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阪神JFの戦評 ~歓喜のグータッチ~

勝ち馬のアルマヴェローチェと、2着のビップデイジーのレースっぷりを振り返ります。
レースを見直すと、アルマヴェローチェのレースセンスの高さに改めて驚きます。

◆ アルマヴェローチェ
先ず、スタートがとても上手で、ゲートからの飛び出しが速いです。且つ、その後に騎手が「待て」のサインを送ると、2歳の若駒と思えない落ち着きで、中団に控えることができます。
その後も全く引っ掛かる様子なく、馬群で追走していきます。3コーナー過ぎから騎手に促されると、非常にスムーズに外側を上がっていきます。

4コーナーを回ったところで、内側の馬がよろけた影響を受けて、外側の馬と交錯しますが、跳ね飛ばして進路を確保します。
バランスの良さ(体幹の強さ)や勝負根性も素晴らしいです。

そして、最後のビップデイジーとの競り合いになってからの、負けん気の強さ、ラスト600mを最速で走り切った高い瞬発力は、目を見張るものがあります。

また、体重は484㎏と、一昨日のメンバーでは3番目に大きいのですが、もて余すことなく、とても上手く走っています。

前走の札幌2歳Sでも感じたのですが、騎手の言うことを素直に聞いて、迅速に対応する心身両面の能力が非常に高い印象です。
岩田望騎手も初のG1優勝をもたらしてくれた彼女について、操縦性の高さを強調していました。

◆ ビップデイジー
一転して436㎏と小柄なビップデイジーも、操縦性の高さを見せました。1番枠の彼女は、故意なのか、或いは天然なのか分かりませんが、フワッとゲートから出たために、スタート直後は一旦後方に下がります。

向こう正面では内ラチ沿いを通って、中団まで位置を上げます。しかし、そこで引っ掛からずに落ち着いて、馬群で脚を溜めます。

4コーナーを回るところでは、直線の進路も内側となりますが、そこから幸騎手の右ムチに応えて、徐々に外側に展開していきます。

そして、アルマヴェローチェと並走すると、そこから真っ直ぐに鋭い末脚で突き進みます。このまま勝ってもおかしくない勢いがあったのですが、一頭だけ強い馬がいて、2着になりました。
この上位2頭の直線での末脚の切れ味は、惚れ惚れしました。

◆ 桜花賞に向けて
昨年は阪神JFの1着、2着のアスコリピチェーノステレンボッシュが、桜花賞でもワンツーフィニッシュしました。
今年の2頭もそうなる可能性があると思えるような高い能力を示しました。

◆ グータッチ
ゴール後にG1初優勝した岩田望騎手のもとに、同期の団野騎手が駆け寄ってグータッチしました。
ライバルでもあり、友人でもある2人の良好な関係が垣間見られた良いシーンでした。


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