メディアコマースの戦略(キナリノ)について考察
キナリノとは、価格comが、2014年7月に立ち上げたメディアです。
今回は、メディアコマースの戦略について考察したいと思います。
まず、結論から述べると次のような状況の時、メディアコマース戦略は有効と言えますが、順を追って解説していきます。
①雑誌 → 小売で購買のフローを持つ
②ECで購入しやすい商材
③雑誌がWEBメディアで一定代替可能
キナリノモールの業績①(単四半期)
2017年3月時点の推定値(価格comIR資料より推定)
規模はそこまで大きくないですが、MAUが大きいことと、テイクレートが高いことが素晴らしいですね。
キナリノモールの業績②(時系列)
キナリノモール立ち上げが2016年3月ですが、立ち上げ後しっかり成長させることに成功しています。(YoY172%)
キナリノモールのすごいところ
流通額が伸びていますが、MAUとARPUどちらも成長させることに成功していました。
この点に、メディアコマースの戦略の真髄が隠されています。
キナリノの沿革
キナリノは元々メディアから始まり、モール、アプリ、マガジン等の機能を追加していきました。
・2014年7月 キナリノリリース
・2016年2月 キナリノモールリリース
・2017年4月 アプリリリース
→ アプリユーザーのPV20倍、購買金額2倍
・2018年3月 キナリノサロン配信
キナリノの戦略マップ
上記を踏まえると、キナリノは次のような体制で収益を伸ばしています。
つまり、メディアをフロントエンドとして、ECやAppでLTVを向上させる戦略がハマったと言えるのではないでしょうか。
そもそも、なぜ上記の戦略が成功したのか?
ここは僕の考察ですが、次のようなオフラインの行動を一定代替出来たからではないでしょうか。
① 本屋でライフスタイル雑誌を買う。
② コンセプトに共感する。
③ 雑誌に掲載されているような商品をLoft等で買う。
業界動向サーチに寄ると、雑貨業界の市場規模は7412億円(2019/11/23アクセス)でした。
また、雑貨業界のEC化率は、2018年度において22.51%と、2018年平均6.22%と比較してかなり高い水準にあります。
メディアコマースはどういうときに有効か?
次のような条件を持つときに、メディアコマースというのは有効ではないでしょうか。
・雑誌 → 小売で購買のフローを持つ
・ECで購入しやすい
・雑誌がWEBメディアで一定代替可能
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