LOUD PARKに行ってきたら過去最高の満足度だった
Are You Metal?
2017年を最後に開催が途絶えていたLOUD PARK。
それが2023年、突如復活を遂げました。しかもヘッドライナーはPANTERA。PANTERAが再結成したというニュースは知っていて、もし日本に来るなら観てみたいとは思っていたのですが…まさかのLOUD PARK。行かない理由はない。というわけでいってきました。
幕張は雨
3/26。ようやく春の兆しが見え、桜も見頃を迎える中ー幕張は、雨だった。雨、それは寒い。
ドローンメタルかよってくらい前に進まない物販列に見切りをつけ入場列に並んだのですが、ここも一向に動かず。ふりかえってみると、朝の段階では若干テンションが低かったです。
Phantom Excaliver
青春メタル。入場すると、すでにオープニングアクトのPhantom Excaliverが演奏してるではないか。もうちょっと開場を早くしてくれたらみんなでやっさっさできたのではないか。
などと文句をいいながらも、新曲「メタルは裏切らない」からはガッツリ聴くことができました。楽しい!
Phantom Excaliverのおかげで雨の辛さが消え、「ああ、俺はいまからメタルを浴びるのだ」という高揚感が湧き上がってきました。
朝ごはん
もう一組のオープニングアクト、BRIDEARの音漏れを聴きながら朝ごはん。
おいしかったです。
Jason Richardson & Luke Holland
変態テクニカルインストバンド!まったくノーマークのアーティストでしたが、本編トップバッターなのでせっかくだから聴いてみることに。
めちゃくちゃテクニカルなインスト!これを朝一発目に持ってくるのすごい。個人的には好物でした。
H.E.R.O.
メロハーっぽさとジェントっぽさが融合した新しい音像。同行した先輩が聴きたいというのでH.E.R.O.も観覧。朝はまだ人が少ないので余裕で最前までいけました。
これがまあかっこいい。歌メロが秀逸で、演奏はモダンなヘヴィさがある。なにかきっかけがあるとメインストリームで化けそうな気配すら漂うバンドでした。(私が知らないだけですでに売れてるのかもな)
昼ごはんと物販
OUTRAGEの音漏れを聴きながらお昼ごはん。
ゴリゴリのメタルをBGMにご飯が食べられる、というのも実にフェスらしい体験です。
BLEED FROM WITHIN
メタルコア。わりかし激しめの音で、事前に音源を聴いて楽しみにしていました。しかしこのあとのラインナップと自分の体力(朝、雨で弱らされている)を鑑み、後ろの方でまったり観覧。心地よい低音。
AMARANTHE
ボーカルオリエンテッド(トリプルボーカル!)でモダンなメタル。一般的な聴きやすさは今日イチか?2ndまでは好きだったけど3rd以降はいまひとつ琴線に触れない状態だったので、休憩タイムにしようか悩んでました。結果的に前の方でみたわけですが、思った以上に楽しめました。
2015年(だったかな?)に観たときと男性ボーカル2人が交代していたのですが、スクリーム担当の方が秘帖に華がありました。
ただ、演奏はやけに音が小さかったかも?そのせいですこし精細を欠いた印象でした。
CARCASS
元祖メロディックデスメタルとよくいわれるけど、グラインドコアだったり様々な要素を含んだドロドロしてるバンド。2008年以来に観るCARCASS。私のデスメタル理解度が高まったからなのか、バンドの演奏力がさらに高次元に至ったからなのか、自分でも驚くほど楽しめました。
凶暴でスラッシーな音はやはりフェス向きで、会場もここまでで最高の盛り上がり。超名曲のheartworkは最高にシビレました。
STRATOVARIUS
フィンランドの英雄。先に言っておくと、本日の個人的なベストアクトは彼らです。
途中、ティモが高音を出すのに苦労する場面があったりと、満点のパフォーマンスではありませんでした。
けれども新譜からの曲を散りばめながら、まさに「THE BEST OF STRATOVARIUS」な選曲となったセットリストは最高でしたし(Father Time, Paradiseは驚いた!!)、コールアンドレスポンスによる一体感もベテランだからこそなせる業。個人的に好きなバンドだ、という贔屓目は多分にありますが、本当に素晴らしかったです。
晩ごはん
これを逃すとご飯を食べることができない。Night wishが始まる時間でしたがNight dishを優先しました。
