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The Point of Dot. 〜だから仕事が楽しい〜 Vol.01 株式会社Dot.代表 安東 剛志氏
第一回目となる「The Point of Dot. 〜だから仕事が楽しい〜」。
このインタビューでは株式会社Dot.の理念 ”仕事ってもっと楽しいはずだ” にもとづき、メンバーそれぞれの ”楽しく仕事をする秘訣” を探っていく。まずはDot.創設者であり、代表の安東氏にこの理念が生まれた背景も含め、これまでのキャリアやDot.に込めた想いを聞いた。
まず学生時代からさかのぼって、今のお仕事につながるようなきっかけやできごとがあったら教えてください。
うちは新聞社家系で、祖父も父も新聞社勤務、叔父も新聞社の記者をしていたので、中学生の頃からマスコミ関連の仕事を志すようになりました。
ただ、時代的に新聞はもう伸びないだろうと感じていたのもあり、テレビ業界に興味を持ったんです。それで大学では映像制作系のゼミに入り、卒業後はテレビの制作会社へ就職しました。
その会社では主にどんなお仕事をしていましたか。
新卒一年目は主にNHKの教育番組の制作に携わっていました。小さな制作会社だったこともあり、ADからスタートして3年もしないうちにディレクター になりました。
ただ、スタジオでつくる番組ばかりだったので、もともとドキュメンタリー番組志望だったこともあり、自分がやりたいこととは少し違うと感じて、数年でその会社は辞めたんです。
辞めてからもフリーランスとしてテレビ番組の制作はしていたんですが、なかなか自分の希望する番組に携わることができなくて。それもあって当時伸びていたWEB業界に行こうかなと考えていました。
でも、それを知ったプロデューサーが「ドキュメンタリーをやりたいなら企画書を書いてこい」と引きとめてくれたんです。部署は違うけど、提出くらいはしてやる、と。
それで企画書を書きまくっていたら、初めて趣味でやっていたサーフィンの企画が通ったんですよ。自分で企画した番組ができるんだったらもっとやりたい!という気持ちになって、そこからしばらくはドキュメンタリー番組のディレクターを続けました。
そのサーフィンの企画というのは、どのように生まれたんですか。
制作会社を辞めてフリーランスになったタイミングで長期休暇を取ったんですが、そのとき遊びに行ったバリ島でプロサーファーをめざす少年に知りあったんです。ボロボロの板で練習してるんですけど、めちゃくちゃうまいんですよ。仲良くなったのもあるし、ストーリーとしてもおもしろいものにできる予感があったので、その子の話をいつか番組にしたいとずっと温めていた企画でした。
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それが初めて、好きなことが仕事になった瞬間、と。
そうですね。もともと「好き」を「企画」にするのが得意で、個人で趣味のサーフィンやスノボ映像を制作したり仲間内でデザインしてグッズをつくることはしていたんですけど、仕事として世に出たのはそれが初めてでした。すごく大きな経験でしたね。
あと、企画が1回通ったことでコツをつかんだのか、そこから立てつづけに自分のやりたい番組ができるようになって。プロスノーボーダーを追いかけたり、写真家さんを取材したり、趣味と連動した企画をたくさん世に出すことができました。
そんな感じで、フリーランスのディレクターとして4~5年楽しくやっていたんですが、3.11で大きく変わりましたね。
震災関係の番組も作られていたんですか。
はい、3.11関係のドキュメンタリーも自分で企画を書いて、1年間くらい作っていました。でも、テレビだから出せないものもあったり、最後は希望で終わらせなければいけないけれど、実際に現地を見ているとそうは思えない現状があったり・・結構つらかったんですよ。
ちょうどそのころ、皆がスマホを持つようになって、テレビの速報性がSNSに負けはじめたタイミングでもありました。
他にもいろいろ要素があって、テレビ業界も厳しくなっていくだろうと感じたので、テレビ番組を作る仕事は辞めて、故郷である福岡へ戻ったんです。
