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dot_haraiの2024音楽年間ベスト50(推薦曲動画・プレイリスト付)

毎年恒例の私的お楽しみを公開いたします。
2024年リリースのタイトル(AL,SG,EP含む)から特に良かったもの・また聞きたいもの、かつ順位の上下で自分の中の価値が大きく変わるわけではない50枚を選出しています。順位は便宜的なものとしてお受け取りください。

動画やSpotifyリンクをつけているので、是非聞きながらご覧ください。ご興味ある方は過去履歴もどうぞ。


選外より幾つかトピックスを。
プエルトリコのラッパーResidenteのニューアルバムがようやく出ました。2017年のデビューALは自身のルーツをトレースし、訪れた先の各地のミュージシャンとコラボして作り上げた素晴らしい作品。年間第1位に選んだのですが、今作はテーマ性が感じられず冗長。曲単体では良いのだけどアルバムとして聞くとまとまりないようで、期待高さが仇となり選外としました。残念。


現在のところシングルリリースのみで、今回のランクインは見送ったインドネシアはジャワ島のDamar Art。ミレニアル世代による現地の伝統文化・音楽保全コミュニティのようだが、伝統的な古臭さは皆無で、エキサイティングな緩急はまるでジェットコースターのよう。是非一聴を。
今後のリリースに大いに期待です。


北海道を拠点に活動するアイドルグループ、タイトル未定。今年も「群青」「壊せ」などシングル相変わらず良かったんだが、残念ながらメンバー1名脱退で現在は3人で活動中。出す曲出す曲期待を裏切らないクオリティなんです。早く全国区になってほしい。
と思ってたら年明けから2名加入の新体制となるらしいです。


では2024のTOP50、毎年50位からにするか1位からにするかで悩み、並びが定着していないのですが、今回は50位から並べていきます。



50.fishbowl「自然」

静岡を拠点に活動するアイドルグループ。バラエティに富んだ楽曲群で、ヤマモトショウ氏のプロデュース力の高さをまざまざと見せつけられます。


49.フリージアン「歌葬」

2021年結成、関西発のストレートなロックバンドのニューEP。


48.Buzz’ Ayaz「Buzz’ Ayaz」

キプロス出身メンバーによる地中海サイケロックバンドのデビュー作。ズブズブのゾクゾクです。


47.Mdou Moctar「Funeral for Justice」

西アフリカ、ニジェールの緊迫感ある砂漠のブルースラウドロック。前作が世界的にヒット。


46.Voice of Baceprot「Retas」

インドネシアのガールズムスリムメタルバンドの1st。音楽的にも政治的にもRATMやSOADなどの影響大です。


45.音速ばばあ「海中トンネル」

往年のインディーエモを彷彿させる茨城出身ロックバンドの1st。2年前のフジロックRookie a go-goに出演。疾走感だけでなく懐の深さを感じる曲もあり、今後の活躍期待できます。
なお、ターボと音速だとやはり音速の方が速いのだろうか。


