泥啜風土記 立石編
最近は起きてる時間のほとんどを歩いて過ごしている。暇だから。
歩いていると色々な発見がある。
例えばこの不審な筐体。
まさかのオール100円。まさかのほぼソールドアウト。
残っていたのは一目でハズレと分かる立石バーガー。
自販機を覗き込むとすぐ後ろでおっさんが座ってこちらを見ている。
"自動販売"の定義は人それぞれだ。
100円と書かれた硬貨投入口っぽいところに50円玉1枚と10円玉5枚をねじ込みボタンっぽいものを押すとバーガーっぽいものが包まれたっぽいものが転がり出てきた。
包装紙のプリントは消しゴムハンコであろうか。印刷の擦れが何とも言えぬ哀愁を漂わせる。
味を言葉で表すとすれば、収容所の御馳走。
普段は茹でたジャガイモしか出ないが、月1回ぐらい看守の機嫌がいい時に出たりするのだろう。この立石バーガーを巡って捕虜達は血で血を洗う争いを繰り広げたりするのだろう。
子供から立石バーガーを奪い取る大男。弾みで立石バーガーが湿った床に落ちる。それを冷酷に踏み潰す看守の足。踏み潰された立石バーガーを見る子供の眼に映るものはさて一体なんでしょうか。
続きは次回↓