自分を愛すること
約1年前、このマガジンで、「自己肯定感を育む方法」として、4つのステップをご紹介しました。
簡単におさらいすると、ステップは以下の4つです。
1 知る
2 信じる
3 行動する
4 褒める
まず大事なのは「知る」ということ。
自分はどんなことが好きで、どんなことは嫌いか。
将来どうなりたいと思っているか、あるいは今、何をしたいと感じているか。
それをどれだけ知ることができるか。
どれだけ知ることができるかって、自分のことなんだから簡単でしょ?
でも、私たちの脳はエネルギーをセーブするために習慣化を好むのです。
そのために、本当に好きか、やりたいか、ということを意識することなく習慣的に行っていることが非常に多いのです。
また、「決めたことだからからやるべき」「常識的に考えたらこうしたほうがいい」といった考えも、時として知ることを阻むフィルターになっています。
だから、あえて意識して、自身の感性は何を囁いているかに耳を澄ます必要があるのですね。
そうして自分のやりたいことがわかったら、次は、それを「信じる」。
たとえ突飛に見えたり、無意味に思えたとしても、それをやることが自分と周囲の環境にとって最終的には良き変化につながるはずだと信じることです。
そして、次が、「行動する」。
これは言葉通り、自分の価値観・感性を信じて、小さな一歩でいいから実行すること。
最後の「褒める」は、実行した結果として起こったことではなく、自分が自分のやりたいことを感じ取ったこと、それを信じて行動したこと、その一連のプロセスを褒める、です。
実を言うと、この4つのステップについて学んだ時、川尻隆*は、英語で説明してくれました。
1 Find Yourself(自分を見つける)
2 Trust Yourself(自分を信じる)
3 Love Yourself(自分を愛する)
4 Respect Yourself(自分に敬意を払う)
その時の私は、1は自分を知る、2は自分を信じる、4は自分を褒める、ということは理解できても、3について、自分を愛すること=行動することと川尻が解説したことがピンときませんでした。
だから、当時のマガジンの原稿では、英語の表現は入れなかったんです。
でも、最近、自分の中にあった、わりと大きな制限を手放して行動することができて、腑に落ちました。
自分が本当はやりたいと思っていることに気づき、それについてジャッジすることも結果を期待することもなく、「それがやりたいのか。じゃあやってみよう」と行動に移すって、それまさに自分を愛するってこと以外の何ものでもないわ、と。
逆にいうと、どんなに自分を愛そうとしても、自分を知り、自分を信じて行動に移すまでは「愛そうとする意志」のままで、「愛している」とは言えなかったんだと思ったのです。
自分を愛するというのは、行動することまでを含むのだ、と。
自分を愛することがなぜ大事か、私はまだ共有できるほどの体験がありません。
ただ、今現時点で実感しているのは、とんでもなく気分がいいということ。
そして、自然と他者に寛容になれるということです。
ちなみに、私、ライター古澤が最近、手放した大きな制限(動作学的に言えばフィルター)は、自分が書きたいと思ったことを、ジャッジすることなく、結果を期待することなく、書いて出す、ということでした。
どんな制限を持っているかは人それぞれだと思いますが、自分の体験から一つ言えるとしたら、「それはないわ」「自分はやらないわ」と思っているところにこそ、大きな制限が隠されていて、その制限が、自分の本当にしたいことという感性の囁きを阻害している可能性が高いということです。
その制限が大きいほど、当たり前になっているので、認識するのは簡単でないですし、ましてや手放して行動するのは、ものすごい抵抗があります。
でも、思い切って行動してみたら、「それはない」という世界から、「それもあってよし」の世界に変わりました。
「それもあってよし」の世界では、他人に(無自覚に)課していた「ありえない」も「あってよし」に変わっているから、自然と寛容になるのです。
自分にも他人にも「あってよし」のことが多い世界の方に、私はいたい。
今、私は、自分を知り、信じ、行動し、褒めるということをより一層丁寧にやっていこうと思うようになりました。
それこそが自分を愛するということで、自分を愛することが世界を優しくすることだから。
ってね、何だか美しくまとめちゃって「オマエは誰だよ」って突っ込む自分もいてちょっと心地悪いです。
が、私の感性はこれを伝えたいと囁いているので、信じて実行することこそ自分を愛することだと、それこそバンジーを飛ぶ気持ちで書いたのでした。