いつもの朝食をちょっとだけ贅沢に
朝食によくピザトーストを食べます。
8枚切りの食パンにトマトケチャップを塗って、ハムとチーズを乗せてオーブントースターで焼くだけ。
パンの耳がカリッとなるまでしっかり焼くのがコツです。
そのまま食べても美味しいですが、その上に目玉焼きを乗せて食べるのがオススメ。
いつもはそれを手に持って、パタンと二つに折って食べますが、その日は何となくナイフとフォークを使って食べる事にしました。
するとあら不思議、いつもと同じピザトーストを食べているにもかかわらず、ちょっとだけ贅沢をしているような気分になるではないですか。
コレはなかなか良い事を知ってしまったと、次の日も同じピザトーストをつくることに。
今回は用意周到にテーブルの上を綺麗に片付けて、窓を開けて空気を入れ替えました。
BGMも怠りません。小川美潮さんの「4 to 3」をCDプレーヤーにセットする。
焼き上がったピザトーストをお気に入りのお皿にのせて、ランチョンマットを敷いたテーブルにのせます。
その横には小さめのココットに入れたブルーベリーヨーグルトも用意しました。
いつもの椅子に座り、リモコンでCDを再生します。
「4 to 3バンド」の心地よい演奏が始まります。
そして右手にナイフ、左手にフォークを持ちいざ実食。
スマートフォンを見ることもなく、いま目の前にあるピザトーストとだけ向き合う私。もちろんテレビだってつけません。
「悪くない。いやいや、良い感じ。」
窓から入ってくる朝の風も爽やかです。
ステレオから聞こえてくる浮遊感のある歌声も心地よく、自然と時間がゆっくり流れていきます。
これはもう代官山あたりにあるオープンカフェで、朝食を食べている気分となんらかわりはありません。
「よし、明日もピザトーストを食べよう。明日はコーヒー豆を挽いてドリップコーヒーも用意しよう。」
私はきっと忙しい毎日の中で、無意識にやり過ごしてしまっていた時間がたくさんあったことに気付かされました。
海底に沈み、忘れ去られた海賊船のように、そこにはまだまだお宝がたくさん眠っているのです。
いつものピザトーストを、ナイフとフォークで食べてみるようなちょっとした変化だけでも、ちょっとだけ贅沢な時間がすごせるかもしれませんね。