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知識も免疫も更新して進化する
宇宙人が子供の頃は脊椎動物というのは五種類あって、哺乳類・爬虫類・鳥類・両生類・魚類だと学校で教わった。ところが近年の恐竜研究により、恐竜の子孫は現在の鳥類であることが判明した。その結果、ワニなど形態が恐竜に近い爬虫類と恐竜の子孫である鳥類をひとまとまりにして、脊椎動物を四種類に集約する方向にあるという。いずれはこの四種類で脊椎動物は学校でも教育されることになると。なるほど。
小中学校で習うような基礎的な知識でさえかように可変なものなのだ。「学校で習ったから」とか「どこかの偉い人が言ったから」とかいう知識の固定化は危険であるということだ。要するに「思い込み」は至る所に潜み、現在最新で最も高い信憑性を誇る知識や公式や定説であっても、それが後に覆されて単なる「思い込み」に成り下がる可能性はあるわけだ。逆に、従来信憑性を全く得られていなかった仮説やトンデモ説が、その後の観測や発見によって突如として「真実」に押し上げられる可能性もある。
UFOなどはその好例だ。宇宙人だってこうして地球に長く暮らして、酷暑に辟易して避暑地へ逃げ込む知恵を身に付けるほど地上生活スタイルを確立しているというのに、なぜ地球人は未だに宇宙人の存在を認めようとしないのか。皆さんの周りにだって一人くらいは「こいつは宇宙人に違いない」と疑いたくなる人物がいるはずだ。わが友人などは勤め先の社長が宇宙人で、社長の任期が終了して母星に帰らなくてはならないのに、地球が気に入って帰国したがらず、社員たちが宇宙船に押し込めねばならぬ事態だと聞く。皆さんの近くにも散見できるのではないのか、こういう例が。
宇宙人の存在はともかく、何が正しいのか正しくないのか、真実なのか虚偽なのか、フェイク情報が溢れる現代において地球人はその真偽を見極める力が試されている。我々の知る知識や科学的根拠は、既に揺るがぬ真理であるものもあれば、脊椎動物の種類のように修正すべきものや、将来何度も訂正を繰り返す宿命のものもある。いまを生きる我々は、いまある最新の情報を頼りに生きていかねばならないが、その最新の情報もいずれは古くなって改変を迫られる可能性についても承知しておく必要がある。要するに、脳みそは柔軟に対応すべきなのだ。固定観念に凝り固まっては、人生そのものが形骸化してしまうだろう。
がん治療に関する最新の(? 既に医療現場に導入されているかもしれないが)図書を読んだので紹介しよう。小林久隆著『がんを瞬時に破壊する光免疫療法 身体にやさしい新治療が医療を変える』。連日猛暑日の真夏だというのに、またぞろコロナが流行っているとマスコミが騒いでいる。既に収束したコロナ禍におけるマスコミの醜態と罪過は全国民の知るところだと思っていたが、依然としてマスコミは反省せずに国民を脅かして冷戦な判断力を鈍らせる報道を続けているし、国民はこれに耳を傾けている。地球人よ、一体いつになったら真実に目を向けるべく虚偽の思い込みを訂正するのだね。脳みそをもっとモミモミともみほぐして固定観念から解放され給え。
『がんを瞬時に』はコロナの話ではないが、コロナにも共通する人体の免疫に関する最新の知識を、辻褄の合うように説明してくれている。辻褄の合わぬマスコミの報道に頭をねじれ上がらせている宇宙人は、こういう確かな知見を目にすると頭のねじれがほどけて爽快な気分になる。地球人の皆さんもそうであれば良いと思い、ここにほんの一部を紹介しよう。頭のねじれがほぐれる気がしたら、是非全編読んでくれ給え。
――自己免疫と獲得免疫を俯瞰してみると、自然免疫は獲得免疫を始動させる引き金でもあり、免疫システムを働かせる基盤でもあると捉えられる。自然免疫と獲得免疫を比較してみると、四つの違いに大別することができる。
一つ目は、自然免疫はほぼ全ての生物が生まれながらに持っている生体防衛の仕組みであるのに対し、獲得免疫は進化の果てに脊椎動物が備えるようになった病原体の撃退システムであることだ。
二つ目は、獲得免疫が一度出会った相手をきっちりと覚えてしまう能力を持っているのに対し、自然免疫は相手を覚える能力を備えてはいないという点。
三つ目は、獲得免疫は効果が出るのにかなりの時間を要するのに対し、自然免疫は外敵の存在を見つけるや、マクロファージが病原体センサーのToll-like receptorを付してただちに攻撃を開始するという点にある。このように自然免疫の細胞は、お馴染みの敵であれば難なく認識・排除することはできるのだが、厄介な敵も、人類の進化と共に現れるようになっている。
四つ目は、これに立ち向かうために機能する、免疫に特有の概念である「特異性」に関するものだ。「自然免疫」が体に侵入した病原体がなんであれ敵を攻撃するのに対し、「獲得免疫」は新たに現れた「1つの外敵を攻撃」する力を持っている。主に活躍する細胞は、B細胞とT細胞系のリンパ球である。人間が進化する限り、病も進化する。その中で、非常に優れた対抗機能を担うのがこれらのリンパ球である。この免疫システムは、がんや馴染みのない病気にも立ち向かい、攻撃し、記憶することによって、次に侵入を受けた時に体を防御する重要な役割を果たしている。――
「人間が進化する限り、病も進化する」。それはイタチごっこと称されるものだが、人類が生命を営む以上は避けられないし、それを恐れるべきではない。マスコミがコロナやその他雑多な一般疾病の恐怖を煽るのは、あたかも人類がそれらを完全に克服できると「思い込んでいる」からであり、克服できないことを恐怖や失敗と結び付けているからだ。(そして恐怖や失敗を叫ぶことによってマスコミが容易に儲けられるからだ。)人体は放っておいても自己免疫が勝手に外敵を認識・排除しているし、それで足りない分は獲得免疫が走って行って「お前は以前見たことある奴だな」と指名手配犯を取っ捕まえてくれる。そしてそんな免疫系も決して万能ではない。どの世界にもほころびはあるが、そんなほころびがあっても人間は生きていける。なぜならほころびを修正することの繰り返しが「進化」だからである。
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