なぜリーンコーヒーからは納得感が生まれるのか
リーンコーヒーという手法
リーンコーヒー、という名前を聞いたことがあるだろうか。
とても雑に説明すると
・参加者たち自身で話し合いたいトピックスの候補をあげ
・そのトピックについて話したい、という参加者が多いものから話し
・一定の時間で区切りながらも参加者の要望で柔軟に時間を伸ばしながら議論できる
という手法だ。このフレームに乗っかることで、ミーティングの方向性が定まり時間配分もしやすくなる。
ファシリテーターにとって強力な補助輪となってくれるのだ。
詳しくは、新井さんの資料がとてもわかりやすいのでそちらを参照してほしい。
https://www.slideshare.net/araratakeshi/lean-coffee-60156736
「選択する」ということ
このリーンコーヒーにおいて、個人的に特に重要視している点は
「自分たちで議題を選択する」というところだ。
会議というものは、ともすると受け身に参加してしまうことがある。
議事が進行しているのにカタカタと内職したり、最悪の場合夢の中へ行ってしまう人も出てくる。
ところが、自分たちで議題を選ぶとその時点で「自分ごと」になるわけだ。
コーヒーとアジャイルのマリアージュ
この「自分ごと」化が効果を発揮するのが、そう「アジャイル」である。
今回は「インセプションデッキの更新」、言い方をかえると「むきなおり」に適応した所感を紹介したい。
むきなおり
インセプションデッキの概要についてはこちらを参照いただきたい。こういうわかりやすい資料作れる方、すごい。
https://www.slideshare.net/TakaoOyobe/5-45195080
さてこのインセプションデッキ、作って終わりになっていないだろうか。
チームは変わる。そして取り巻く環境も。
ということはチームの方向性についても、見直す、つまりむきなおることが必要になる。
しかし、だ。
インセプションデッキというのは、なかなかボリュームがあるわけだ。
一度に全部見直そうとするとかなりしんどい。
そこで、「リーンコーヒー」の出番となるわけだ。
・議題を出す工程はスキップ
・更新したいデッキの要素に投票
・一番票が多いものから更新
この方法をとると、「多くのチームメンバーが気にしている」ことの優先順位をあげて議論できる。
気にしている人が多いところについて話すので、当然議論の熱も高くなり、その過程でチームの方向性が一段と絞られる。
(ここはファシリテーションスキルがかなり重要な役割を果たすのだが、今回は割愛)
その他応用
今回は詳細な紹介はしないが、「ふりかえり」に対してもリーンコーヒーは有効である。
「参加者の興味の量が可視化される」という点はやはりアジャイルプラクティスと相性がよい。
特に、チーム内での発言力、発言量に差がある場合は機械的に投票数で判断するという方法は有効に機能する。
会議にも、そしてアジャイルプラクティスにも効く「リーンコーヒー」。
試すのは簡単なので、ものは試し、ぜひやってみてください。