岐阜県道175号 岐南町徳田廃道
岐阜県道175号線は岐阜市から羽島郡岐南町までを結ぶ一般県道です。
そんな道の途中、岐南町徳田付近には線形を改良したがゆえの廃道が残されています。
この県道は全線で4車線化を行う工事が行われており、今回取り上げる廃道もその副産物になります。
現地は名鉄名古屋本線の岐南駅・笠松駅からもそこまで遠くなく、気軽に廃道を歩ける場所となっています。
最後まで見てくれると嬉しいです。
周辺図はこちら
本編
探索
今回は名鉄名古屋本線の踏切跡から東へ向かう感じで探索
旧道は現道より少し南に位置する場所にあって、ここがその旧道
踏切跡付近を拡大するとこんな感じ
現在は思いっきり柵で閉じられているが、昔はここに踏切が存在していた
東の方に向かっていくと歩道だけ現道と同じ高さになっていく
何か手掛かりがあればいいのだが…
その前にボックスカルバート付近の銘板を見てみる
完成年月は2011年3月
この年月だとアレを連想してしまうが、あまり関係ないのでこれ以上の言及は控える
2つ前にも言った通り歩道は現道と同じ高さになる
旧道はこの先の交差点で一旦潰れてしまう
旧道の反対側にやってきた
轍や当時物の白線が見えることから、この道路は幹線道路時代からそのままのようだ
不自然な位置にある白線は当時存在していた仮設道路に繋ぐためのものか?
そして振り返ると、
停止線と横断歩道が見える
今となっては道はここで終わりだが、当時はこの先に交差点が確かに存在していた
しばらくこんな感じの道が続く
タイヤ痕は地元住民のものと思われる
ここからはお待ちかねの廃道区間に突入
車止めの間に歩行者が好き勝手入れるスペースがあるので早速この中を歩いていく
廃止後12年、センターライン近くからは草が生えている
また舗装も廃道らしく黒っぽくなっている
平野部の廃道ということもあり山地のような荒れ具合ではない
これが廃道の曲線美
この先のガードレールも自転車が入れる隙間がある
そのガードレールから振り返って撮影
このS字カーブはスピードが出ると事故がありそう
でも旧旧道だと法定速度でも事故が多そうに見えるからそれよりはマシ
ここからは再び旧道部分に戻る
対向車線側のガードレールは当時物か?
路面は虚無、写真はピンボケ
分かりにくいが歩道と車道の境目に縁石がある
これも当時物の設備と思われる
旧道はここで終了を迎える
だが当時物ということもあり少し縁石が気になる
縁石の作りが今と比べて簡単な感じ?
(2024年5月撮影)
廃道の概要
この道は2011年後半〜2012年前半に本線から分離、2012年7月中旬から廃道になったものと思われます。
2012年7月中旬と比較的明確な月日が出ているのは、Googleマップのストリートビューに記載されていた情報が存在したからです。
このサイト(Googleマップのストリートビュー)にアクセスすると当時の写真が出てくるので是非ご覧ください。
次に航空写真を見ていきます。
これは本題の廃道(概要に限り旧道と呼ぶ)が誕生する前の様子です。
カーブが急で危ないように見える道路が旧旧道です。
そんな危険な道路を改良するためにできたのが今回探索した旧道です。
旧道は昭和末期〜平成初期にできた道路です。
しかし今度は渋滞地獄の国道21号のバイパス路線としての機能を果たすべく、更なる線形改良を行う事になりました。
それが4車線道路の現道です。(航空写真では用地買収が完了しただけの状態)
画像左寄りにある無駄に迂回した道路は仮設道路と思われ、今では完全に現道に潰されています。
それでは現道、旧道、旧旧道、仮設道路の位置関係を4色の線で表示してみます。
太い青が現道、緑色が旧道、橙が旧旧道、細い黄が仮設道路です。
一部推定を含みますが大体こんな位置関係です。
おまけ 歩道橋から見る工事進捗
中の人の撮影の腕が低かったので全て微妙にピンボケ写真…
この付近は用地買収が完了し工事に着手している
撮影の1ヶ月前(2024年4月頃)に東海道本線がこの付近で徐行運転していたのもこの工事が絡んでいる
ここからこの工事がどのように進んでいくのか見ものである
反対側の様子
ここには先ほどの旧道が写っている
ここが数年後どんな風景になっているのか気になる
(2024年5月撮影)
終わりに
今回は岐阜県道175号の岐南町徳田付近にある線形改良廃道を探索しました。
今回注目した道は1回目の線形改良で整備された道(旧道)だけが廃道化された少し特殊な状態となっている部分です。
普通は旧道も旧旧道も廃道化されるというケースが多いですが、このケースは旧旧道だけが生活道路に転用される珍しいケースです。
なかなかこういう道を見つけることはないと思います。
またこの岐阜県道175号線は今も東海道本線部分で工事が進んでいるため、また来訪する機会があるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。