44.THE SPELLBOUND「Voyager」

BOOM BOOM SATELLITESとTHE NOVEMBERメンバーによるロックバンドの2nd。ゴールデンカムイタイアップ曲など広がりを感じるタイトルに。 


43.Francisco,el Hombre「HASTA EL FINAL」

今作で無期限活動休止に入るブラジルのミクスチャーバンド。祝祭的でキャッチー。


42.Jamie xx「In Waves」

英音楽プロデューサーの9年振り2nd。開放感あるダンスミュージックが目白押し。


41.Avalanche Kaito「Talitakum」

西アフリカの伝統音楽グリオとノイズパンクの融合音楽を提唱するバンドの2作目。2022年のデビュー作から更にアグレッシブさが増した印象。


40.SACOYANS「SUN」

福岡発の爆音オルタナロックバンドの3rd。エッジが効いたノイジーロックです。


39.Chancha Via Circuito,El Buho「Tenalach」

デジタル・フォルクローレ、南米オーガニックテクノ界で活躍する両名のコラボ第2弾で流石の安定感。


38.Go Dugong,Washé「MADRE」

イタリアの音楽プロデューサーとベネズエラの音楽家のコラボ作。シャーマニックで自然への畏怖を感じさせるようなディープテクノ。Clap!Clap!参加曲が出色。


37.Ultralágrima「Ultralágrima」

スペインのハイパーポップユニット。エモい手触りがあります。


36.藤原さくら「wood mood」

石若駿プロデュース、ジャズベースで染み入るメジャー5作目。


35.Jaubi「A Sound Heart」

パキスタンのスピリチュアルジャズバンドの2nd。ダイナミックな展開が良いです。


34.すずめのティアーズ「Sparrow’s Arrows Fly so High」

日本民謡×ブルガリア・バルカンポリフォニーユニット。シンプルなのに立体的でめちゃくちゃ面白い。


33.Gregory Privat「Phoenix」

前作のピアノソロ作が大変美しかったジャズピアニストのトリオAL。ボーカル曲も良いです。


32.田中ヤコブ「ただようだけ(Side B)」

バンド家主のフロントマン2枚組ソロ作でベスト的内容。私は全編自分の演奏・録音収録のSideBの方が気に入りました。


31.ハンバート ハンバート「カーニバルの夢」

信頼の夫婦デュオの12作目。夢がテーマで多彩な内容。


30.Bab L'Bluz「Swaken」

モロッコで結成されたサイケグナワロックバンドの2nd。パワフルです。


29.Hentrenamientoh「Un Nuevo Sol」

チリ出身スペインの2MC1DJユニットの1st。様々なラテン音楽要素が詰まり、Manu Chaoなどがゲスト参加。

そういえばManu Chaoのニューアルバムが今年リリースされてます。ライブ観たいなあ。


28.Bunga Bangsa「PANGGRANTESING JAGAD」

インドネシアの女性メタルドラマー。ジャワの伝統音楽保存をビジョンとして持っており、伝統とプログレメタルの組み合わせが違和感なくて面白い。


27.ずっと真夜中でいいのに。「虚仮の一念海馬に託す」

前作は年間ベスト1位に推したバンドのミニアルバム。映画やアニメタイアップ多いです。


26.Ben&Ben「The Traveller Across Dimensions」

お気に入りのフィリピンの大所帯フォークポップバンド3rdAL。ディズニー映画の楽曲でもおかしくないようなスケール感あります。


25.The Messthetics and James Brandon Lewis「The Messthetics and James Brandon Lewis」