それからWEB業界へ。
すぐに転職したわけではなくて、最初は引きつづきフリーで1年間ぐらい映像制作をやっていました。ファッションデザイナーさんを追いかけてスイスまで行ったり、やりたいことを企画にするスタンスは変わりなく。ただ、映像だけだとどうしても自分の幅が広がらないと感じて、今の親会社にあたる福岡のWEB制作会社に入ることにしたんです。そこでWEBの勉強をしながら動画とウェブをセットで売るようになりました。それが33~34歳の頃です。
その会社で1年半ぐらい経ったころに、東京の案件ばかりになったので、東京支社に行くことを社長に提案しました。東京支社が籍だけあるような状態で全然動いていなかったので、僕が行って動かしますと。行ってからは、代理店さんのつながりもあったので、割とすぐ軌道に乗りましたね。
安東さんに初めて会ったのが2018年あたりですが、そのころは東京~関西~福岡と飛びまわりはじめたくらいでしたよね。それは何か目的があったんですか。
当時デザインも扱うようになってきていて、WEBも紙媒体もやるし動画もつくるし、ありとあらゆるクリエイティブのディレクターをやるようになっていたんですね。そこで気がついたのが、クライアントさんとインハウスのデザイナーさんの相性の重要性でした。
例えばクライアントさんはかわいいデザインを求めているのに、かっこいいデザインが得意な人にお願いしてもどこか噛み合わない。デザイナーさんがヘタなわけではなく、合っていないだけだったんです。だったらプロジェクトに最適なフリーランスのデザイナーさんにお願いできたら、みんなハッピーになれるんじゃないか?と思って、まずはいろんな人とつながるために動きまわるようにしました。
関西にも月1は行くと決めていて、クリエイターの集まりに行ったり、紹介してもらったりしていましたね。
あのころからDot.の構想のようなものがあったとは・・。
当時はそこまで言語化できていなかったですけどね。
将来一緒に仕事できる人たちと知りあいたいと思って動いてはいました。X(旧Twitter)も盛り上がっていた時期で、ちょうどいいタイミングでした。ただ、Xでつながっている人、Facebookでつながっている人などバラバラだったので、連絡するときに大変だったんですよ。
それで1個にまとめたいということもあり、お仕事をしたことがある人とかに声をかけて、クリエイターズネットワークみたいなものをつくりました。
そこからDot.という会社を立ち上げるまでに、ちょっと空いていますよね。
そうですね、構想は2年近く練っていました。
Dot.の立ちあげに本腰をいれたのは、コロナ禍があったからだと思います。
それまで日々の案件で忙しくしていたこともあって、なかなか手が回らなかったんです。でも緊急事態宣言が出たり、行動自粛が当たり前の世の中になっていろんなものが急激に変わってしまった。
「働き方そのものを変えないと、今のままじゃ無理だ」という想いを社長に話したら、本社の方でも同じようなことを考えていたので、東京支社を独立させるような形で株式化してDot.にしました。
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Dot.の理念「仕事ってもっと楽しいはずだ」という言葉は、どのように決まりましたか。
当時、コロナ禍ということもあり、オンラインでしか仕事ができない状態になって、仕事だけが流れていくような状態でした。
クリエイティブなはずの仕事が流れ作業のようになっていたのが嫌で、もっと楽しくできるはずなのに・・という気持ちが募って。自分だけじゃなく、楽しいと思ってみんなプロになったはずなのに、なんでこんなに疲弊しているんだろう?って。そのあたりをもっと改善して、みんなで上がっていきたいという想いから生まれた言葉です。
たしかに、楽しいという感覚が昔よりも薄れているので刺さります。
あと「みんなで楽しく一緒に」という気持ちが嬉しいです。
仕事をただ依頼する・受けるの関係性ではなく「一緒にやろう」という感覚です。得意なことを持ちよったり、苦手なことはそれが得意な誰かが代わりにやる。その仕組みを作りたかったんですよ。
