見出し画像

海外カンファレンス登壇に向けて準備したことの備忘録


このnoteは何?

先日、ベルギーはアントワープで海外カンファレンスDevOpsDays Antwerpに登壇してきました。自分にとってはすごく刺激的な体験で、多くの人に同じような体験をしてほしいと思っています。
ですが、以前の自分がそうだったように、海外カンファレンスへの登壇や参加はハードルが高いもの、自分には関係ないものだと感じている人は少なくないでしょう。そういった人たちが「ちょっとやってみようかな」と思い立った時に背中を押すものになればと思い、本稿を記します。

前提:海外カンファレンスへの参加で得られるもの

近年はRSGTやDevOpsDays Tokyo、そして開発生産性カンファレンスなど、海外の著名なスピーカーを招聘するケースが増えています。とてもいいこと!
じゃあ、スピーカーが来てくれてるから海外に行く意味がないかというとそうではありません。やはり「現物」に触れるということには、大きな価値があります。以下に、私が感じた価値をいくつか列挙しておきます。 

  • 海外のエンジニアたちの興味関心に触れることができる

  • 日本にキーノートスピーカーとして招聘している方々が何人も通常スピーカーとして登壇している

  • (登壇した場合)海外の視点からフィードバックをもらえる

  • グローバルなネットワークを構築できる

この他にも、自分自身の自信につながる、「海外で登壇した」という実績がキャリアにプラスの作用をもたらす、といったメリットもあります。こういった点に魅力を感じるのであれば、ぜひチャレンジすることをおすすめします。

STEP0 組織のバックアップをとりつける

海外カンファレンスへ参加するとなると、数日間は日本を離れることになります。タイムゾーンが大きくズレたところであれば、オンラインであってもメンバーと同期して業務を行うことは難しいでしょう。なので、海外カンファレンスへの参加は数日間業務から離れることを意味します。(※やってやれないことはないけど、相当キツイです)

また、経済的にも大きな負担がかかります。しかも2024年現在、円安傾向はまだまだ持続中。この負担について組織がバックアップしてくれるかは確認しておきたいところです。(私費で行くぜ!という方は気にしなくていいところです)

組織の中で海外出張のスキームが確立しているならばそれに乗っかるとよいでしょう。それがないならば、そもそも海外カンファレンスに参加することを組織としてどうとらえるかを尋ね、なぜ海外カンファレンスに行きたいのか、どんなメリットがあるのかをプレゼンテーションしていくとよいでしょう。

STEP1 登壇したいカンファレンスのプロポーザル要項を確認する

ここは国内で登壇する場合と一緒です。自分が話したい内容がカンファレンスの趣旨と合致しているか確認しましょう。
このとき、そのカンファレンスでどのようなセッションが採択されているのか、過去開催分のタイムテーブルを眺めながら確認すると感覚が掴めます。

STEP2 プロポーザルを書いてみる

はい、ここも日本で登壇したい場合と一緒です。プロポーザルを書きます。
異なるのは、英語で書くという点。英語に自信がある方はそのまま英語で書けばよいですが、そうでない場合はまず日本語で書いてみることをおすすめします。
日本語で書いた後は英訳ですが、DeepLちゃんがなんとかしてくれます。賢いです。

ただ、可能なら英語が堪能な同僚や知り合いにチェックしてもらうとベターです。

STEP3 プロポーザルを出す

出しましょう。「こんなプロポーザル通らないよな…」と不安になるかもしれませんが、出さないと100%通りません。出したら通る可能性が生まれます。出しましょう。

STEP4 プロポーザルが通ったら

プロポーザルが通ったら、あらためて海外で登壇すること、日程、などを所属組織に共有します。

そして忘れてはならないのが、航空券および宿泊施設の確保。旅慣れている方はともかく、そうでなければJALやANAのようなフルサービスキャリアを選択することをおすすめします。LCCと比べて値は張りますが、トラブル発生時の対応などの安心感が違います。(そして、遅延や欠航などのトラブルはそれなりに発生します)

もしパスポートを持っていない/失効している場合は速やかに発行しましょう。プロポーザル採択から登壇までのリードタイム次第では、採択決定より先んじて発行手続きをしておいたほうがよいでしょう。

STEP5 登壇準備をする

日本での登壇と同じく、スライドの作成や練習をやっていきましょう。
日本では登壇慣れしていてわざわざ練習していない、という方も、海外登壇が初めてならばやっておくことをおすすめします。
特に、有志を募って人前で話すことをおすすめします。人前で英語を話すという体験に慣れるためと、自分の英語が少なくとも自分のまわりの人には伝わるか?を確認するためです。
私の場合も、事前練習で「ここの意図が掴みづらかった」などフィードバックをいただけたおかげで発表をブラッシュアップすることができました。

STEP6 渡航で必要なものを買っておく

海外はコンセントのプラグ形状や電圧が異なるため、変換器を買っておきましょう。スマホ、スマートウォッチなど毎日充電したいような電子機器をいくつも持っている場合、変換器も最低2つはもっておきたいところです。

カンファレンス日程はだいたい2-3日ですが、海外に渡航する場合は前後+1日はみておきたいところです。となると、それだけの日程分の着替えが入るトランクが必要になります。国内での1-2泊程度の宿泊向けのトランクしか持っていない場合は用意しましょう。
なお、購入してもいいですし、レンタルサービスを活用するという手もあります。

STEP7 英語を勉強する

多くのカンファレンスでは、英語が共通語になっています。ものすごく流暢に話せなくても大丈夫ですが、渡航前から耳を慣らしておくと、渡航時に「フハハ…わかる、わかるぞ!!」となるのでおすすめです。

執拗にリマインドしてくるDuolingoは「今日はやらなくてもいいかな…」と怠ける自分に喝をいれてくれるので、おすすめです。

STEP8 パッキングする

出発日が近づいてきたら、パッキングします。お土産等を詰め込むことを考えると、トランクに対して半分程度の詰め込み具合にしておきたいところです。

STEP9 楽しむ!!

ここまできたら、いよいよ渡航して、カンファレンスを楽しむだけです。グッドラック!

コンフォートゾーンから抜け出そう

海外登壇までの流れを、粒度にばらつきがありながらもざっと解説してきました。少しでも「やってみるかー」という気になっていただけたなら幸いです。

海外カンファレンスへの登壇・参加は、これ以上なくわかりやすくコンフォートゾーンからの脱出です。「いやーちょっとハードル高いなー」と思う気持ちが、コンフォートゾーンからの脱出を示唆しています。ぜひともチャレンジを!

いいなと思ったら応援しよう!