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<新刊>「せんそう」っていったいなんなんだ!? 『がっこうかっぱの生まれた日』

山本悦子さん最新作

『先生、しゅくだいわすれました』『神隠しの教室』『二年二組のたからばこ』など、学校を舞台にした人気の読みものを手がける山本悦子さん。このたび、『がっこうかっぱのイケノオイ』『がっこうかっぱのおひっこし』につづく最新作『がっこうかっぱの生まれた日』が刊行されました。

山本悦子さんは児童文学作家になる以前、小学校の教員として勤務されていました。子どもたちと過ごした日々は、山本さんにとっては大切な創作のタネになっているそうです。

『がっこうかっぱの生まれた日』


『がっこうかっぱの生まれた日』(山本悦子・作 市居みか・絵)

がっこうかっぱは、小学校の池にすむかっぱです。
『がっこうかっぱの生まれた日』は、がっこうかっぱが、まだがっこうかっぱではなかったころのおはなしです。


『がっこうかっぱの生まれた日』(山本悦子・作 市居みか・絵)

かっぱは、100歳をすぎて一人前になり、やぶの中にある小さな池にやってきました。そこで出会った女の子が、「ちよ」でした。

『がっこうかっぱの生まれた日』(山本悦子・作 市居みか・絵)

ちよは、「そかい」してきたのだといいます。「そかい」って? 「せんそう」って? かっぱにとっては知らないことばかり。ちよはかっぱに「コケマル」という名前をつけてくれました。


『がっこうかっぱの生まれた日』(山本悦子・作 市居みか・絵)

ちよは、かっぱに「がっこう」のことも教えてくれました。
国語では漢字を勉強すること、運動したり、歌をうたうこともあること。
でも今は、勉強できない日もあること……。

冬になると、ちよが池にやってこなくなりました。
春、久しぶりにあらわれたちよは、家族はみんな燃えてしまった、とコケマルに告げたのです。

コケマルは、涙も流せずにいるちよをぎゅうっとだきしめます。そして、怒るのです。

 なんでだ。なんでだ。なんでだ。
 なんで、ちよは、こんなにがまんしなくちゃいけない。子どもは、あまえていいんだ。あまったれでわがままで、すぐないて、すぐわらって、たくさん食べて、たくさんねて、大きくなる。それが子どもだ。なのに。

『がっこうかっぱの生まれた日』より

年月は流れ、「コケマル」はがっこうかっぱになりました。
それからずっと、子どもたちの笑い声があふれる学校を、池からずっと見守っています。

「せんそう」っていったいなんなんだ!?


小さな子どもたちに「戦争」についてどんなふうに伝えればいいのか。

このことに難しさを感じる方は多いのではないでしょうか。

本作のあとがきで、作者の山本悦子さんは読者である子どもたちに向けてこう書いています。

 せんそうとは、かんたんにいえば国と国のケンカです。ケンカというとかわいらしく聞こえますが、じっさいには人をきずつけたり、命をうばったりするおそろしいものです。

『がっこうかっぱの生まれた日』あとがきより一部抜粋

そう、子どもたちの笑い声がきこえるはずの学校までも壊されてしまうのが、「戦争」です。

二度とせんそうはしないとちかった日本ですが、ぜったいにおこらないとはいい切れません。なにかのはずみで、せんそうはおこってしまうかもしれないのです。そうならないように、「せんそうはぜったいにしない」と、みんながむねにきざみつけていくことが大切だと思います。

『がっこうかっぱの生まれた日』あとがきより一部抜粋

「せんそう」とは何だろう。これからどうすればいいのだろう。

コケマルとちよの物語をとおして、子どもが自分のこととして考えはじめる――そんなきっかけの1冊になることを願っています。

95ページ、小学校低学年から。
(山本悦子・作 市居みか・絵)

(広告宣伝担当・はな)

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