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いわさきちひろさん没後50年展に行ってきました。

童心社広告宣伝担当、はなです。
先日、とある展覧会に行ってきました。

東京の上井草にあるちひろ美術館・東京で現在開催されている「いわさきちひろ ぼつご50ねん こどものみなさまへ」です。
絵本作家・画家として多くの作品をのこした、いわさきちひろさん。
没後50年となる今年は、「あそび」「自然」「平和」の3つのテーマについて、現代科学の視点も交えて、ちひろさんの絵を読み解く展覧会が開催されます。
私が拝見したのは、ちひろ美術館・東京で行われている「自然」をテーマにした「あれ これ いのち」です。

いわさきちひろさんは、じつは童心社ととてもゆかりの深い方です。
童心社の作品番号1である、紙芝居『おかあさんのはなし』は、童心社初代編集長の稲庭桂子といわさきちひろさんによる作品。
そして童心社にとってはじめての絵本となる『あいうえおのほん』も、絵を手がけたのはちひろさんでした。

私がちひろ美術館・東京へお邪魔したのは、5月のある日。
上井草駅で電車を降りて住宅街を歩いていくと、美術館があらわれます。新緑の美しさが印象にのこっています。

※展覧会の写真は美術館のご許可を得て撮影しました。

ちひろ美術館・東京

ここは、かつていわさきちひろさんが暮らした場所でもあるんですよ。

展示のはじまり

展示室1「みちくさしながら」

ちひろさんの近くにあった「いのち」あるものたち

いわさきちひろさんの作品の中に登場する、野の花やいきものなどの絵にたくさんふれられる展示室です。ちひろさんが身近にあるものたちをいかによく見ていたか、そのいのちを繊細に写しとっていたかがよくわかります。

今回の展覧会に企画協力として参加した東京大学名誉教授で理学博士の鷲谷いづみ先生の解説もあわせて読んでいくと、ただ絵をながめているのではわからない発見があります。
これらの絵に描かれている草花の中には、今では失われてしまったものも多くあるのだとか。

私はあらためて、ちひろさんの描く線の美しさ、色の豊かさにひきつけられました。

展示室2「あれこれ むらさき」

展示室2は、ちひろさんの好きな色だったという「むらさき色」に彩られています。
ここで紹介されていた作品のひとつが、『万葉のうた』(童心社 刊)。この本から、植物の「ムラサキ」がモチーフになった一首がとりあげられていました。
万葉のころを描いたちひろさんの絵も必見です。

『万葉のうた』(大原富枝 文/岩崎ちひろ 画 )

展示を見ていると、「むらさき色」といってもさまざまな色があることをあらためて感じます。やさしさ、あでやかさ、はなやかさ、高貴さ、かなしさ……。
ちひろさんの描く「むらさき色」にたっぷりとひたることができる空間です。

展示室3 「やまのくらし まちのくらし」

このお部屋では、絵本『あかまんまとうげ』がじっくりと紹介されていました。

『あかまんまとうげ』(岩崎京子 文/いわさきちひろ 画)

『あかまんまとうげ』は、1972年の刊行。
町で育った少女、”かっこちゃん”の山での体験が描かれています。
人のくらしと自然がとけあうように描かれている絵の数々をあじわうことができます。
「すみれの絵に満足できず、翌年のすみれの季節を待って描き直した」というエピソードが紹介されていました。ちひろさんの絵に向かう姿勢、自然への思いにふれた気がしました。
透きとおるような美しい色あいの植物たちにかこまれ、豊かな気持ちになります。

それにつづく展示室4は、来場者のみなさんが参加して楽しめる場所になっていました。

自然への思いを自由に表現したり、生き物をモチーフにした作品をつくってみたり。
これまで展示を見て、ちひろさんからいろいろなものを受けとってきた自分にとって、今度は自分で心や手を動かして楽しめる! というのはとてもワクワクした気持ちになるものです。
「こどものみなさまへ」という展覧会ではありますが、おとなもこどもも、のびのびと楽しめる場所になっていると感じました。


こちらの展示は、6月16日(日)まで。
いわさきちひろさんの世界をからだ全体であじわってみてくださいね。
そして6月22日(土)から、「あ・そ・ぼ」がはじまります。

(広告宣伝担当・はな)

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