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「Bラインについて(泥辺の中身:作品発表基準の話)」

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 今回は自作の「発表に値するかライン」についてです。

 昔、紙のノートに読書記録をつけていたことがあります。著者名、タイトル、読了日と、簡単な評価をつけていました。S~D評価です。

S:生涯抱きしめるような一冊。
A:その作家の本を読み漁りたくなる一冊。
B:面白かった、参考になった、こんな世界があったのか、など、何かしら自分にとってプラス要素のある一冊。多くの本がここに含まれる。B-からB+まで大きな幅がある。
C:読めた。
D:途中で読むのを止めるべきだった一冊。だから本来、読了してこの評価にたどり着くことはめったにない。たまたま出先で持っている本がそれしかなかった、最後の結末にあまりに納得がいかなかった、などの際にだけ現れる評価。

 読んだ瞬間はA評価でも、少し時間が経てば「よく考えたらそこまでではなかったな」ということもあれば、B評価だった一冊が後々自分の中で徐々に存在感を増してくる、なんてこともありました。

 評価軸は加齢、経験、読書体験で流動的にはなりますが、基本的な自分好みのラインは大体分かるようになります。B評価以上の本を書いている作家さんの本は、また次に手を伸ばすことになりますが、C評価止まりの作家さんはそれっきり、ということが多いです。

 この評価を自作にもあてはめています。自己評価がBラインを超えた場合は、何かしらの形にして発表しよう、となります。SやAに至るかの判断は自分ではできませんが、C以下をふるい落とす目はできていると思います。

 2021年の冬ピリカグランプリに出した「原稿用紙を一行ずつ破って燃やす話」という話があります。

 当時、この企画参加作を自主的に全作品レビューしました。上記S~D評価をあてはめて。客観的に評価して自作は「B+」としました。そして審査員賞を受賞することもできました。

 前回の記事で書いた、毎日書いた詩の中から上澄み三編を選ぶ、といった行為も、自作を冷静に評価する練習にもなっていたかなと思います。

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