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ストーリー構造のおはなし 〜登場人物の種類 人と神①〜

○登場人物は「人」と「神」の2種類

登場人物は大きく2つに分類されるよ!というお話。
あくまで1つの考え方として、ストーリーをつくったり、読んだりする上での参考としてくださいませ🐶

登場人物の分類は多数ありますが、今回は登場人物の作中における精神面での変化に焦点を当てます。
すべての登場人物は必ず、「人」「神」のどちらかに分類されます。
もちろんこれは比喩表現ですよ!


まずはについて、簡単に説明します。
1つのストーリーの中で、葛藤がある人物「人」葛藤がない人物「神」といいます。
(注:ここでの人と神の説明は、あくまで簡単な説明です)


○ドラえもんで例えてみよう

ドラえもんを題材に架空のお話を創作します。

のび太くんは、いつもジャイアンにいじめられています。

しかしある日「ジャイアンにもういじめられたくない!」と思ったのび太くんは、ドラえもんに相談します。
ドラえもんはそれを聞くと、のび太くんに秘密道具を使って過酷な肉体強化トレーニングをすることを提案します。
のび太くんは、イヤイヤながらもジャイアンに勝つため、その過酷なトレーニングに挑むことを決意します。

過酷なトレーニングを終えたのび太くんは、ジャイアンに立ち向かいます。手痛い目にも遭いましたが、なんとかジャイアンに一泡喰わることに成功しました。
そして見事ジャイアンに打ち勝ったのび太くんは、いじめをやめることを約束させました。

結論を言うと、のび太くんは「人」で、ジャイアンとドラえもんは「神」です。
それらを分けるポイントは葛藤の有無です。

このお話の中で、のび太くんには葛藤がありました。
問題を解決するために「ジャイアンにいじめられっぱなし」と「過酷なトレーニング」とを天秤に掛けて、イヤイヤながらも「過酷なトレーニング」を選択しています。これはまさしく葛藤ですね。

ストーリーから葛藤が読み取れるので、のび太くんは「人」といえます。
対してジャイアンとドラえもんは、描写から葛藤を読み取れませんので、人ではなく「神」といえます。


さて、少し補足します。
葛藤するのが「人」だと定義しましたが、例外があります。
それは、その葛藤に人間性の変化がない場合です。

次の例をご覧ください。

葛藤した結果、人間性が変化していなければ、その人物を人とは呼べません。


○まとめ

さて、まとめましょう。

人:(人間性の変化の伴う)葛藤がある
神:(人間性の変化の伴う)葛藤がない


最後にお伝えしたいのは、「人」「神」というのはあくまでもストーリーを考えるための1つの指針であって、登場人物を人や神と定義すること自体に重要な意味はないということです。

「人」だった人物が、他のシーンでは「神」として描かれることもあります。
描写の読み方次第で、読み手によって、その人物が「人」「神」かが変わることもあると思います。
重要なのは、その登場人物にどのような物語上の役割があるかを自分なりに考えることです。

次回からは、人と神のストーリーにおける役割についてお話しします。


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