見出し画像

BIM人材不足解消へ:野原グループが仕掛ける建設DXの新展開

はじめに:建設業界が直面する人材課題

皆さま、建設業界の人手不足問題をご存知でしょうか?

2025年には「団塊の世代」全員が75歳以上となり、建設業界の人手不足はさらに深刻化すると予想されています。そして、この人手不足を補うべく期待されているのが、BIM(Building Information Modeling)をはじめとするデジタル技術の活用です。

しかし、ここにも大きな課題があります。そう、BIM人材の不足です。

「え?人手不足を解決するはずの技術の担い手も足りないの?」

そう思われた方も多いのではないでしょうか。今回は、この難題に挑む野原グループの新たな取り組みをご紹介します。建設DXの最前線で何が起きているのか、そしてそれが私たちのビジネスにどんな影響を与えるのか。一緒に見ていきましょう。


1. 野原グループの新戦略:BA-plus株式会社の設立

1.1 BA-plusとは

野原グループ株式会社は、建設・BIM人材に特化した派遣・紹介事業を行うBA-plus株式会社を設立しました。2024年6月中旬より本格的に事業を開始しています。

1.2 なぜ今、人材派遣・紹介事業なのか

野原グループは、BIM設計-製造-施工支援プラットフォーム「BuildApp」を通じて建設業の生産性向上に取り組んできました。しかし、いくら優れたツールがあっても、それを使いこなせる人材がいなければ意味がありません。

BA-plusの設立は、BuildAppによる「技術面」からのアプローチに加え、「人材面」からも建設DXを推進するという、野原グループの新たな戦略を示すものです。

2. BA-plusが提供するサービスと特徴

2.1 主な業種と職種

BA-plusは、建設、土木、設備(空調・衛生・電気)、プラントなどの業種を対象に、以下の職種の人材を派遣・紹介します:

  • 設計

  • CAD・BIMオペレーター

  • 施工管理

  • 積算・見積

  • 建設営業

  • 建設事務

2.2 BA-plusの強み

  1. BIM人材育成に注力:未経験者でも戦力化できる充実した育成プログラムを用意。

  2. 継続的なフォロー:派遣・紹介後も入念なフォローを実施し、企業と求職者双方のBIMスキル向上を支援。

  3. 外国籍人材の活用:即戦力となりうる外国籍のBIM人材の確保にも注力。

3. 建設DXがもたらす変革

BA-plusの事業開始は、単なる人材サービスの話にとどまりません。これは、建設業界全体のDXを加速させる大きな一歩なのです。

3.1 期待される効果

  1. BIM人材のすそ野拡大:ゼネコンを中心に、BIM活用の裾野が広がることが期待されます。

  2. 生産性の向上:BIM活用により、設計から施工、維持管理まで一貫したデータ活用が可能になり、業務効率が大幅に向上します。

  3. コスト削減と環境負荷低減:BuildAppとBA-plusの相乗効果により、無駄な作業や資材の削減が進み、コストダウンとCO2排出量削減が実現できます。

3.2 建設業界の未来図

野原グループが目指すのは、「CHANGE THE GAME.クリエイティブに、面白く、建設業界をアップデートしていこう」という世界観です。BuildAppによる技術革新と、BA-plusによる人材革新。この両輪が回ることで、建設業界は大きく変わっていく可能性を秘めています。

4. 企業が取るべきアクションプラン

では、この変革の波に乗るために、企業はどのような準備をすべきでしょうか。以下に、具体的なアクションプランを提案します。

Step 1: BIM導入状況の棚卸し

まずは自社のBIM活用状況を客観的に評価しましょう。どの程度BIMを活用できているか、どんな課題があるかを明確にします。

Step 2: BIM人材の育成・確保計画の策定

現状分析を踏まえ、必要なBIM人材の数と質を明確にし、育成・確保の計画を立てます。BA-plusのような外部リソースの活用も視野に入れましょう。

Step 3: パイロットプロジェクトの実施

特定のプロジェクトでBIMを全面的に活用するなど、小規模な実験から始めてみましょう。成功事例を作ることで、社内の理解と協力を得やすくなります。

Step 4: 全社的なBIM戦略の策定

パイロットプロジェクトの結果を踏まえ、全社的なBIM活用戦略を策定します。技術面だけでなく、人材育成や組織体制の変更なども含めた包括的な戦略が必要です。

Step 5: 継続的な改善とイノベーション

BIM活用は、一度導入して終わりではありません。常に最新の技術動向をウォッチし、より効果的な活用方法を模索し続けることが重要です。

まとめ:建設DXが切り拓く新たな可能性

野原グループの新たな挑戦は、建設業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。BIMを中心とした建設DXは、単なる業務効率化にとどまらず、働き方改革や環境問題への対応など、社会的課題の解決にもつながる可能性があります。

もちろん、その過程には様々な課題もあるでしょう。既存の業務プロセスの変更や、従業員の再教育など、乗り越えるべきハードルは少なくありません。

しかし、この波に乗ることができれば、建設業界に新たな価値をもたらすことは間違いありません。皆さまの会社は、この建設DXの波にどう向き合いますか?

BIMとAIが融合し、人とテクノロジーが協調する新しい建設の世界。その扉が、今まさに開かれようとしています。

さあ、建設DXが切り拓く新しい未来へ。皆さまも、この革新の波に乗って、建設業界の未来を一緒に創っていきませんか?