白化サンゴの復活
前回記事のちょっと続き。報道がいくらも訂正されないと言えば…あ、最近NHKの国際放送が雇っていた中国人職員が尖閣諸島を中国の領土とか言ったのをそのまま見過ごしたという報道があった。わが拝聴するラジオのコメンテイターなどは「NHKぶったるんでる」と厳しく糾弾していたが、世間の反応は呑気で、NHK幹部の処分も「50%の減俸」がたったの一カ月。てっきり一年間分減俸かと思った宇宙人は耳を疑い、この痛くも痒くもない微々たる減俸も糾弾したいくらいであった。地球人の皆さんは何とも思わないのかい。懲罰になっておらぬではないか。こんなんじゃ再発するよ。
こんな「ぶったるんでる不祥事」は氷山の一角に過ぎまい。探せばもっと恐ろしい事件がいくらでもあるのだろうが(例えば森永卓郎著『書いてはいけない』のような)、うまく隠蔽しているのだろう。隠し事や嘘を抱えると人は心肺に負担が掛かって病んでいくから、健康・健全に暮らしたいならこうしたまがい物とは離れて暮らした方がいいよ、と算命学者の立場から言っておこう。『算命学余話』の愛読者の皆さん、新規記事はもうしばらくお待ち下さい。この厳しい残暑。残暑とは名ばかりの猛暑日&熱帯夜で宇宙人はスライム状に融解し、原型を留めるのにひと苦労なのだよ。
訂正されない報道の話に戻ろう。宇宙人は文系だが、文系でも理解できる程度に噛み砕いた理系書籍や番組は結構好きな方である。先日、台風を動力とする風力発電研究の報告を楽しく聞いていたら、台風についてのあれこれもついでに耳にし、「白化したサンゴは台風通過の後に復活する」ことを知った。ひと昔前に、海洋汚染だか基地建設だかで白化したサンゴの映像が報道番組で大々的に流され、わが記憶が正しければ「この規模のサンゴが復活するには百年ほどかかる」みたいなナレーションが付いていた。百年という数字は定かでないが、人間の寿命と比較しても引けを取らない年数だったと思う。だからその時は「ひどい話だ。環境破壊はいかんな」と宇宙人でさえも思ったものだ。
そのサンゴが実はもうとっくに復活していると聞き、しかもそれが報道ではなくサイエンス番組の余談だったことに、頭をねじれ上がらせる宇宙人。番組では「なぜ白化サンゴが台風の後に復活するのか、そのメカニズムは解明されていない」と正直に白状していた。しかし以前の報道が「サンゴは白化したら百年復活しない」と断言した時はその根拠も示されなかった。どこから出てきたのだよ、その百年という数字は。百年前に生きていた人間にでも聞いたのかい。復活したサンゴを前に、報道は訂正しないのかい。それとも宇宙人の耳に届いていないだけなのかい。皆さんは聞き及びましたか? 知らなかったのは宇宙人だけ? ネジネジ(宇宙人の頭がツイストドーナツ状にねじれる音)。
このサンゴの話も氷山の一角に過ぎないのだろう。こういう報道が多すぎる。ちゃんとウラを取ってから公共の電波に乗せろなのだ。根拠があやふやなら「まだ判っていない」と正直に言えなのだ。テキトーに済ませるから社会全体にもテキトーがはびこるし、人間の人生もテキトーな中身のまま終えることになるのだよ。と算命学者の立場から吠えておくよ。この暑さではこれが精一杯なのだ。
折しも養老孟司先生の図書『神は詳細に宿る』が我が家にある。大手報道にしか注目していなかったら、宇宙人は今もサンゴは白化したままだと思っていたに違いない。たまたま理系番組を見ていたから思い込みから抜け出すことができたのだ。しかも番組の主題ではない所で得た情報だ。以前「視界の端っこが気になる」という内容の記事を書いたが、視界の真ん中にないものでも真実は込められている、いや真ん中にないからこそ真実がよく見えるのだと、再確認した宇宙人なのだった。