【番外編】フェミニズムを考える
私は中学生から高校生の間、東京まで片道50分の電車通学をしていて、1995年〜2000年、平日はほぼ毎日同じ電車に乗っていたということになる。
(しかも一番長い区間で10分間ドアが開かないから、結構しんどい思い出です……)
中学生のとき、すごく不思議だったことが、満員電車の中、ごく普通のサラリーマンのおじさんたちがスポーツ新聞を器用に縦長の四つ折りに折りたたたんで、性的な記事を堂々と読んでいたこと。
朝から本当に本当に気持ち悪かった。
週刊誌の下品な中吊り広告も相まって、今考えると電車内は異様な環境だったと思う。
中学生のときは本当によく痴漢に遭って、それは学校の同級生たちも同じで、
だんだんと痴漢を交わす小ワザみたいなのも身につけていったけれど、
絶対に何かがおかしかった。誰かが助けてくれたことは6年間で一度だけ。(あの時の若いサラリーマンの男性、ありがとうございます……涙)
なんで痴漢を誘発するようなスポーツ新聞とか中吊り広告が密室の車内で堂々と容認されていたんだろう。
どうしてこんなことを思い出したかと言うと、昨日の夜、代官山の蔦屋書店で偶然目にして買ってみた『エトセトラマガジン』を読んだからです。
面白くて一気に読んでしまった。
元々河出書房新社で書籍編集者だった松尾亜紀子さんという方が、フェミニズムに特化した出版社エトセトラブックスを立ち上げ、この『エトセトラ』はエトセトラブックスが出版するフェミマガジンとのこと。
毎号、新しい編集長がいま伝えたいテーマを特集する、というコンセプトもとても面白くて、デザインもシンプルながらエッジが効いていて、すごくいいな!と思った。
フェミ二スト=男にモテない女の権利の主張ばかりする人、みたいなパブリックイメージがどうしてもあったと思う。(私もなんとなくそう思っていた)
だけどそうじゃなくて、
ただただ女性を普通にまともに対等に扱ってほしいという、ごく真っ当な考え方で、
ここにきてようやく少しずつ、軽やかにスタイリッシュにこういう話題を話したり発信できたりする時代になってきたのかな。
好きな男性にきれいだね!って言われたら嬉しいし、どちらかというとスカートとかヒールとかフェミニン(とされている)なファッションが好きだし、言葉狩りをしたいわけでも、ことさら女性の権利ばかりを主張したいわけじゃない。
だけど変だと思うことは変だよと言いたいし、上に立ちたいとかどっちが上とか下とかじゃなくて、私たちはただただ対等になりたいだけなんだと思う。
中学生の頃の私たちのような思いを、これからの女の子たちにはしてほしくない。今の子どもたちが大人になる頃には、フェミニズムって言葉自体がなくなるくらい、対等が当たり前の世の中になっていたらいいな。