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Photo by
koichiakamine
見えないところで傘をさしてもらっているかもしれない
私が小学6年生の送別会。保護者、学校の先生、卒業生がホテルに集まって会食をするという機会があった。初めての場所や環境で、ドキドキしていたことを覚えている。
最後に卒業生が一人ずつ挨拶することになった。目の前にいる親御さんや先生方への感謝の言葉が続き、泣いてしまう大人たちもいた。私も何を話そうかと考えながらも聞いていた時に、ふと目に入った光景があった。話している同級生の先に、ホールスタッフがいた。目立ちすぎずホール全体を観察しながら適切に対応しているとてもスマートな姿だった。周りを見渡すと、それぞれの役割で動いているスタッフたちに囲まれていることに気づいた。
司会者が私を指名した。みんなと同じように、6年間の思い出や感謝の気持ちを伝えた後にこんなことを伝えていた。
「最後に、今日この会のために動いているホテルの方にも感謝したいです。ご飯もジュースも美味しかったです。ありがとうございます」
司会「ありがとうございました。私この仕事を長くしていますが、そんな風に言われたのは初めてです。親御さんや先生方の指導の賜物ですね」そんなお言葉を返していただいた。
私は、この発言が「大切なこと」なのだと自覚した。見えないものを見ようとすることはここから始まった。自分で進んでいると思っていることも、誰かが傘をさしてくれている可能性がある。直接感謝を伝えられなくても、今起こす行動で示していくことだってできる。そう信じて、今日も進む。あの時に大切なことに気づく環境を作ってくださった方々がいたことを忘れずに。
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