![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/122980406/rectangle_large_type_2_db144efb878cad16f1b85e07184be453.jpeg?width=1200)
11.28(火)
買い物が苦手、というより物欲があまり無い。
ものを手に入れたということの喜び、気持ちよさみたいなものが、10代の頃は確かに少しはあったはずなのに今はすっかりだめである。
お金を使うのが嫌なわけではない。むしろ財布の紐は緩いほうだと思う。
「優先順位が低いだけじゃない?」
母は言う。
「そう思い込もうとしているだけじゃない?」
祖母は言う。
「欲が死んできたんじゃない?歳だよ」
友人は言う。
どれも正解で、どれも不正解であると思う。
わたしがわたしを制御していたとして、自分を抑え込んでいたとして、でも制御しているものもまたわたしの存在であるのだから一方的な解にはならない。
わたしという存在がいつも一定の物質ではなく、毎秒移り変わる現象であることを実感できたとき、ようやくわたしはわたしという存在を確固たるものにできるだろう。
その時ほんとうに欲しいものを、必要なものを、手に入れる方法を得られるのかもしれない。