スミレの味と香り 2
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そんなこんなでスミレの味と香りに改めてすっかり魅了された2022年のあたくし、スミレ味のボンボンをとにかく買って食べ始めるがスミレフレーバーが一般的では無い国に住んでいたことをすっかり忘れていた。どうすればこのスミレへの欲求が満たされるのか。
そう、それは海外通販だ。
なんとなく"Violette bonbon"というキーワードで検索を続ける。意外にもフランスは海外発送可能な食料品店が多い。だが、何かが違う。自分が求めているものとは違う。
そんな数日間で見つけたお店。店の名は Violettes de Tourrettes (バイオレット デ トゥレット)。何か良い予感がした。
フランスのスミレというとToulouseが真っ先に思い浮かぶ。しばらく自分もトゥルーズの店だと勘違いしていたが、この店はトゥレット・シュル・ルー(Tourrettes-sur-Loup)という南仏グラースの隣にある渓谷の村にある。中世の町並みが残る景観都市、3月にはスミレ祭りが行われるスミレの村だそう。
何か自分の本能が働く。騒ぎ出す。
何処か懐かしく暖かみのあるボンボンのラベル。モダンアンティーク調のフォルムのボトルにはクラシカルなデザインのラベルが施されている。
これしか無い!! 一目惚れだ。
商品が手元に届くと、今度は滾々と愛着が湧いてくる。
このスミレの型押しキャンディ、各店のものを入手し食べたが、トゥレットのものはパーフェクトだ。甘さ、香り、食感、酸味。どれも非常にデリケート。上品にミックスされた味、キャンディを食べてこれだけ感激したのは生まれて初めてだろう。
家の近所ですぐに買えればいいのに…。
スミレの砂糖漬けも絶品。お好きな方は是非取り寄せて口にして頂きたい。送料を計算してもウィーンの某老舗カフェの品より美味しくてお買い得。
そしてうっとりするボトルのオーデコロン、上質な香料をふんだんに使っているのがよく判る。素晴らしいスミレの香水。ややクラシカルなベースも良い塩梅。ケミカルさの全く無いスムーズで素晴らしいスミレの香り。老舗オノレ・パヤンらしいクラシカルな上品さがたまらなく美しい香りだ。
La Tourrettaneはお店のオリジナル香水。パロマスミレのシングルノートとのこと。自分はパロマスミレの香りを知らないが、甘く濃厚なスミレ。落ち着くと甘さが控えめになり、なんとも奥ゆかしいスミレの香りになる。美しい香りだ。こちらもグラースのオノレ・パヤンが製造。
菓子と香水の他には石鹸やアロマキャンドル、スミレの雑貨を販売している。香りの製品は全てオノレ・パヤン製造。
本当は誰かに教えたくないお店。
Violettes de Tourrettes
オノレ・パヤンについて少しだけ触れておく。Honoré Payanは南仏グラースにて1854年に創業以来、香水やアロマキャンドルなどを作り続けている老舗香水メゾン。今でもパッケージングまで全て手作業で作られている。クラシカルなパッケージデザインがとてもロマンチックだ。上質な香料を使った香水が非常にお手頃価格で購入できる。こちらも本当は教えたくないお店のひとつである。だが世界に向けて教えてしまった。
Honoré Payan Website
写真は全てお店の公式サイトから引用。
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