二月二日〜六日 埋めても消えない
二月二日
午前中来てくれたお客さんが、パズルやスプーン作りにとても興味を持ってくれて嬉しい。気になっていたのだけどなかなか来れなくて、でもまた来ます!と言って帰っていく。
今日から3日間、機械を使うために京都からのお客さんが来る。厚めの合板を、手ではとても切れない曲線形に切り抜いていく。機械室も工房もフル稼働で賑やか。
少し早めに退勤し、上田へ。夕飯を食べに行く約束をしていたので、割引の効くガソリンスタンドで灯油を汲んでから向かう。久しぶりにインドカレーを。
帰宅後、旅のお誘いが来ているのに気づき、地図を見たりして気分が上がる。平日限定で、新幹線がお得に使えるキャンペーンがあるそう。
二月三日
節分。昨日差し入れてもらった、クルミ入りの恵方巻きをお弁当に。
地図を見たり、新幹線の時間を調べたりして、行きたい場所が次々浮かんでくる。盛り込むと良くないしなと思いながらも、イメージするのはたのしい。
二月四日
立春。午前中、一昨日のお客さんが今度は家族みんなで来てくれる。ご主人は大工さんで、機械室にある機械や、レーザーにもとても興味があって、機械が動いているのを何ともたのしそうに眺めていた。レーザーで木のボールにイラストを焼き付けてお持ち帰り。
午後、先日来てくれたお客さんのお知り合いが見学にいらっしゃる。小学生の頃の担任が図工の先生で、授業はいつも図工ばかりだったそう。糸鋸を使ったり絵を描いたりしたという、その様子を聴いているだけで、たのしかったのだなぁと伝わってくる。
その後、前の職場の方がご家族で遊びに来る。初めは気づかれていなかったけれど、どうしてもその方のように見えて、人違いだったら申し訳ないのですが…と尋ねてみるとやはりその方だった。世間は狭い。
二月五日
朝、東の空が鮮やかな色。
雪予報はどうなるかな、と思っていたら、午前中から降り始め、お昼頃には積もっていたので雪掻きに出る。建物正面の駐車場を掻き、裏の日陰になってしまう道を掻く。ここ1、2ヶ月で一番元気かも、と思いつつ掻き続け、2時間半くらい経っていた。しんしんと降り続き、初めに掻いたあたりにはまた積もりだしていて、これは積もるね〜と早めに退勤。
帰宅後、まず雪掻き。いつも車はバックで入れるけれど、駐車スペースまでは下りの斜面になっていて、そこに雪が積もっていたので、一先ず前向きに入れる。そこから、家の前の道と駐車スペースまでを雪掻き。掻いたそばから積もっていき、1時間半くらい経って、after の写真を撮ろうとしたらbefore と変わらない様子になっていて笑ってしまう。先ほど掻いた駐車スペースまでの下りをもう一度掻いて、車をバックで入れ直し、撤収。体が温まっているうちにシャワーを浴び、できるだけ部屋を暖めて、なかなかできずにいた冊子を綴じる作業を。久しぶりに除雪車の音。夜中降り続いたら、明日の朝はどんな景色になるだろう。
二月六日
雪深い朝。除雪車のおかげで道にはそれほど積もっておらず、そのかわり、家の前に膝下くらいの高さの雪の垣根ができていた。
ゴミを出しに行ってから、車を出すべく雪掻き。1時間かけて駐車スペースを開き、車を出せる状態に。
一本道の下りの途中、向こう側とこちら側で除雪の具合がはっきりと違う、境目が現れていた。市境だった。
職場に着き、打ち合わせの時間まで1時間半ほど雪掻き。後半は陽も出てきて、しっかり汗をかく。
家の改装についての打ち合わせ。家をどうするかという具体的なことも、全体の進め方も、自分の中にあるのだけどうまく言葉で表せないイメージを汲んでもらえて、とても有り難い。今のところ、完成形を設定して目指すよりは、作っていくことをしたいのだと思う。直線的にだけではなく、曲線的な、双六のような進め方もありで、両方を行ったり来たりするのも良さそう、という表現がしっくりきた。
すぐに形として表れるものは、分かりやすくて、伝わりやすい。
でも、形になっていないもの、見えていないものが必ずしも「ないもの」ではない。
「見えにくいけれど確かにあるもの」には、時間がかかるかもしれない。
でも確かにあるから、埋めておいても消えない。
時間をかけてもらえるって、ありがたいことだ。
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