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聴くと聞こえる
言葉は、世界に輪郭をつけてしまう。
「不明瞭」とか、「ひだひだ」とか、言葉をつけた時点で、不明瞭には、「不明瞭」という領域が与えられる。
「ひだひだ」と言うと、真ん中とひだひだは、分かたれてしまう。
音楽はただ、流れる。
人工の音も、自然の音も、確かにそこにあったのに、後には何も残らない。でも、無かったことにはならない。そういう風に、世界を丸ごと、受け止める。
言葉は暴力だ、と俊太郎さんは言う。
沈黙は、沈黙でしか語れない。
言葉で沈黙を語ろうとするとき、それは既に沈黙ではない。
言葉が沈黙を破り、誰かや何かと繋がろうと懸命に手を伸ばす行為だとしたら、わたしはずっと、誰かと繋がりたかったのだろうか。
1人で紡いでいた体で。
俊太郎さんがどんどん音楽になっていく。透明になっていく。でも、いなくなるわけではない。ただ、流れていく。仙人って、こういうことなのかもしれない。
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