そして僕自身も、仕事がつらい時期があったからこそ「楽しくしたい」という想いがすごく大きいです。楽しくないことはできるだけやりたくないですから。それをどう変えられるかを考えるのが、僕にとっての挑戦です。そのために企画したり、場所を移動したり、新しい人と出会うようにしています。
それが ”楽しく仕事をする秘訣” ということですか。
そうですね。人との掛け算が1番面白いし、新しいことをやるのが好きなので。逆にルーティンは苦手なんですよね。だからそのへんが得意な人なんかはどんどんメンバーに加えていきたいです(笑)。
2024年は本当に走りまわって、メンバーも50人を超えました。次はそれを組織として拡大していきたいです。
最終的にDot.が目指すところ、目標はありますか。
究極的なところまで言うと、僕は日本の総生産を上げたいと思っています。沈んでいく日本に危機感を感じているし、自分も楽しくないんですよ。
そのためにはいろんな企業の総生産を上げるしかないですよね。自分たちもそうですけど。そのために最適なメンバーを課題解決のためにマッチングしていきたいです。
仕事って突きつめていくと課題解決だと思っているので、それが得意な人たちを複合的に集めることで、様々な企業の課題解決ができる。だからこそ、今後は人事や財務、教育、採用、秘書、バックオフィスなど、クリエイター以外のメンバーにもどんどん入ってもらいたいです。もっとメンバーが必要だし、いろいろなことができる組織にして、最終的には日本の元気を取り戻したい。それが僕のやりたいことです。
そんなスケールで考えていたとはびっくりです。
「日本が沈んでいく状況が楽しくない」と思ったのが最初のきっかけなので。SNSで流れてくる情報とか、絶望しかないですしね。なるべく楽しい情報を集めて、人との掛け算でより楽しいものをつくっていきたい。自分の楽しいと誰かの楽しいが掛け算されれば、もっと楽しくなると思うので、関わりたいと思ってくれる人と一緒に、少しずつ前進したいです。
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Dot.に参加する方へ伝えたいことはありますか。
自由に自分のペースで関わってほしいです。会社みたいに縛る理由もないので、Dot.という選択肢を自分のタイミングで使ってくれたら充分です。
あと、自分では気づいていない能力をこちらが見つけられたらいいなとも思っています。ありとあらゆる、その人が持っているスキルを最大限にいかせる場所を作りたいんですよ。本業じゃなくても、前は事務をやっていたけど今は主婦で家にいて、でもちょっと復帰したいみたいな方も全然いいですし。
今は使っていなくても持っている能力って、きっとありますよね。
あと、能力って意外と自分では気づきにくい・・。
そうなんですよ。自分もそうですけど、はたから見たらその能力を使えばいいのに!って思っているものを、使わずに持てあましてるケースもありますよね。そういうのを掛け算していくと、点から始まって点と点がつながって線になって、面になって立体になっていく。能力は拡大の原点だと思っているんです。
なるほど。それでDot.なんですね。
スティーブ・ジョブズが言ってたんですよ、「Connecting the dots」って。彼は「過去の点をつなげたら今になるから、全部大事だ」ということを言っているんですが、別に過去だけじゃなくて、人と人もつなげられると思うんですよね。
たしかにそうですね。じゃあ「ありとあらゆる能力の人を募集しています!」と書いていいですか!?
はい!クリエイター集団というイメージを塗りかえて、ビジネス集団になっていきたいので、ぜひ!
Dot.は「ビジネスグロースカンパニー」という言いかたをしています。企業成長のためのパートナー企業でありたい。なので、「多角的な分野でビジネスのお困りごとを解決してくれる会社」という認識を広げていくのが、2025年の目標です。
ありがとうございました!
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聞き手・執筆・撮影・バナー作成:宇野真由子