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おしいれのぼうけんのススメ④長野ヒデ子さん(絵本・紙芝居作家)


50周年特別帯つき! 『おしいれのぼうけん』(ふるたたるひ・たばたせいいち さく)

ことしの11月に刊行50周年をむかえる絵本『おしいれのぼうけん』
『おしいれのぼうけん』が大好き!」という各界でご活躍のみなさんの言葉をご紹介していく連載企画、第4回です。

今回ご登場くださるのは、絵本・紙芝居作家としてご活躍の長野ヒデ子さんです。

長野ヒデ子さん (撮影・小幡崇)

長野ヒデ子(ながの ひでこ)
1941年、愛媛県に生まれる。絵本・紙芝居作家。『とうさんかあさん』(石風社)で絵本デビュー。絵本に『おかあさんがおかあさんになった日』[サンケイ出版文化賞]『おとうさんがおとうさんになった日』『おばあちゃんがおばあちゃんになった日『せとうちたいこさんデパートいきタイ』[日本絵本賞]『すっすっはっはっ こ・きゅ・う』『まんまん ぱっ!』『おつきさま ひとつずつ』(いずれも童心社)『狐』(偕成社)『とのさまぶたまん』などの「とのさまシリーズ」(あすなろ書房)『げんこつやまのたぬきさん』(のら書房)、紙芝居に『ころころ じゃっぽーん』『くわず女房』『すっすっはっはっ しんこきゅう』(いずれも童心社)など多数。


長野さんは子どもころの思い出をつづってくださいました。

ドキドキいっぱいの場所、押し入れ

子ども時代、押し入れには布団が入っていたけど、布団が干してある日は大喜び。押し入れで遊んだ。

タンスから母の絽(ろ)の黒い着物を引っ張り出し、オバケごっこ。皆オバケになりたがり、押し入れはオバケだらけ。押入れを開く役もドキドキ。
「さあ、お掃除しましょう」と戸を開くと「おばけだ~~」「きゃあ!」が楽しく何度もやった。

子どもは暗いところや狭いところが大好き! 古田さんはそのことをちゃんと知ってるからすごい! 

グチャグチャにした大事な着物を母に見つかり、押し入れに閉じ込められて泣いたこともあったなあ……。
ねずみばあさんは私のおかあちゃんだ!

今回はなんと! 思い出にまつわる絵もかきおろしてくださいました。

長野さんにとって暗くてせまくてドキドキする場所、それがおしいれだったのですね。
おしいれが、家の中にある非日常の空間だということが伝わってきます。

ねずみばあさんにも通じる(?)ような、圧倒的な怖さと、どこかチャーミングな雰囲気をもつ「おかあちゃん」も迫力満点です!

こちらは本家『おしいれのぼうけん』のねずみばあさん!

作者の古田足日さんは、「子どもには2つの不安があるだろう」と言っています。
ひとつは生きることそのものへの不安。守ってくれる人なしには生きていけないあかちゃんとしてこの世に生まれ、成長する中で大きな不安が次々に襲います。
そしてもうひとつは、現代という時代のもつ不安。事件や事故、そして戦争――。先の見えない不安は、子どもたちにも重くのしかかっています。

本作の中には、こうした不安をねずみばあさんやねずみばあさんの国として登場させているのです。

悪の象徴ともいえるねずみばあさんに、手をつないで立ち向かっていくさとしとあきら。
子ども自身の力で逆境を乗りこえることができるからこそ、この物語が子どもたちを今もなおひきつけているのでしょう。

「おしいれのぼうけんのススメ」、次回もどうぞお楽しみに!

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