人見知りのためのコミュニティ生存戦略
人見知りです
生まれてこの方、人見知りです。知らない人がいる会合に参加したり、話したり、ということが苦手です。嫌いではなく、苦手なのです。
私のことをまったく知らない方は、「へぇそうなんだ」と思われることでしょう。
それなりに知っている方は、「いやいやコミュニティではしゃいでるの見ましたよ、なんならあなたから話しかけられましたよ」と疑問に感じるでしょう。
私のことをよく知る方は、「ああ、本当はそうだよね。知ってる知ってる。」とおっしゃいます。
人見知りにみえない人が実は人見知り、というのはよくある話です。人見知りには人見知りなりの処世術があり、たとえばtakigawaさんのように完全に擬態できている方もいらっしゃいます。
私がなぜコミュニティで「いきいきしてるかー!」って叫んでるのか。いつもいろんな人と絡んでるのか。今日はそのカラクリについてお話します。
コミュニティの意義
ソフトウェアエンジニアは勉強が好きです。全員じゃないだろうけど好きな人が多いです。そして、自分の業務領域だけでは学びたい範囲をカバーすることは困難です。
そこでコミュニティ。偉大な先達や気鋭の若手、苦しみを分かちあう生涯の友がそこにはいます。
コミュニティのたのしみ方は千差万別。Discordのログを見るだけでも、勉強のスライドを見るだけでも楽しい。勉強になる。
でも、それだけじゃない。
その場にいるリアルな人間と交流し対話することで、コンテンツ化されていない学びと楽しみが生まれる。これはDevLOVE XやRSGT2020(特におよべさんのセッション)で実感したことです。
そう、学ぶためにも交流したい。でも人見知り。何話しかけてんだこのカス野郎って思われるかもしれない…Discordで大人しくしてよう…。
ほんとにこのくらいの気持ちでした。いまもその気持ちはあります。でも、学びたいんです。
人見知りは話しかけるのが苦手。じゃあ、話しかけてもらえるようにすればいいんだ!
話しかけられるのも苦手。自分にとって苦手じゃない話しかけ方をしてもらえばいいんだ!
作戦「先手必勝・質問王に俺はなる」
私がよく取る手段、かつ有効なのは「とにかく質問すること」です。
登壇者は孤独な存在。自分の話が皆の学びになっているのかとても気にしています。このときに質問してくれる存在はとてもありがたいものです。
「自分なんかゴミクズみたいな質問しかできないからゴミクズなんです」という気持ちが込み上げてくるかもしれません。
でも、その素朴な質問はもしかしたら隣に座ってる凄腕っぽいあの人も疑問におもってるかもしれません。
質問がひねりだせなかったら「質問じゃなく感想なんですけど…」と感想をいうだけでもいいんです。
質問する、感想をいう。そのためになにが必要か?話をちゃんと聞くことです。そう、質問しよう感想言おうと思っていると集中力が増すのです。
そして質問や感想は登壇者にとってのごほうびです。質問や感想を発することを前提において臨むことは、あなたと登壇者にWin-Winの関係を生みます。
そして、質問や感想を伝えていると、登壇者やスタッフの方から「質問ありがとうございますー」と声をかけてもらいやすいです。自分が興味をもって参加したセッションの、自分勝手理解を深めたい内容への質問に対してのお礼は、話しかけられるのが苦手なあなたにとっても決して居心地の悪いものではないでしょう。
作戦「キャラ付け」
先程の「とにかく最初に質問する」など印象的な行動をとっていると「質問する人」というキャラ付けができます。
OSTで必ず先鞭をつける、というのもいいでしょう。このようになんらかの形で、場において発信を繰り返していきます。
そうすると、Discordなどで自分の行動に対してコメントをもらえるようになります。
「よく質問してるね」
「いきいきしてるね」
「いきいきしてるかーー!!」
外からみた自分が客観的に刻まれているのがコミュニティのコミュニケーションです。現代であればそれはテキストチャットの体裁をとっていることが多いので文字で追いやすいというメリットもあります。
作戦「撒き餌」
自分が話しかけてほしい内容に関連した服装をしていく、というのも飛び道具としてはアリです。
大事なこと 無理はしない
一番肝心なのは「無理はしない」こと。自分のアイデンティティに反するような過剰なキャラ付けへする必要はありません。
あなた個人の人となりからにじみ出る、積み重ねから放たれる輝きこそに人は惹かれるのです。むりやり変な行動をすると引かれるのです。私も自分がやりたくないこと、自己像にそぐわないことは一切やりません。
人見知りだからこそ知り合いを増やす
このようにして人から話しかけてもらいやすくし、またコミュニティに参加しやすくしているのが私の生存戦略です。
何度もいいますが人見知りです。知らない人は苦手です。でも、知り合いになれば苦手じゃあありません。友人にでもなろうものなら積極的に話したい相手になります。
そして、その場における知り合いの割合が一定を超えると、そこはホームになります。ホームになると自分から話しかけていくことにも抵抗がなくなっていきます。
人見知りなのにコミュニティに参加している方は、きっと昔の私のようにコミュニケーションのきっかけを探しているのだと思います。(本当にコミュニケーションしたくなかったら場にはでてきませんから)
なので、ホームとなった場ではそういった方々に話しかけることもやっています。(生来人見知りなので、うまくできないこともありますが)
そう、人見知りだってホームじゃコミュ強。なら世界をホームに変える。人見知りであることを誇り、人見知りとしてこれからもコミュニティに参加し、ホームにし、またホームと感じられる人を増やしていきたい所存です。そんな考えに共感してくれたり、今回書いた内容が何か動き出すきっかけになれば幸いです。