変化に寄り添うデザイン、持続可能なプロダクト開発
ローンチから8年を迎えた私たちのプロダクト「Carely健康管理クラウド」は、着実にユーザーの支持を得て成長を続けています。この間、ユーザーの期待や市場のニーズに応えるため、数々の機能追加や改善を積み重ねてきました。しかし、その一方で蓄積されてきた課題が、プロダクトデザインの観点から私たちに新たな挑戦を突きつけています。
この記事では、長年開発を続けるプロダクトに特有の「デザイン課題」やコンポーネント整理の難しさに直面している現状を共有し、これらの課題にどう向き合っているのか、そしてどのような未来を目指しているのかをお話しします。
蓄積されるデザイン的な課題
プロダクトが成長するにつれて、初期には想定していなかったニーズやユースケースに対応するために、新しい画面や機能が追加されてきました。この過程で、テキスト表現やデザインルールの揺れが生じてしまったり、過去のコンポーネントが使い続けられた結果、プロダクト全体の一貫性が損なわれてしまうことがあります。
たとえば、同じ種類のボタンでありながら、画面によって微妙に異なるスタイルが適用されていたり、エラーメッセージの表現がページによって異なっていたりすることが問題として浮き彫りになっています。このような細かな「揺れ」は、一見大きな影響がないように思えますが、ユーザーにとっては、認知負荷を高めたり信頼感を損ねたりする原因になり得ます。
増え続ける機能とコンポーネント整理の課題
長年開発を続けるプロダクトでは、機能の拡張が続く一方で、それを支えるデザインコンポーネントの整理が後手に回りがちです。新しい機能や画面に対応するために、デザインシステムが十分に整備される前に独自のスタイルが追加されてしまうことがよくあります。
結果として、コンポーネントの種類が増えすぎてしまい、どれを使用すべきか迷う場面が多くなるだけでなく、似たようなコンポーネントが重複して存在する状態が生まれてしまいました。このような状況では、デザイナーやエンジニアがプロダクト全体の統一感を保つことが難しくなるだけでなく、ユーザーにとっても一貫した体験を提供する妨げとなります。
統一感を追求する理由と難しさ
デザインに統一感を持たせることは、ユーザーが直感的に操作を理解し、スムーズに目標を達成できるようにするために重要です。特に、私たちのプロダクトのように機能が多岐にわたる場合、一貫したコンポーネントの設計が、ユーザーの「迷い」を減らし、心地よい体験を提供する鍵となります。
しかし、この改善が直接的にユーザーに目に見える形で効果を生むわけではないというジレンマがあります。開発リソースが限られる中で、デザインシステムの整備や既存コンポーネントの見直しと、ユーザーの要望に応える新機能の実装とをどうバランスさせるかが、私たちにとって最大の課題の一つです。
エンジニアとの協調による課題への取り組み
こうした課題に対処するためには、デザイナーだけではなくエンジニアなど、チーム全体での取り組みが欠かせません。お互いの立場や優先事項を理解し、プロダクトの短期的な成果と長期的な成長を両立させる道を模索することが重要です。
現在、私たちは以下のようなアプローチを進めています:
デザインの「揺れ」を可視化する
既存の画面やコンポーネントを棚卸しし、どこに揺れがあるのかをリストアップすることで、問題点を明確化しています。デザインシステムの段階的な整備
大規模な改修を避け、既存のコンポーネントを少しずつ改善しながら、新規機能の追加に合わせて統一感を高める方法を取っています。
心地よいプロダクトの提供を目指して
私たちのプロダクトは次の成長段階に進もうとしています。そのためには、これまで蓄積されてきた課題に真正面から向き合いながらも、ユーザーにとって心地よい体験を提供し続けることが不可欠です。
デザイナーだけではなく、エンジニアなど、チーム全体で調整と協力を重ねながら、開発コストと優先度のバランスを最適化していきたいと思います。そして、ユーザーにとって最も快適で、一貫性のあるプロダクトをこれからも提供していくことを目指します。
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