新春の旅、さん風景
新春の旅の2日目お昼ご飯を中之条駅前の「林家食堂」さんで美味しくいただいた。
地方の町で出会う食堂には文字通りに味がある。食べ物だけではなくメニュー表やらプレート、テーブルクロスや置物に接客の言葉等、店内全体にそれがある…。ちょっと気になったクリスタル皿も他の料理だと何に使うのだろうとか想ったりして…、「冷麦」「中華冷し蕎麦」の流れかぁ~等と空想に遊んでいる。
「ただ、蕎麦色には…。」
とかね…。
そして、そんな時間を楽しむのも
「いいネ」
駅のホームに出て…しばらくすると黄色のボディに赤帯をあしらった旧国鉄色の特急「草津・四万」号がやって来た。
この車両は、往路で大宮駅からも乗ったのだが多くの撮り鉄さんが沿線でカメラを構えていたのでググってみたら…期間運用の人気車両らしい…。
自分ではなく列車にカメラは向いているのだが何だか擽ったい…。
バズーカ・レベルの望遠カメラが此方を向いている経験は初めてだなぁ…と思ったものだ。
自由席で皆さんと離れてホームの端に居た関係で最後尾車両に乗り込む事になって一つ興味を引いたのが、この列車のFaceは展望席なのかぁ…?
この顔を見るのは3回目になるのだが外からちょっと見…そう見えるけれど、違うな…等と想定しながら乗り込む…。
此れは詐欺とは云わないがFakeFaceだねぇ…。中之条駅からは、関東平野の端っこながら榛名や赤城の山々が徐々に遠めに離れていく中、ビルが増える町並みや工場等の風景を浅間山と富士山がごっちゃになる妻と楽しむ。高崎駅からの普通電車はドアを閉めた状態で時間待ちをしていて妻は珍しいようだった。車内では高校生や買物帰りらしい女性客等が点在していて、時折ドアが開いて客が乗ってくる。今度は、妙義山や浅間山が近づいて来る車窓…。勾配も徐々に付いてくる中、沿線の家屋が随分と続くのは予想外であった。風情ある横川駅に到着すると軽井沢行きのバス亭にほんの少し歩く。このバスも予約無しの定員制みたいにホームページに出ていたので溢れる事はないだろうとは思いながらも速歩になる…。無事に乗車すると今回も運転手後ろの席に座った。若い頃は、後ろ後ろにと進んだものだが…最近は億劫ですかね…特に妻と一緒の時はそうしています。ちょっと行きたかった鉄道文化村は直ぐ其処に在って、そのゲートから若者達がこのバスに乗り遅れまいしているのであろう猛然と走ってくる。彼等の先陣をきった若者は運転手さんが席下に入れる荷物の対応をしている間に乗車してワンマン運賃箱に投貨し始めてしまった…。
運転手さんが戻ったところ何やらちょっとトラブルに…。
うーん、どう解釈するかは難しいけれども何とか穏便に済ませてもらったらしい…。
「今の都市部の若者は、投入金額が表示される券売機か、下手すれば現金投入の経験も無いからねぇ…、何だか後ろも並んでいたから焦っちゃって…、悪気は無いんじゃないかな…。」
「お金を入れる時に『待ってるように』って私が言ってあげてればなぁ…。」
バスは、鉄道文化むらの脇を進んでいくので子供の頃に憧れた機関車群が近くに見えたりしてお得感も増していく。
「小学生の頃、夏になると佐久の家にホームステイさせてもらうのが楽しみだった。その度に父が送り迎えしてくれたんだよね〜、」
「それは旧碓氷峠時代だったんじゃない…。」
碓氷バイパスは、カーブも数も緩やかになったとは云え「峠越え」
悠然とバスを操る女性ドライバーのスマートな姿に「いいネぇ」と妻と頷いたりして…。