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初めて担任をした教室の景色
岩手の少年→東京の大学→大阪の教員→北海道のどろんこ の私ですが、今日は教員時代のお話を。
私が大阪で初めて教員をした時の教室。4階の窓から見える景色は、何度も勇気づけてくれた。最初に苦労したのは「言葉」。熱を帯びた話になると、私の東北弁が炸裂する。
『人を傷つけることする人間じゃない!もっと優しい人間だべや!』
さっきまで真剣に聞いていた生徒も
「・・・だべや!?」
そっちが気になって話が入らなくなる。
『笑う話あったか?何がおかしい』
「何もおかしくありません」
『じゃあ、何で笑ってるんだ』
「怒りません?だべやが面白くて。真剣に聞きたいのに話入ってきません」
聞こうと思っているのに聞けない。
真剣な話をしているのに言葉のアクセントが気になる。
私はすぐに大阪弁を学びます。先輩に聞き、お笑いをみまくり、何度も実践して笑われます。次第にイントネーションもあってきたのか、言葉の壁はなくなりました。その時から地元の人からは「大阪に魂を売ったのか!?」と言われるようになります。
*あーなれば、こうなる
そんな日々の中、初めての懇談が行われます。
生徒、親御さん、私の三者。親御さんは大卒の若者が担任で心配もあったでしょう。オブラートに包んでくれることもなく、直接「頼りない」と丁寧に伝えてくださいます。「親でもないのに子どもの気持ちって分かります?」なんてことも言ってくださいます。どストレートは大阪の気質だなと痛感した瞬間でした。
サウンドバックに合いまくり、最後の懇談が終わる頃にはヘロヘロです。でもそこで終われません。どんな話があったのかをまとめておかないと、忘れてしまいます。黙々と教室で作業していると、先輩が駆けつけてくれました。
「大丈夫か!?」心がほっこりします。
「やっぱりここはいいな!」
私が目を丸くしていると先輩が続けます。
「ほら、ここからの景色最高なんよ」
ふと窓の外を見ると、そこには大阪市街まで見渡せる景色が広がっていたのです。丘の上にある学校の最上階の教室。まさかの景色に私は一瞬で虜になってしまいました。
「落ち着いたら職員室に戻っておいで」
そう言い残すと先輩は階段を降りていきました。
私は目頭が熱くなり涙を流していました。。
色んなものが入り混じっていたんだと思います。少しの間だけ、夜景を見ながら未来を見据えていました。
北海道に来て、平面の景色を見ることは多くなりましたが、上下からの景色を見なくなっていることに気づきました。久しぶりに高いところに登って、ふと思い出したどろんこの過去でした。
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