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『ソンジェ背負って走れ』タイムリープの時間軸と考察・感想

 毎週月曜日が待ち遠しい…取り憑かれたように何度も何度も繰り返し見てしまう…そんな魅力のある韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』。終わらないで欲しい気持ちでいっぱいだが、来週最終回を迎える前に、少し時間軸を整理しておきたいと思い備忘録に書いてみようと思う。

企画意図

 もしあの時、過去に戻れたら良かったのに…と思う瞬間は、誰しも一度はあるのではないだろうか。本作もまた、タイムリープを通して過去に戻り、相互に救い合う物語ではあるが、企画意図をよく読むと、本当に伝えたいことは“一瞬一瞬の輝きを精一杯生きること”なのだと思う。

企画意図の全文は、こちらの公式サイトで読めます。(翻訳機だと少し変な部分もありますが…)

少し脱線しますが、ソルの親友ヒョンジュが、過去に戻れたとしてもやり直さないという場面も、ここにリンクしてくるのだろうな。そして、お金に困らずに生きてきたヒョンジュは、選択の積み重ねで、クムという名のゴールドを手にしたという展開も見どころポイント。

時間軸

 過去に戻って過去を変え未来が変わる、という展開なので、見れば見るほど、だんだん迷いの森へ足を踏み入れそうになる時も。日付が曖昧な部分もありますが、分かる範囲で少し図にしてみることに。(間違っている部分あったらごめんなさい…文字が小さいので手元で拡大ください。)

ソルとソンジェの時間軸

0回目の人生

 0回目=元々のソルとソンジェの時間軸から物語は始まり、2023年1月1日にソンジェが亡くなってしまったところからソルのタイムリープが開始。ここでのポイントは、2008年5月〜9月辺りの貯水池での誘拐事件のことが、ソンジェの時間軸目線で描かれていないこと。あえて、ソルの視点で展開が開始するからこそ、ソンジェがタイムリープしてソルを救助したのか?一体どう過ごしてきたのか?幾つものパターンの考察をしたくなるのだと思う。

1回目の人生

 1回目のタイムリープでは、ソンジェと知り合いになり、証明写真を撮ることに。だからこそ、2023年の場面で財布の横に写真が出てくる。一方で、2008年9月の誘拐事件を迎える前にソルは現在に帰っていくので、ソンジェの死もソルの車椅子での生活も変わらない。(2008年7月ごろにテソンの告白を受けた場面で、ソルは一度現在に帰ってしまう)

2回目の人生

 時計が光る0時のタイミングでタイムリープ出来ることに気付いたソルが、再び過去へ。1回目に現在へ帰った後、自らお祓いをするよう頼んでしまったことで、お祓い中の場面に魂が戻る形で動き始める。ソンジェ目線でこの場面を振り返ると、好意を寄せるソルがテソンと付き合い始め、突き放されたと思いきや、34歳のソルが舞い戻りソンジェ!!と呼ぶので、きっと大混乱したに違いない笑。ここでのポイントは、2008年9月に起きるはずだった事件が釣り人によって回避され、ソルが現在に帰った後、2009年5月10日に起きたということ。そして、ソルがソンジェの時計を受け取ったということ。おそらく2009年5月にヨンスと揉み合いになったソンジェが時計を落とし、その時計を20歳のソルが受取→祖母が大切に所有していたことで、ソンジェは時計を無くし、ソルは現在に帰った後に見つけることが出来たのかなと思う。

3回目の人生

 2009年の大学生の場面から3回目は開始。同年の0回目の人生では、進学せずにECLIPSEとしてデビューしていたはずのソンジェの未来も変わり、ここではソルと同じ大学に進学した設定に。ここでのポイントは、ソンジェが未来を知ることと、ソンジェの未来が2009年に早まってしまったこと。2回目の人生で埋めたタイムカプセルを、3回目の人生ではソンジェがしっかり覚えていて自ら掘り起こし、ソルの側にいる決意をするソンジェ。(=どれだけソルがタイムリープしても過去を変えなければ、ソンジェの記憶も継続するのか。)

一方で、タイムリープしなければ2023年のソンジェと会えていたソルにとって、彼を救うために始めたはずが、未来が前倒しされ、2009年にソンジェとお別れすることになってしまう。(時間軸を整理する中で、ここが一番悲しかったし、ソルを想うと辛すぎる…)だからこそ、ソンジェの人生から自分を消すことが、唯一のソンジェが生きる手段だと思ったのだろう。

4回目の人生

 本当は無かったはずの4回目が、悲しみの出来事によって始まる。ソンジェの時計で夕立の瞬間に戻ったソル。ここからソンジェの人生からソルが消えてしまう。謎が残るポイントは、3回分のタイムリープのうち残り2回がどうなったのか?ということと、2008年・2009年にヨンスがソルを誘拐しなかったのか?ということ。そしてソルが現代に戻るのは2009年と2023年どちらなのか。(明確に描かれていないが2009年5月のカレンダーから予定が消えるのを見ると2009年5月に戻って引越した?)

過去と、この先の展開

 4回目の人生の謎がなぜ残るのかは、この作品の視点と時間軸のメインはソルだからなのかもしれない。

図の緑点線枠の①と②のソンジェの視点で大きく謎が残っていて、ここから先は幾つかのパターンで想像してみたい。まず①の部分で、ソンジェがソルを知り合いのように橋の上で呼び、救助する場面。タイムリープしてるような…してないような…。もしタイムリープしている場合は、2つくらい分岐があるようにも思う。

①のタイミングでソンジェがタイムリープしている

 ep1でソルが三途の川について会話する場面を思い出したい。”人の命が尽きると肉体は残り魂は天へ昇る”“あの世でも川の上に月が浮かんでいるわ”と言われ、“あの世に行ったことがない”とソルが言う場面だ。2008年9月の誘拐事件の日、満月のように月が映し出されることも踏まえると、あの日ソルを救おうとして二人ともが亡くなってしまったとしたら…。死後の世界で互いを救済するための時計を受取、ここからソンジェのタイムリープが始まりソルを助ける展開もあるのかも。(もしくは片方のみが亡くなっている可能性も。)

②のタイミングでソンジェがタイムリープしている

 4回目のタイムリープ時に、全ての記憶を持ったまま過去にたどり着いたソンジェが、ソルを守り続けるという想像もできる。物語の構成上は1話からソル視点だが、もし同時並行で、ソルが現在に帰っている間ソンジェが守り続けていたとしたら…。2008年9月の誘拐事件でソルを助けたのは、4回目の後のソンジェだったと言う展開もあるのかも。


残り2回のタイムリープは?

 4回目のタイムリープ時に残った2回分がどうなったか。ここは、4回目のタイムリープ期間のソンジェの過ごし方次第だが、彼が②でタイムリープしてないとすると、2024年35歳のソンジェが過去に戻る展開があるのかも。ヨンスが未だソルを狙い、ソルが窮地に立たされた場合、残りの2回分を使って35歳のソンジェが過去に戻りソルを救済するという可能性もありそう。

残り2話分、ソンジェの視点で描かれるソンジェの時間軸が明かされることで、きっと展開が見えるはず。想像しても斜め上の展開をいき続ける作品なので、全く展開が読めないが、最後は本編を追っていきたい。