【イノベーションジレンマ】若い芽は高値で摘まれやすい

GAFAといえば、各業界で独占的な地位を築いている四天王のような存在ですが、日夜大型買収のニュースが飛び交っています。
しかし、「こんなに巨額な投資をして回収できるの?」と疑問に思う方もいるかも知れません

今回は、引き続き次の著書より、「若い芽は高値で摘まれやすい」力学について解説していきます。

競争は市場を縮小させる。

マイケル・E・ポーター曰く、「競合が増えると、業界全体の利益率が低下する。」と述べており、この状態をハイパーコンペティションと呼びます。
例えば、ペットボトルの水などは製品の差別化要素がないため、飲料の中でも最低価格でしか販売することが出来ません。(おそらく原価はそこまでコカコーラと変わらないはずにも関わらず)

新規参入者は独占企業にとって、とても脅威。

一般的に新規参入によって、市場シェアが奪われるリスクが高まります。
例えば、Huawei等の中国スマートフォンは、Sonyのスマートフォンのシェアを確実に奪います。
しかし、新規参入者が奪うのはシェアだけではありません。

新規参入者は既存企業の利益率も下げる。

原価率50%のコスパの良いスマートフォンB社が参入してくると、原価率20%の既存企業A社のスマートフォンが大きく差別化されていない限り(代替性が高い場合)、需要は確実に減ります。
その結果、A社の価格もB社にあわせて下げざるを得ないのです。

つまり、B社が参入することによって、A社は売上を奪われるだけでなく、それ以上に利益を大きく奪われることになります。

その結果、B社が大きく成長する前に、既存事業を守るための防衛的買収のモチベーションが大きく高まります。

つまり、FacebookやGoogleが、市場価値よりも圧倒的に高い価格で、新規参入企業を買収するのは、その企業による利益を期待しているのではなく、自社のサービスの利益を守るためでもあるのです。

考察

一度成功した企業は、とことん競争を嫌います。
競争をまもるためであれば、投資によるキャピタルゲインを得たい、起業家や投資家以上の熱意で、既存企業による青田刈りに出逢います。

ある意味、そういった力学を知ることで起業の戦略が変わるかもしれないですね。

結局、業界の競争構造によって価格は決まってしまう。というのがマイケル・ポーターの「5つの競争要因」で述べられていることなので、もしよかったらこちらの記事もどうぞ。


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