フガジのリズム隊によるインストバンド。ジャズもパンクも内包していてめちゃかっこいい。


24.Les Amazones d’Afrique「Musow Danse」

アフリカの女性アーティストが集結したスーパーグループ。アフリカ要素と現行ベースミュージックの融合。


23.a flood of circle「WILD BUNNY BLUES/野うさぎのブルース」

「ふつうの軽音部」に曲が登場したタイミングでのアルバムリリース。久しぶりに聞いたけど変わらないロックもあり、新機軸もありで大充実してました。


22.oono yuuki「遠来|よあけ」

高知出身のシンガーソングライター。昨年、活動休止から10年ぶりにバンド形態のアルバムをリリースし、今年はソロアルバムリリースと嬉しいです。


21.lilbesh ramko「徘徊collection」

ハイパーポップ、フューチャーベースビートメイカー、昨年のデビューアルバム(めちゃ良かった)の続編的な2nd。


20.Kiasmos「Ⅱ」

前作から10年ぶりとなるエレクトロデュオの2nd。壮大で神秘さもうかがえるミニマルテクノ。


19.A.G.CooK「Britpop」

宇多田ヒカルや藤井風プロデュースも手がけた英プロデューサーの3作目。過去・現在・未来の3部構成の大作。


18.Söndörgő「Gyezz」

ハンガリーのベテラン伝統音楽バンド。今作はジャズサックス奏者のクリス・ポッターが全面ゲスト参加でかなりエネルギッシュ。


17.トクマルシューゴ「Song Symbiosis」

純朴さとカオスがポップに共存してる8年ぶりのアルバム。ちいかわアニメのサントラ担当というのも納得できます。


16.PAS TASTA「GRAND POP」

実力派アーティストが集結したスーパーチーム。そこに豪華ゲスト陣が加わり、ひたすらポップな2nd。


15.長谷川白紙「Mahōgakkō」

ブレインフィーダーからのリリースとなる5年ぶりのアルバム。実験的サウンドとボーカルの振り幅の激しさが面白く、先を行ってるなあと思わずにはいられないです。


14.Faada Freddy「Golden Cages」

セネガルのヒップホップユニットのリーダーソロ作の2nd。ハーモニーが心地よい良質ソウルフルポップ。


13.glass beach「plastic death」

プログレ的要素も感じる、ロスのインディーポストロックバンド。ジャンルレスで飽きの来ない内容。


12.Ajate「Dala Toni」

アフロビートと江戸祭囃子を融合させた「アフロ囃子」バンド。祭の狂騒感も良いが、バラードも沁みます。


11.Nusrat Fateh Ali Khan「Chain of Light」

1997年に逝去したイスラム宗教歌謡カッワーリーを代表する音楽家、ワールドミュージックの巨星等とも言われるヌスラット。34年の時を経てスタジオから新たに発掘された未発表音源がリリース。神との合一を体験するために音楽や舞踏でトランス状態に達することを目的とするのがカッワーリーですが、初めてヌスラットを聞いた時は迫力あるボーカルに反復するフレーズ、突如稲光が走ったかのように煌めく瞬間に、言葉通り衝撃を受けました。本作でもその圧倒的なエネルギーを感じることができます。


10.ザ・リーサルウェポンズ「ロックロックコンバンワ」

年内で活動休止が決まっている80’s,90’sカルチャーロックユニット。休止前シングルであるが「あいさつメタル」があまりに曲・歌詞共に良すぎるのでTOP10に選出。英メタルバンドDragonForceボーカルとのコラボは最高にハマってます。毎朝聞きたい、全国民が聞くべき1曲。


9.Chevon「Chevon」

コロナ禍中に結成された札幌のロックバンドの1stAL。ボーカルも曲調も上がったり下がったり変幻自在の展開、ジャンルに囚われない音楽性が魅力的。まだ若いのに恐るべき完成度です。


8.Fuse「Mikrokosmos」

オランダの弦楽四重奏+コントラバスとドラムのオルタナティブクラシックバンド。躍動感ある楽曲がアホみたいにかっこいいです。挟間美帆など、曲ごとに異なる作曲家・ミュージシャンとコラボ。


7.寺尾沙穂「しゅー・しゃいん」

2022年の「余白のメロディ」は年間1位。市井に生きる人に寄り添う歌に心が洗われます。

前作もそうでしたが、こんな良い曲があったのかと教えてくれるカバーがまた秀逸です。今回は加川良「こんばんはお月さん」。


6.Friko「Where we've been,Where we go from here」

今年のインディーロック界で特に話題をさらったシカゴの新人バンド。王道的な安定感にドラマティックな爆発力を備えた楽曲が揃い、デビューアルバムなのに隙がなさすぎます。


5.Tigran Hamasyan「The Bird Of A Thousand Voices」

アルメニア出身のジャズピアニスト。アルメニアの神話や民話をモチーフにした壮大な楽曲たちは、これまで以上にヘビーで圧巻。


4.ゆっきゅん「生まれ変わらないあなたを」

アイドルユニット、ソロ活動「DIVA PROJECT」や歌詞提供、文筆業など幅広く活動するアーティストの2nd。バラエティに富んだ楽曲と生活の機微をすくい上げる歌詞がたまらない、至極のJ-POP。「プライベート・スーパースター」はPV含め本年最大の発見でした。

こちらも大正義大名曲。


3.Jhariah「TRUST CEREMONY」

ニューヨーク出身ミュージシャンの2nd。性急でジャンル横断な楽曲たちはキャッチーさと祝祭感とカオスが共存してて米版ずとまよ。という感じで、自分にはドンズバでした。相対すると消耗するけどまた聞きたくなる魅力があります。


2.Geordie Greep「The New Sound」

活動休止したblack midiフロントマンのソロ1st。black midiにはさほど惹かれなかったのですが、こちらは一曲の濃密さが凄まじく、そのエネルギーを縦横無尽、四方八方に爆散させるような勢いがとても痛快でした。サンバの開放感も寄与してるのでしょう。大変興奮した1枚です。


1.Maria Mazzotta「Onde」

2024年の第1位は、イタリア出身の女性ボーカリストMaria Mazzotta。世界各地のワールドミュージック専門家の投票で決まるチャートTranceglobal World Music Chartで知りました。年間ベスト決めにあたって、1位選出はこれしか無いとスルッと決まりました。
繊細さとダイナミックさを兼ね備えた歌声、スケール感ある楽曲に惚れ惚れ。かつ全体に漂う荘厳なオーラに圧倒されます。ワールドミュージックにピンと来なくとも、そういう枠組みに関係なく素晴らしい作品です。

こちらの動画もどうぞ。収束と発散が素晴らしい。再生数1000も行ってないってどういうこと…。(半年前にも同じ呟き)


各タイトル推薦曲を集めたSpotifyのプレイリストはこちらからどうぞ。


今年も素敵な出会いが多く、充実した音楽ライフでした。来年も良き出会いに期待し、年末にまたお会いしましょう。


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