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491/1000 【子どもの日】 可愛い両親

後期高齢者の父の元に、ワクチン摂取の案内がようやく届いたらしい。

「でもなあ、電話が全然繋がらへんのや」

「そっかあ。みんなが一斉に掛けてるんだろうねー」

「せやかて、もう何回掛けてもあかんねん。すぐに”おかけ直しください”ってメッセージが流れるんや」

「... ねえ、もしかして、そのメッセージが流れたらすぐに切ってたりする?」

「当たり前やろ、お掛け直しください言われとんのやから

... バカが付くほど正直者の父らしい。

「次に掛ける時はね、そのメッセージが流れても切らずにそのままにしておいてみて。受話器持ってたらしんどいだろうからハンズフリーにしておいて、ずっと掛けたままにしておくの」

「... なんでや」

「まあ、いいからやってみて」

翌日。

「掛かったでー!」

良かった良かった。

今どき、あのメッセージに言われた通りに切っちゃうのはウチの父くらいなもんじゃなかろうか。

そんな父を可愛いと思うくらいには、私も歳を重ねたらしい。

GWに少しだけ実家に帰ってきた。

帰り際の母。

「葉っぱ(リーフサラダのこと)持って帰る?もう洗ってあるし、すぐ食べられるよ」

「うん、じゃ貰って帰る」

「ほうれん草も茹でてあげようか。そしたらすぐに胡麻和えにできるやろ」

「ええっと、じゃ半分貰って帰ろうかな」

「あとはねえ...」

色々と持たせたがりなのは、祖母からの遺伝。

そんな母も可愛いと思う。

歳を重ねるって、親を可愛いと思うようになるってことなんだな。

そう思うタイミングだから不惑と言うのかも知れない。だとしたら私の不惑タイミングは、かなり遅い。まあよろず人より遅いんだから、仕方ない。

副菜をたんまりと持たせて貰って、私のお夕飯は今日も楽ちん。

ありがたいな。

そんな子供の日の独り言。

明日も良い日に。

アイキャッチは、ワイングラス越しのサンタフェの夕暮れ!





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いしまるゆき
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