記憶を捏造させる卒業式の歌『思い出のアルバム』の功罪
未だに筆者の心の傷となっている卒業式の歌がある。『思い出のアルバム』という歌だ。
「いつのことだか思い出してごらん」で始まる童謡は1961年に『幼児のためのリズミカルプレー』(フレーベル館)で発表された古い幼稚園向きの歌だ。筆者は幼い頃より唱歌や童謡が大嫌いだが、この歌は特別に嫌いだ。
小学校の卒業式では歌詞の幼稚園的な部分は割愛されたが、歌の練習が辛く仮病を使って保健室で休んだものだ。
小学校時代に思い出して楽しいことが皆無だからだ。
毒親、暴力教師、セクハラ教師、パワハラ教師、いじめが趣味だと自己紹介する同級生…。
こんな日々を楽しく思い出しながら朗々と歌えるだろうか。いつになっても忘れないのは後味の悪さと恨みだけである。こんなセンスの無い選曲をした教員たちもどうかしている。
筆者が小学生の頃は毒親や家庭内虐待という言葉は一般的には存在しなかった。幼児期というのは優しい親や同級生、親切な教師に守られて大事にされているものだと決めつけられていた。それでも毒親家庭で育った人は他にも存在したのだが…。
自分からは身近な大人に自分の境遇を相談できない子供に、卒業式という節目の日に全く経験したことの無い幸せな日々を綴った歌詞を歌わせるのはあまりにも酷だろう。
今でこそ近年の歌謡曲を歌うことが多い昨今の卒業式。それで良いのだ。
それでも歌謡曲の詞に親や教師に恩着せがましさがあるのなら口パクでもいい、歌わなくていいのだ。親にも教師にも悪人が居ると判っている時代、無理に善人を作って褒め称える必要は一切無い。
たかだか時代背景の古い童謡に記憶の捏造をさせる権限は一切無い。その学校時代にわだかまりを持つ者は嫌な記憶からの卒業式としよう。
ちなみに我々の卒業した翌年、パワハラ教師、セクハラ教師は民事訴訟を起こされている。
◯出典
○思い出のアルバム 歌ネットhttps://www.uta-net.com/song/199567/
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