株式型クラウドファンディングで株を買ったらどうやって売るの?
はじめに
前回は株式型クラウドファンディングを深掘りしました。
前回もちょっと書きましたが、結論からいうと、現在のところ株式クラウドファンディングで株式を購入すると売却手段がありません。
その企業に共感をしないと株を購入しないという壁になっている反面、購入した後に考え方が変わったり、どうしても換金したくなる状況が出てくると考えています。
今回は今はないけど、今後出てくるであろうサービスも含めて、株式型クラウドファンディングで購入した株の売却手段について考えてみたいと思います。
売却できる手段の確認
株式型クラウドファンディングで購入した株の売却手段は、私は大きく3つあると考えています。
1.証券取引所に上場
2.株主コミュニティに参加
3.会社もしくは第三者(ファンドなど)による買取
まずは、「1.証券取引所に上場」ですが、これは言わずもがなですが、東証などに上場することです。
こちらについては東証一部など市場の区分けがあるかと思うのですが、企業の規模を考えると、
(1)「ジャスダック」、「マザーズ」などの新興市場
(2)「TOKYO PRO Market」のプロ向け市場
どちらかに上場すると考えています。
新興市場の場合は、ある程度厳しい上場基準があり、その基準を超えないと上場できません。
その代わり上場すると全投資家が株式の売買をすることができます。おそらく株式型クラウドファンディングで株式を募集した会社はここを第一目標としていると思います。
ただ、個人的には新興市場に上場できるのは一握りではないかと考えています。
なので、東証にある「TOKYO PRO Market」に上場を考える会社もあるのではないかと考えています。
こちらは、プロ投資家しか買うことができない市場ではありますが、上場基準が緩和された市場となります。
頻繁な売買はありませんし、一回株を売ってしまうと個人投資家は買い戻すことができませんが、株式型クラウドファンディングで購入した株の換金できる手段は作ることができます。
次に「2.株主コミュニティに参加」ですが、こちらは株式型クラウドファンディングと同時に生まれた制度となります。
こちらの目的は非上場株式の取引・換金ニーズに応えることを目的としているので、まさにフィットしているものとなります。
ただ、現在のところ株式型クラウドファンディングで募集を行った会社で株主コミュニティ制度を使って売買を可能としている会社はありません。
今後はこちらの制度を利用して売買を可能とする会社が出てくるのではないかと思いますし、株式型クラウドファンディング以外の非上場株式も取り扱うことができるので、この制度を生かした非上場株式の二次流通サービスが出てきてもいいと思います。
最後に「3.会社もしくは第三者(ファンドなど)による買取」ですが、こちらはほぼ無いと思いますが、可能性がゼロではないと考えています。
株式型クラウドファンディングで資金を募集すると株主が多くなってしまい、管理が煩雑になってしまいます。
企業規模に対してコストが大きくなってしまった時など、株式を買い取ってコストの低減や会社自体を動きやすくしたいと考える経営者もいるかもしれません。
おわりに
今回は株式型クラウドファンディングで購入した株の株式売却方法について考えてみました。
現在は強制的にバイアンドホールドになってしまいますが、株式型クラウドファンディングの案件も増えてきていますし、必ず換金ニーズは出てくると思うので、非上場株式の二次流通については今後整備していかなければならないのではないかと思います。