平安保険とライフネット生命から見る、最新の保険マネタイズ戦略

ハイライト

・ライフネット生命:デジタル広告によるROIの高いユーザー獲得を実現
・平安保険:高いクロスセル率(※)による高いLTVの実現

生命保険事業/ユニットエコノミクス比較

今回は、ライフネット生命と、平安保険の「Life and health insurance」の事業のユニットエコノミクスを比較しましたが、次のようなことが言えるでしょう。

・平安保険の生命・健康保険事業の会員数は圧倒的
・保険会員あたりEV(※)はほとんど変わらない 
・ライフネット生命のほうが獲得コスト回収効率が高い
・ライフネット生命は、インターネット広告比率が高い

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※ EVというのは、Embedded Valueの略称であり、現時点の保有保険契約の資産価値の合計です。今回はLTV的な意味として採用しています。

平安保険のマネタイズ戦略

ポイント① 多岐にわたる事業

ライフネット生命との比較は、平安保険の「Life and health insurance」事業を比較しましたが、生命保険以外にも次のようなHealthcare・Finance・Technologyの事業を運営しています。

・Life and health insurance: 生命保険・健康保険
・Property and casualty insurance: 損害保険
・Banking: 銀行
・Trust: 信託
・Securities: 証券
・Other asset management: その他資産運用
・Technology: ECサイトや、医者相談アプリ、健康管理、等

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ポイント② 高いクロスセル率

以下の指標は、1ユーザーあたり複数の事業区分のサービスを利用している割合ですが、クロスセル率を伸ばし続けていると言えるでしょう。

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また、このような高いクロスセル率を実現している理由を要約すると次のように述べられています。

テクノロジーによって、サービスや流通経路の効率性・品質の改善、保険・金融事業などの顧客体験の向上

述べられていることは普通ですが、個人的にはクロスセル率はここまでグロースすることが可能なんだな〜という基準を知れた事に価値があると思いました。

考察・まとめ

ライフネット生命は、オンラインであることを戦略としていますが、平安保険を見てみると、改めてOMO(Offline merged Online)のパワーは強いなと感じました。

オンラインでの顧客獲得は限界が有りますし、ライフネット生命もオフラインにも舵を切るタイミングが来るのではないかな〜と思いました。ただ、ライフネット生命がここまでしっかりしたユニットエコノミクスを構築していているのは偉大な業績だと思います。

Appendix

ユニットエコノミクス計算式
2020/01/06_ライフネット生命・平安保険ユニエコ分析

参考資料

Ping An Insurance『2019 Interim Report』
Ping An Insurance『 Interim Results 2019』
ライフネット生命株式会社『2019年度第2四半期決算説明資料』



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