でもですねぇ。音漏れのNightwishがすごくよかったのですよ。なので結局、食べ終わってから後方ブロックで観覧しました。
Nightwish
ザ・シンフォニックメタル。実は、音源だけ聴いてるとそこまで好みのバンドでもないんです。私はシンフォニックならもっと大仰にコテコテしてほしい。Nightwishはいささかポップに感じていました。
けれどライブを観て自分の中の評価は一変。めちゃくちゃかっこいい。なによりボーカルがすごい。音階を縦横無尽に動き回る難しいメロディラインをうまく歌いこなしてる。バンドも盤石の演奏。
そして音源で「ポップすぎるかな」と感じていた部分は、ライブだと「ノリ」を生み出しており、ああこれがNightwishの魅力なのか、と勝手に腹落ちしてました。家に帰ったらちゃんと聴いてみよう。
Kreator
ドイツのスラッシュメタルの雄。個人的な準ベストアクト。
彼らに期待するスラッシーな高速チューンが一瞬にしてフロアを沸騰させ、その瞬間から開場はKreatorにDominationされました。
スラッシュメタルでありながら、クサささえ漂うツインリードがそこかしこに顔を出す。これがたまらない。気持ちいい。
あと、元ドラゴンフォースのルクレールがベースを弾いていたのには驚きました。でも、彼のアグレッシブでありながら哀愁のある曲を書くセンスは、実はKreatorにピッタリなのかも。
パイロや銀テープを使った演出も効果的で、BIG ROCKステージのトリとして堂々としたパフォーマンスをみせつけてくれました。
PANTERA
「よく考えたら、いまからPANTERA観るのか」
Ultimateステージ後方ブロックで待機しながら、そんな不思議な感慨がこみ上げてきました。
自分がメタルを聴き始めた時には、もうPANTERAはいなかった。それどころか、ダイムバッグ・ダレルもいなくなっていたのです。
周囲のメタラー達に勧められるがままに「俗悪」や「カウボーイズ…」を聴き、ああこんな素晴らしいバンドを、自分は体験することができないんだなぁ…なんて思ってました。
目の前にPANTERAがいる。
もちろんダイムバッグ・ダレルとヴィニー・ポールはいません。けれども、ザック・ワイルドとチャーリー・ベナンテが代打をつとめるPANTERAはPANTERAでした。
以前、Downで観たときには精細を欠いていたフィル・アンセルモの咆哮は力強く、耐えきれなくなったメタラーたちがモッシュを始めるのも無理からぬことでした。(なにも私の近くで始めなくても…とは思いましたが)
ギターキッズ中年としては、ザック・ワイルドから繰り出される音とその佇まいに魅入られずにはいられませんでした。ダイムバッグ・ダレルの代役なんてとんでもない重圧だろうに、彼はそれをやってのけたんです。
自分の音楽的嗜好からすると、決してど真ん中ではないPANTERA。それゆえ、好みにドンピシャでかつ最高のパフォーマンスだったSTRATOVARIUSやKreatorのほうが個人的満足度は高かったです。
それでも、あのPANTERAが、緊張感のあるハイレベルなパフォーマンスを魅せてくれた、というのはそれだけで今回のLOUD PARKに参加した価値となるものでした。
一番混雑していたのは京葉線ステージ
PANTERAの余韻に浸りながら海浜幕張を目指すと、なんと乳歯規制。今日一日を通して初めての入場規制。いやーすごいな京葉線ステージ。
実際問題、規制がかかるほどの量のメタラーが海浜幕張に集結していた、というのはちょっとびっくりですね。
メタルは健康にいい
みなさん既にお気づきの揺るぎない事実だとは思いますがあらためて宣言します。
メタルは健康にいい。
Fitbitによるとラウドパーク参加によってかなりの運動効果が得られたようです。みんなメタルを聴こう。
またやってくれる…よね?
というわけで久しぶりに復活したラウドパークは過去に参加したどのラウドパークよりも最高に楽しめました。(年々、自分のメタラー度が上がってるからかもしれないですが)
夏にはダウンロードジャパンが開催されましたし、来週にはknotfestも開催されます。それでもラウドパークには、ラウドパークにしかない不思議な魅力があると、今回の再確認しました。
コロナ禍を経て、にわかに来日ラッシュが続く昨今。この勢いをうけて、ぜひまた近いうちにラウドパークを開催してほしいものです。