<春のかみしばい>『ロボット・カミイーちびぞうのまき』
紙芝居「ロボット・カミイ」 (全4巻)シリーズから、あたらしい友だちとの出会いを描いた、第1巻をご紹介します。
ごみすてばで、空き箱からせかいいちのロボットを作ることを思いついた、たけしとようこ。
ふたりで作ったロボットは、紙の箱でつくったから、名前はカミイ。
「きみはロボット・カミイなのよ。
わかったら へんじしろ」
すると、ロボットは本当に返事をして、
「いいいーだ。
ぼくは、ひとに ぼくのなまえを
おしえてもらうほど、ばかじゃないよ」
そういうと、カミイは外へとびだしていってしまいますが……。
「ぼくも かわいそうだよ。
ちびぞうが ないんだよう。」
小さな女の子から、ぬいぐるみのちびぞうを取り上げたことを責められて泣くカミイに、ふたりは明日カミイにもちびぞうを作ってあげると約束します。
それを聞いて、泣いていたのを忘れ、明日を楽しみに待ちはじめたカミイのことを、ふたりがかわいらしく思う場面で作品がおわります。
自分の気持ちに正直で、こどもの代表のようなカミイ。
ほしいものにまっすぐに進んでいく、表情ゆたかなカミイが、とてもかわいく、魅力的です。
田畑精一さんの斬新で美しい絵にもぜひご注目ください。
作者の古田足日さんが、幼年童話の名作『ロボット・カミイ』(福音館書店)を元に、『おしいれのぼうけん』でコンビを組むことになる画家田畑精一さんと、幼年童話の刊行と同じ1970年に作り上げたのが、この紙芝居です。
紙芝居としてわかりやすい表現になるよう、文章が全体に見直されています。
同シリーズは、カミイとの出会いを描いたこの第1作につづき、クラスへの入園を描いた第2作『ロボット・カミイ げきあそびのまき』、園行事を描いた第3作『ロボット・カミイ おみせやさんごっこのまき』そして別れをえがいた4作『ロボット・カミイ ロボットのくにへかえるのまき』があります。
シリーズ4冊、ぜひあわせてお楽しみください。
12場面、3歳から
(古田足日 脚本/田畑精一 絵)
(宣伝グループスタッフ・I )
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