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贋作 桜の森の満開の下

今日でなくちゃいけないのかい

今日でなくちゃいけないんだよ

今日でなくちゃ、逝けないからね。

人と鬼との境目なんて、

どこにあろうものなのか。

例え鬼門を立てたとて

何の意味があろうかや。

ましてや心の中にさえ

鬼の棲む間があるものを

心のひだに巣食うのは

聖者の正邪に、狂喜の狂気

王冠かけて、缶蹴りで

ハイタッチして代替わり

さあさああなたもおいでませ

この満開の桜の下に。

〜〜〜〜〜〜〜〜

ただひたすらに、美しかった。耽美だった。

水木しげるの「妖怪」にも通じるところがあった。この世には鬼もいるし、妖怪もいる。その狭間に生きる者も。いつまでも足を引っ張り合うのは人間だけなのかもしれない。

国造りの話を絡めながら、最後は鬼と人間の道行で終わるとか、右脳の暴走をどう止めたら良いのか分からなくなった。永遠に公差できない思いのまま、転がり落ちた坂の先の桜の下には、きっと屍体があるんだね。そこに毎年、桜色の涙雨が降るんだね。

彫り師の「創造すること」の業とか「顔」と「面」についてとか、あれこれ途中で思っていたんだけど、全てがラストの舞い散る満開の桜で吹っ飛んだ。もう... なんでもいいやw

余談だが、この観劇後の感覚、随分と昔に他の何かで感じた覚えがあるな、と思っていたのがようやくわかった。

鈴木清順の「ツィゴイネルワイゼン」だ。桜色の骨だ。

来年の桜は、どんなだろう。


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いしまるゆき
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