「失われた30年」とキャリア・プラトー
さて、新年早々、常日頃、キャリアについて考えていることに関して「うん、そうだよね」と感じた記事があったので二つほど紹介します。
その前に、なにを考えているのかと言いますと、
「わたしたち、組織で働く人間が古いキャリア観から脱却し、キャリア自律をすることが出来れば『失われた30年』と呼ばれる日本の経済、社会の停滞から脱却できる!」
ということです。(本当に考えてます(笑))
それでは、
「日経、読んでますか!?」
というわけで、一つ目の記事がこれです。
1.労働時間の管理が壁に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78893210S2A100C2TB0000/
働き方の多様化は日本の硬直的な労働時間管理との齟齬も生じさせている。
1947年施行の労働基準法は工場労働がモデルで、働いた時間に応じて賃金が決まる「時間給」が原則だ。
企業は働き手の実労働時間を把握する義務があるが、在宅勤務や副業者の労務管理は難しい。
政府はテレワークや副業の指針を改定。在宅時は働き手の自己申告による労働時間管理も認めるなどしたが、時間給の大枠は変わらない。
成果が時間に比例する時間給は現代の大半の知識労働になじまない。
新たな働き方に対応した時間管理の仕組みが求められている。
まず、75年前の労働基準法が施工された1947年(昭和22年)当時の工場労働がどんなものだったか見てみましょう。
ちなみに労働基準法が施工された1947年は戦後、2年目です。
この時代は日本の復興のために国があらゆる人、モノを総動員して、ようやく工場も稼働が再開しようとしていた時代です。
このようにきちんとした組織もないような時代の工場をモデルにして作った、働いた時間に応じて賃金が決まる「時間給」が基本の法律が現在の知識労働者の働き方にあっているはずがありません。
ましてや、在宅勤務、モバイルワーク、複業(副業)等、多様化した働き方の知識労働を時間給で計るには無理があります。
次の記事が、これ。
2.(社説)〈資本主義を磨く〉輝く人材を育てる企業と社会に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78977120V00C22A1EA1000
20世紀は機械や工場などリアルな資産の蓄積が企業の競争優位や国の繁栄を左右した。
これに対して21世紀のカギは無形資産だ。
ソフトウエアや知的財産、のれんなどの「見えざる資産」と、それらを生み出す源泉の人的資本の重要性が決定的に高まるだろう。
優れた人材を輩出する企業や国であり続ける必要がある。
ところが、…労働生産性は主要7カ国(G7)で最低で、その結果、実質平均賃金は伸び悩み、韓国にも逆転された。
働く人のマインドも振るわない。
2019年のパーソル総合研究所の調査では勤務先以外での学習や自己啓発について、日本は「特に何もしていない」という人が46%を占め、調査対象のアジア太平洋の14カ国・地域の中で飛び抜けて多かった。
一連の問題の根底にあるのは日本の雇用・人事システムと時代との不適合だ。
終身雇用と年功序列を骨格とする日本型雇用は今度こそ修正を迫られている。
はい、この記事のポイントも日本の雇用・人事システムと時代との不適合が経済と働く人のマインドの停滞の原因となっているところ。
つまりです。
これが「失われた30年」の原因の一つなのです。
しかし、多くの日本企業は、未だに「新卒一括採用」、「新入社員研修」、「終身雇用」、「年功序列」を通じて、社員を社内での昇進昇級が唯一のキャリア成功と考える社内キャリア脳に洗脳して、囲い込んでいます。
みなさん、ここ、気が付いてましたか?(笑)
そして、「よーいドン!」で唯一のキャリア成功である昇進、昇格の階段を昇るよう背中を押され続けます。
でも、全員が出世の階段を昇り続けられるわけもなく、ある時、これ以上昇れないことを自覚する者があらわれます。
そして、喪失感、※キャリア・プラトーに陥るのです。
ここで、なにもしなければ、そのまま「働かないおじさん」へまっしぐら!
はい、これで「失われた30年」のやっかいな原因の一つが出来上がりです。
しかし、です 。
やっかいな、これを防ぐための処方箋があるのです。
「失われた30年」から脱却する処方箋!
偶然、見つけたのです。
日経BPで(笑)
それが法政大学教授、田中研之輔氏が唱える
「新プロティアン・キャリア論」
です。
【続く】
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