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『へいわって どんなこと?』——ぼくが、うまれてよかったっていうこと


「へいわって どんなこと?」

みなさんは、「平和」というとどんなことが思い浮かびますか?

浜田桂子さんの絵本『へいわって どんなこと?』は、2011年の刊行以来、世界のさまざまな場所で読まれてきました。
この絵本が自分の日常から平和を考えたり、身近な人たちと平和について語り合うきっかけになったという声が多く届いています。

『へいわって どんなこと?』(浜田桂子・作)

絵本は、こんな言葉からはじまります。


きっとね、へいわって こんなこと。

せんそうを しない。
ばくだんなんか おとさない。


ページをめくっていくと、さまざまな子どもたちを描いた絵とともに、こんな言葉があります。


おなかが すいたら だれでも ごはんが たべられる。
ともだちと いっしょに べんきょうだって できる。


浜田さんは、具体的な光景で平和の姿を明確にし、もし実現していなければなぜなのか、読者といっしょに考えたかったと言います。(※)

この絵本は、日本、中国、韓国の絵本作家が手をつなぎ子どもたちにおくる「日・中・韓 平和絵本」シリーズの最初の1作として刊行されました。



韓国、中国、ベトナムでも出版されているこの絵本。

2020年には香港版が出版され、「第13回 Hong Kong BOOKPRIZE」を受賞するなど大きな話題となりました。

また、滋賀大学とポーランドのヤギェウォ大学の学生がオンラインで交流し、共同実施した「おにぎりプロジェクト」では、『へいわって どんなこと?』のポーランド語への翻訳が行われました。

2022年には、滋賀大学とウクライナのドニプロ国立大学の学生がウクライナ語への翻訳を行い、朗読の様子が配信されました。


作者の浜田桂子さんご自身も、これまで中国や韓国、北朝鮮、台湾、メキシコなどを訪れ、さまざまな国の子どもたちとこの絵本を読みあってきました。

浜田さんは言います。

子どもたちは絵本を見ながら自分の日常に引き寄せて「平和」について考えてくれているのだと感じます。

子どもって「一番」が好きですよね。「この本の一番のおすすめはどこですか?」って聞かれることが結構あるんです。

そのときに私は「どこもおすすめだけど、特に一番のおすすめは、最後の『へいわって ぼくが うまれて よかったって いうこと。きみが うまれて よかったって いうこと。そしてね、きみと ぼくは ともだちに なれるって いうこと。』だよ」と答えることにしています。

童心社インタビューより

『へいわって どんなこと?』を読んだ子どもたちにとっての、「へいわって どんなこと?」をご紹介します。

●おかあさんがいてくれるだけでいいこと  (小学校1年生)

●きもちをつたえること  (小学校1年生)

●べんきょうすること もりもりたべること  (小学校1年生)


『へいわって どんなこと?』にこめられているのは、「生きているってステキだよ」という浜田桂子さんの思いです。
たいせつな人と読みあい、語りあいたい1冊です。


(浜田桂子・作)
※「母のひろば」563号(2011年4月15日 童心社刊)

浜田桂子さんインタビュー全文はこちら

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