Message 第3旋律 。メインテーマ級重要なので覚えておくように。

(TV版)One Last Message (最後のメッセージ)

ニ長調 D-major
劇場版の楽曲に密接に関わる曲なので 説明は省けない。3つの旋律があり、劇場版には 第1旋律と第3旋律が引用されている。特に第1旋律は音の高低跳躍を調整した「変形版」が 長調版(major)と短調版(minor)がある。以上合計4つ、重要。
0:00:第1旋律、ホルンとトロンボーンによって豊かに。

VE劇場版サウンドトラック分析 OLM1

採譜を音にすると

らーーーららーら らーーーららーら らーーらーーらーーーーらら らーーー

0:37:第1旋律 バイオリンで 穏やかに
1:06:第2旋律 弦楽器によってあたたかく生気に満ちて(劇場版には登場しない、、はず)

1:33:第3旋律 クラリネットで 朴訥にしかし幅広く
1:58:第3旋律 ホルンで豊かに

VE劇場版サウンドトラック分析 OLM3改

らーらーらーーら らーらーらーらーらーー

第1旋律変形版は長調と短調があります。詳しくは track19-29編で。

track9 Though Times May Change(時代は変わりゆく)

ニ長調 D-major
いずれこの仕事も・・・(ガス灯職人)
0:00:冒頭はファンファーレ調、後で拡大されて旋律になる。
0:30:望郷とも懐古ともとも名付けたくなる旋律、イングリッシュホルンで。オーボエではないところが重要。

別作品だが、 忘れてしまった思い出がだんだんと鮮やかに蘇る場面で、まるまる同じ旋律(音域すら)が イングリッシュホルン→オーボエに置き換わるギミックを施した曲がある。つまり、イングリッシュホルンの音色は、セピア色。対してオーボエの音色は鮮やかで「現在」。

今回はここまでです、以降はこちらからどうぞ。













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