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『マツリカ・マジョルカ』読後感想

『マツリカ・マジョルカ』と書きましたが、実際には『マツリカ・マハリタ』『マツリカ・マトリョシカ』まで読み終わっています。 なので、3作分の感想のつもりで。 読み終わって「相沢沙呼」で検索するまで、その文字列と『medium』の表紙絵から女性だと思っていたんですが、どうやら40代男性だったそうで、「あ、どーりで!」と合点がいきました。 理由は読めばわかる。 人が死なない文化祭、人が死なない密室、殺されたカメラフィルムの事件……学校が舞台とはいえ、ミステリにしてはかなり平和で

    • 『違国日記』1〜7感想

      今日は漫画の感想です。 友人から、「『違国日記』好きだと思うよ」と勧められました。表紙の絵のタッチに見覚えがあって、中身をその場で読んですぐに気づきました。 最初の1話を読んだことがある。 たぶんTwitterで、1巻が出たときか何かに宣伝として公開された部分を読んだんだと思います。 「たらい」の書き方の部分にも、「愛せない」のくだりにも見覚えがあって、そのときに「あ、好きだな」と思ったことを思い出しました。 完結していたことは今日知りました。 たぶん、本しか仕舞わ

      • 『安倍晴明「闇」の伝承』読後感想

        著 小松和彦さん 桜桃書房 図書館をふらふらして、タイトルだけ見て何となく手にとった本。 思えば、ホラーだ怪談だオカルトだとその辺の本は好きなのに、陰陽道は通っていなかったんですよね。かといって安倍晴明をまったく知らないかと言われたらそんなこともないんですが。 多分、今まで読んだ本にもちらちらと出てきていたんだと思います。 イケメン超能力者で犬夜叉みたいな赤白の格好をしてるイメージがうっすらあるんですが、理由は分かりません。 なんとな〜くのイメージなのか、どっかで何かの

        • 『ふしぎな図書館』読後感想

          引っ越してからもう4日になるのに、本の整理が一向に進みません。 なぜならやりたくないからです。 文庫やハードカバーを手に取るのはさすがに気が引けるけど、すぐ読みきれそうな厚さだと自制心が効きません。なぜなら片付けをしたくないから…… あらすじ 感想 いつ買ったのかさっぱり覚えがないけど、きっと昨日読んだ本を買ったのと同じタイミングなのかな。 大人のためのファンタジーとありますが、児童書として置いてても不思議じゃない感じです。非常に短く、本を読み慣れた人なら10分前後

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          4本

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          『回転木馬のデッド・ヒート』読後感想

          あらすじと前書き 小説好きなのに村上春樹一冊も読んだことないの? と、他人に言われたことはなくとも自分で思っていたのは事実なので、引越し後の本の仕分け中に手に取った積読本を読んでみました。 これを買ったときの記憶はあります。 あまり大きな声で言うもんではないですが、ふらっと立ち寄った古本屋で上に書いたようなことを思って、作者の名前だけ見て手に取ってそのまま買った本です。 前評判でそもそも苦手意識を持っていたので、『1Q84』だとか、『ノルウェイの森』だとか、いわゆる代表

          『回転木馬のデッド・ヒート』読後感想

          『営繕かるかや怪異譚 その弐』読後感想

          あらすじ 「芙蓉忌」 「壁の向こう」の芸妓の女に入れ込むが、その女はこの世の者ではなくて──という話。タイトルの通り、本編中に芙蓉の花の描写が何度か出てきます。  わたしは小野不由美先生のファンすぎる全肯定オタクですが、その中でも自然物の描写と「そこにいる」モノの描写が大好きです。  動植物への造詣が浅いので、いちいち検索しながら読み進めていくことが多いのですが、芙蓉の花の画像一覧をズラッと見ても、自分では「綺麗なピンクだなぁ、白もあるんだ。少し濃いめの赤も……これが

          『営繕かるかや怪異譚 その弐』読後感想

          『宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥』読後感想

          あらすじ 内容の感想  みのるくん(初登場の子)メインのお話。もっと二人を見てたかったな〜っていう正直な感想はあれど、好きな話でした。  第二部で、正義がリチャードの秘書になって武者修行みたいな暮らし方をしていた時点で、リチャードの後ろを正義がぴったりくっついていくような関係ではもうなくなったんだな、と分かってはいたのですが。  それでも君たちはお互いが見えなくなるほど近づきすぎて、たまにハッと気付いて距離を取って、でもそれじゃ物寂しいからお互いをぐずぐずに甘やかして、

          『宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥』読後感想

          『不審者』読後感想

          あらすじ 内容の感想  よく読むタイプの(最後に視点がすべてひっくり返る感じの)ミステリーでした。  思い込みが激しい人間の一人称視点小説、何度読んでも騙される。ここまでくると自分が素直なのかもしれない。  書いてあることが全て真実だとは思ってないんだけど、一人称で書かれた内容は「一人称視点の本人にとっては」事実だと思って読み進めてしまうので、本人に錯乱されてるとお手上げです、気付けない。  オセロって、最初にたくさん取ると大抵最後にバババッとひっくり返って逆転するけど

          『不審者』読後感想

          『後宮の烏 1』読後感想

          あらすじ 内容の感想  気になっていたけど読んでいなかった『後宮の烏』シリーズに手をつけました。先日、「完結したけど読み終わった?」と当然のように聞かれたものの読んだことがなかった中華風ファンタジーです。  十二国記がバイブルだと公言しているので、中華風ファンタジーは全部読んでるものだと思われています。(彩雲国も、烏はうまく……も完結待ちで読んでないです)  1巻を読んだ感想は、「あらすじにあった『禁忌』はまだ出てきていないよね……?」です。  まだであってほしいという

          『後宮の烏 1』読後感想